トップ
>
御旗
>
みはた
ふりがな文庫
“
御旗
(
みはた
)” の例文
「では残りおしいが、
伊那丸
(
いなまる
)
どの、また会う機会もあるであろう。その宝物の
御旗
(
みはた
)
、その
楯無
(
たてなし
)
の
鎧
(
よろい
)
が、かがやく日をお待ちするぞ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見れば背後の床ノ間に、日月を金銀で打ちつけたところの、錦の
御旗
(
みはた
)
が一流れ尊厳そのもののごとく森然と、霊気を含んで立ててあるではないか。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「今度はもうそんなに、こわい御通行じゃない。なんにも恐ろしいことはないよ。今に——
錦
(
にしき
)
の
御旗
(
みはた
)
が来るんだよ。」
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
老人は大きな眼を
瞠
(
みは
)
りながら叫んだ、「……
錦
(
にしき
)
の
御旗
(
みはた
)
が、……砲煙の向うに、
槍
(
やり
)
や刀がきらきらと光っている向うの方に、
朱
(
あか
)
い朱い、美しい錦の御旗が見える」
春いくたび
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
さるを
骨肉
(
こつにく
)
の愛をわすれ給ひ、
八五
あまさへ
八六
一院
崩御
(
かみがく
)
れ給ひて、
八七
殯
(
もがり
)
の宮に
肌膚
(
みはだへ
)
もいまだ
寒
(
ひ
)
えさせたまはぬに、
御旗
(
みはた
)
なびかせ
弓末
(
ゆずゑ
)
ふり立て
宝祚
(
みくらゐ
)
をあらそひ給ふは
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
▼ もっと見る
という
錦
(
にしき
)
の
御旗
(
みはた
)
が、握りしめていた手からすっぽりと引っこ抜かれ、がっちり両手で握っていたものの正体がじつは透明な空白だったことに
否応
(
いやおう
)
なく気づかされたぼくは
煙突
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
皆
(
みな
)
白錦
(
しろにしき
)
の
御旗
(
みはた
)
でございます。
剣
(
つるぎ
)
の
様
(
やう
)
なものも
幾
(
いく
)
らも
参
(
まゐ
)
りました。
其
(
そ
)
の
中
(
うち
)
に
御車
(
みくるま
)
を
曳出
(
ひきだ
)
して
参
(
まゐ
)
りまするを見ますると、
皆
(
みな
)
京都
(
きやうと
)
の人は
柏手
(
かしはで
)
を打ちながら涙を
飜
(
こぼ
)
して
居
(
を
)
りました。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
つまり、それは錦の
御旗
(
みはた
)
を描いたもので、大和錦はこの御旗の地模様をつくり、ただ、図面と異なるのは、それに金銀の日月が打ってあるのと、ないのとの差であります。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
大佐
(
たいさ
)
は
今
(
いま
)
より
二年
(
にねん
)
以前
(
いぜん
)
、
其
(
その
)
一行
(
いつかう
)
と
共
(
とも
)
に
此
(
この
)
海岸
(
かいがん
)
に
上陸
(
じやうりく
)
した
時
(
とき
)
に、
先
(
ま
)
づ
第一
(
だいいち
)
に
此
(
この
)
島
(
しま
)
の
名
(
な
)
を「
朝日島
(
あさひじま
)
」と
命
(
めい
)
じ、
永久
(
えいきゆう
)
に
大日本帝國
(
だいにつぽんていこく
)
の
領土
(
りようど
)
たる
可
(
べ
)
き
事
(
こと
)
を
宣言
(
せんげん
)
し、それより
以來
(
いらい
)
、
朝日
(
あさひ
)
輝
(
かゞや
)
く
日
(
ひ
)
の
御旗
(
みはた
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
毘廬遮那
(
ビルシャナ
)
の
法
(
のり
)
の
御旗
(
みはた
)
の流れかと
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「さらさら、存じの
外
(
ほか
)
です。一つ
御旗
(
みはた
)
の下、まして今、外敵をひかえ、さような違和を内に持ってよいものではございませぬ」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「この儀ならぬとのご
諚
(
じょう
)
にませば、ご紋の
御旗
(
みはた
)
いただきたく、さすればこれを証拠の品とし、関東方へ引き渡し、合戦いたせしと申し
陳
(
ちん
)
じまする」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
百三十日あまり前に東山道軍の
先鋒隊
(
せんぽうたい
)
や総督御本陣なぞが
錦
(
にしき
)
の
御旗
(
みはた
)
を奉じて動いて行ったのも、その道だ。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
三三
あまさへ
去年
(
こぞ
)
の秋、
三四
