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希臘
(
ギリシア
)” の例文
希臘
(
ギリシア
)
の英雄アキレスは
踵
(
かかと
)
だけ不死身ではなかったそうである。——即ちアキレスを知る為にはアキレスの踵を知らなければならぬ。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
○
欧羅巴
(
ヨーロッパ
)
の通商を
妨
(
さまた
)
げ、かつその
平穏
(
へいおん
)
を
擾
(
みだ
)
せし
希臘
(
ギリシア
)
国の戦争を
平
(
たいら
)
げんがため、耶蘇教の諸大国、
魯西亜
(
ロシア
)
国とともにこれを和解、
鎮定
(
ちんてい
)
せり。
「ヒリモア」万国公法の内宗教を論ずる章(撮要)
(新字新仮名)
/
ロバート・フィリモア
(著)
(十六世紀の伊太利詩人タツソオと前七世紀の
希臘
(
ギリシア
)
女詩人サツフオオとの傳は今煩を
憚
(
はゞか
)
りて悉く註せず。)看客は皆泣けり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それでいて鋭い鋼鉄の眼、
羅馬
(
ローマ
)
型ではない
希臘
(
ギリシア
)
型の、
顫
(
ふる
)
えつきたいような立派な鼻、その口は——平凡な形容だが——全く文字通り薔薇のようだ。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
……博識にしてお心得のある方々は、この趣を、
希臘
(
ギリシア
)
、
羅馬
(
ロオマ
)
の神話、印度の
譬諭経
(
ひゆきょう
)
にでもお求めありたい。ここでは手近な絵本西遊記で
埒
(
らち
)
をあける。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
七百頁に近い大部なもので、全部四十一章に別れてゐて古代
希臘
(
ギリシア
)
羅馬
(
ローマ
)
の神話東方北方の伝説が残らず集まってゐる。
新刊紹介:〔伝説の時代〕
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
それはヘロドトスの古
希臘
(
ギリシア
)
伝説中の朴野な噴水からアグリッパの
拵
(
こしら
)
えた
羅馬
(
ローマ
)
市中百五つの豪壮な噴水、中世の僧院の
捏怪
(
ねっかい
)
な噴水、清寂な文芸復興期の噴水
噴水物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
寒月君が
希臘
(
ギリシア
)
語で本文を朗読しても宜しう御座いますがといって、そんな物欲しそうなことは言わん方が奥床しくて好いと、苦沙弥先生にやられる所には
寒月の「首縊りの力学」その他
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
猶太
(
ユダヤ
)
宗の人もまたこの日をもって礼拝日となせり。
古
(
いにし
)
え
希臘
(
ギリシア
)
の一帝あり、この日をもって神を祭るべきを公布せしより、ついに世間普通の祭日となるに至れり。
日曜日之説
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
女学校の二年生の冬、彼女は兄が贈つて呉れた
希臘
(
ギリシア
)
神話を読んだが、そのなかでアフロデイテが海の泡から生れたといふ話が大そう彼女の気に入つてしまつた。
水と砂
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
この対話に
本
(
もと
)
づきて、あるいは詩の一新体の発展し来らむも知るべからずとなり。先触已むことを得ず、このことわりを認容して、さて
希臘
(
ギリシア
)
神話を呼び出せり。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
校長ピロッチイが名は、をちこちに鳴りひびきて、
独逸
(
ドイツ
)
の国々はいふもさらなり、新
希臘
(
ギリシア
)
、
伊太利
(
イタリア
)
、
璉馬
(
デンマーク
)
などよりも、ここに
来
(
きた
)
りつどへる
彫工
(
ちょうこう
)
、画工数を知らず。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
けれども
其
(
その
)
昔に買つた本を、今日
迄
(
まで
)
まだ一度も眼を通した記憶がないのも
慥
(
たし
)
かな事實ですから、私は
希臘
(
ギリシア
)
の神話にかけては、あなたよりも
遙
(
はる
)
かに無知識なのです。
『伝説の時代』序
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
への字形に排列した此三山は、体から言えば、
希臘
(
ギリシア
)
神話に現れている地獄の怪犬ケルベロスのように一身三頭である。布置から言えば、天蝎宮の心宿に似ている。
秩父の奥山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
仮令
(
たとえ
)
諸君がかの古の
希臘
(