京家の下知として、
三五
美濃の国
郡上
(
ぐじやう
)
の
主
(
ぬし
)
、
三六
東
(
とう
)
の
下野守
(
しもつけのかみ
)
常縁
(
つねより
)
に
三七
御旗
(
みはた
)
を
給
(
た
)
びて、
三八
下野の
領所
(
しるところ
)
にくだり、
氏族
(
しぞく
)
三九
千葉
(
ちば
)
の
実胤
(
さねたね
)
とはかりて
四〇
責
(
せ
)
むるにより
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
錦の
御旗
(
みはた
)
じゃ
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
御旗
(
みはた
)
楯無
(
たてなし
)
の宝物が欲しさに、慾に目がくらんで、わたしのような少女にまんまとだまされた! オホホホホ……やッとお気がつかれましたか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
御旗
(
みはた
)
が我らをお守りくださる。……いや我らが御旗を捧げて、まつろわぬ者どもを
折伏
(
しゃっぷく
)
するのだ」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
菊の御紋のついた深紅色の
錦
(
にしき
)
の
御旗
(
みはた
)
の続くさかんな行列を想像し、
惣萌黄
(
そうもえぎ
)
の
股引
(
ももひき
)
を着けた諸士に取り巻かれながらそれらの御旗を静かに翻し行く力士らの光景を想像した。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と、くやしそうに忍剣が石櫃を引っくりかえすと、なかからごろごろところがりだしたのは、
御旗
(
みはた
)
楯無
(
たてなし
)
の
宝物
(
ほうもつ
)
に、
似
(
に
)
ても似つかぬただの石ころ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かくて、さしも
新羅三郎
(
しんらさぶろう
)
以来二十幾世という
御旗
(
みはた
)
楯無
(
たてなし
)
の名家も、いつのまにか、二流国に下がってしまった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……身は石屋だし、手には鑿を持っているが、おなじ
御旗
(
みはた
)
の
下
(
もと
)
にいる兵士のような気になりましてね。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御旗
(
みはた
)
の
下
(
もと
)
へ
奔
(
はし
)
る気にもなれず、きょうの戦いにも、平家方の陣におりましたが、深く考えてみると、折角のお旗挙げが、ここで
挫折
(
ざせつ
)
したら、腐ったままの世の中が
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして今日、源氏の
御旗
(
みはた
)
の下に、こうして、あなた様のお姿を拝し……欣しくて……何か夢のようで
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
御旗
(
みはた
)
楯無
(
たてなし
)
も照覧あれ、あすこそは、織田、徳川の二軍をむかえ、一戦に
雌雄
(
しゆう
)
を決してみせる」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
菊水
(
きくすい
)
の
御旗
(
みはた
)
の下で、働かせていただきたい、大義の兵となって、あなたの馬前で死にたいと——ほとんどすべての捕虜が、誓って、小楠公の手についてしまったということだ。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いえ、楠木はさような者ともみえませぬ。思うに、何か仔細があって、
御旗
(
みはた
)
の下に、参じかねているのでしょう。——
御使
(
みつか
)
いをつかわし給わば、かならず
罷
(
まか
)
るものと存じられます」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お身たちの、案じてくれるは
欣
(
うれ
)
しいが、勝頼とて、今日の大事はぞんじておる。——しかも早、今朝、
御旗
(
みはた
)
楯無
(
たてなし
)
を拝し、誓って
起
(
た
)
ったものを、いまさら思いとどまることはならぬ」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いやです。私は帰りません。正儀様の
御旗
(
みはた
)
の下に踏みとどまります」
日本名婦伝:大楠公夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これより
出立
(
いでた
)
ちまする。父君の御遺訓、母うえが日常の御
庭訓
(
ていきん
)
、
御旗
(
みはた
)
に生かして
翻
(
ひるがえ
)
す日は今です。ふたたび、お膝の許に、正行が身、生きては還りますまい。長いお
愛
(
いつく
)
しみ、死してもわすれませぬ。
日本名婦伝:大楠公夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
旗
常用漢字
小4
部首:⽅
14画
“御旗”で始まる語句
御旗本
御旗上
御旗下
御旗本位
御旗楯無