ギリシア
)
の
提燈
(
ランタン
)
を携へて探しまはつても、世間の評判によつて自己の社会上の位置や仕事の上に何等の利害得失を蒙らない人を見付出すことは不可能であらう。
少数と多数
(新字旧仮名)
/
エマ・ゴールドマン
(著)
王国の賛沢な
偕調
(
メロデー
)
が部屋を満たして、アングロサクソンの
英諾威
(
えいノルウエー
)
人、ケント族の仏伊人、スラブの
露墺
(
ろおう
)
人、アイオニアンの血族
希臘
(
ギリシア
)
人、オットマン帝国の
土耳古
(
トルコ
)
人等に交って
バルザックの寝巻姿
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
迷信深い
魯西亜
(
オロシャ
)
の水兵どもは、
綾
(
あや
)
に飛びちがう火光を外目にして、
祈祷
(
きとう
)
歌を、平然と唱え続けているのだ——それは沈厳な、
希臘
(
ギリシア
)
正教特有の、紛う方ない水葬儀だったのである。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
その中六ヶ月はマウント・アソスの
希臘
(
ギリシア
)
僧院で暮らし、
専
(
もっぱ
)
ら
静思
(
せいし
)
休養
(
きゅうよう
)
につとめた。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
かくて一九一七年に至り、
伊太利
(
イタリー
)
の数学者で
希臘
(
ギリシア
)
数学史の一方の雄であるローリア博士が、日本の数学史を論じたことがあるが、その中には私の書いたものが引用中の大半を占めて居る。
数学史の研究に就きて
(新字新仮名)
/
三上義夫
(著)
こんなことをいうと
希臘
(
ギリシア
)
語なども私は知ってるようだが実はこれだけしけゃ知らない。でこのゾーポリチコンという希語を訳してみると「人は社会的動物なり」ということになるそうだ。
イエスキリストの友誼
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
いや詩経にも
希臘
(
ギリシア
)
悲劇にも、恋の別れの悲しさを、歌わない芸術というものは無かった筈ですが、私自身がそれを経験すると、人類の歴史始まって以来の、最初の大悲劇のような気がして
法悦クラブ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
モオリーは雑木林の向うのアメリカ組の
木骨小屋
(
フレームハウス
)
へ、おれは
希臘
(
ギリシア
)
人やアルメニヤ人の移民組の天幕と互いに別れ別れになって、こんな狭い土地にいながらめったに逢うようなこともなくなった。
南部の鼻曲り
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
さて羅馬をあとにして発つたオーブレイは、
希臘
(
ギリシア
)
へ足を向けた。ペニンスラ(イベリヤ半島)を渡ると、やがて程なく身はアゼンスの町にあつた。アゼンスで彼は或る希臘人の家を仮寓と定めた。
吸血鬼
(新字旧仮名)
/
ジョン・ウィリアム・ポリドリ
(著)
さういふ中でも特に念頭を去らないのが、あの下婢の異国風な、
古
(
いにしえ
)
の
希臘
(
ギリシア
)
の女を思はせる顔なのである。整ひすぎてゐるために、却つて余程迫力が薄れるやうな思ひがする。この下婢はお妙と言つた。
木々の精、谷の精
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
何事によらず、今の世は遠く古の
希臘
(
ギリシア
)
羅馬
(
ロオマ
)
の世に及ばずと知り給へ。
澆季
(
げうき
)
の世は古に復さんよしもなしと、かこち顏なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
古代文明の第一位を占める、
希臘
(
ギリシア
)
においてさえこの信仰は、万人の胸に行き渡っていた。アポロは男性のそれであり、ヴィナスは女性のそれなのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「今日の科学を盛るべき容器は既に
希臘
(
ギリシア
)
の昔に完成してそれ以後には何等の新しきものを加えなかった」
救われた稀本:——寺田寅彦著『物理学序説』
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
復一の何ものにも
捉
(
とら
)
われない心は、夢うつつに考え始めた——
希臘
(
ギリシア
)
の神話に出て来る半神半人の
生
(
いき
)
ものなぞというものは、あれは思想だけではない、本当に在るものだ。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
私は
希臘
(
ギリシア
)
の神話に
就
(
つ
)
いて、あそこを少し、こゝを少し、と云つた風にうろ覺えに覺えてはゐますが、系統的には研究もせず、批判もせず、漫然と今日
迄
(
まで
)
經過して來た事を
『伝説の時代』序
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
次に逍遙子は千八百八十四年に無名氏が作りしシエクスピイヤ論に見えたるプラトオが理想を擧げて、この
希臘
(
ギリシア
)
古儒の理想を逍遙子自家の所謂理想と山房論文の理想とに比べたり。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
希臘
(
ギリシア
)
商人が自転車で忙がしく商取引所方面に疾走し出すころ、マダム・レムブルグが
瀝青
(
れきせい
)
の浮いた
黒襦子
(
くろじゅす
)
の着物をつけて朝のミルクのなかで接吻をすると、海峡を船脚
迅
(
はや
)
く航行する汽艇
地図に出てくる男女
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
また英文学もその富を挙ぐとも、決して
希臘
(
ギリシア
)
文学に優れりということ能わず。
我が教育の欠陥
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
而
(
しか
)
も
希臘
(
ギリシア
)
彫刻の傑作に見るが如き貴き素朴と沈静なる偉大とを兼ね備えた山の前には、私の神経細胞の中に生じつつあった少量の醗酵素は、自己を危くするまでに毒素を分泌するに至らずして
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
畢竟鴎外先生は軍服に剣を下げた
希臘
(
ギリシア
)
人である。
侏儒の言葉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ロオザが兄なる
醫師
(
くすし
)
は、我を養ひて子となし、
希臘
(
ギリシア
)
にてみまかりし子の名を取りて、我をマリアと呼びぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
これは
希臘
(
ギリシア
)
の
擬古狂詩
(
ぎこきょうし
)
の断片をざっと飜訳したものだそうだ。それと同じような意味を父の
敬蔵
(
けいぞう
)
は
老荘
(
ろうそう
)
の思想から採って、「渾沌未分の
境涯
(
きょうがい
)
」だといつも小初に説明していた。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
今の人の手にする文學書にはヸーナスとかバツカスとかいふ
呑氣
(
のんき
)
な名前は
餘
(
あま
)
り出て來ないやうです。
希臘
(
ギリシア
)
のミソロジーを知らなくても、イブセンを讀むには
殆
(
ほと
)
んど
差支
(
さしつかへ
)
ないでせう。
『伝説の時代』序
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし人間の思考の「型」少くとも現代人の科学的な思考の「型」は、すでに
希臘
(
ギリシア
)
の哲学者によって作り出され、それより一歩も出ていないような気がすると、よく先生は言っておられた。
救われた稀本:——寺田寅彦著『物理学序説』
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
西洋で言って見ると
希臘
(
ギリシア
)
の倫理が
Platon
(
プラトン
)
あたりから超越的になって、
基督
(
クリスト
)
教がその方面を極力開拓した。彼岸に立脚して、馬鹿に
神々
(
こうごう
)
しくなってしまって、
此岸
(
しがん
)
がお留守になった。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
彼等はマダム・レムブルグの家でアングロ・サクソンの
英諾威
(
えいノルウェー
)
人、ケント族の仏伊人、スラブの
露墺
(
ろおう
)
人、アイオニアンの血族
希臘
(
ギリシア
)
人の商人、オットマン帝国の
土耳古
(
トルコ
)
人等と夜食を共にするのであった。
地図に出てくる男女
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
嘗
(
かつ
)
て学校で見た石膏模造の
希臘
(
ギリシア
)
彫刻の円盤投げの青年像が、その円盤をさし挟んだ右腕を人間の肉体機構の最極限の度にまでさし伸ばした、その若く引緊った美しい腕をちらりと思い
泛
(
うか
)
べた。
家霊
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
羅馬
(
ローマ
)
人は
薔薇
(
ばら
)
を
affect
(
アツフエクト
)
すると
書
(
か
)
いてある。何の意味だか能く知らないが、
大方
(
おほかた
)
好
(
この
)
むとでも訳するんだらうと思つた。
希臘
(
ギリシア
)
人は
Amaranth
(
アマランス
)
を用ひると書いてある。是も明瞭でない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“希臘”の意味
《固有名詞》
ギリシアの漢字表記。
ギリシャの漢字表記。
(出典:Wiktionary)
希
常用漢字
小4
部首:⼱
7画
臘
漢検1級
部首:⾁
19画
“希臘”で始まる語句
希臘人
希臘語
希臘風
希臘型
希臘飯
希臘思想
希臘悲劇
希臘拉甸
希臘神話
希臘廻覧記