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峻烈
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しゅんれつ
ふりがな文庫
“
峻烈
(
しゅんれつ
)” の例文
そこで、県警察部でも兼五郎を召喚して、これ
亦
(
また
)
峻烈
(
しゅんれつ
)
な取調をしたが、兼五郎の
所為
(
せい
)
でないから、どうすることもできなかった。
唖の妖女
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
実際彼は、今彼をしてかくも
峻烈
(
しゅんれつ
)
に民衆を非難せしめている率直な純真さを、他のいかなる民衆のうちに見出し得たであろうか?
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
願
(
ねがわ
)
くは何か
峻烈
(
しゅんれつ
)
なる刺激を与え、
鞭撻
(
べんたつ
)
激励して彼等を努力せしめたならば、日本の生産力もまた必ず多大の増加を見る事は疑いを
容
(
い
)
れまい。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
乱世だ、乱調子の世だ、これを
撓
(
た
)
め
統
(
す
)
べるには、多少自分たちに
辛
(
つら
)
くてもよい、厳格
峻烈
(
しゅんれつ
)
に臨まれてもいい。——その代りに
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次の言葉の
峻烈
(
しゅんれつ
)
さに、お国はハッと息を呑みました。美しい顔が真っ蒼になって、
額口
(
ひたいぐち
)
から、冷たい汗がにじみます。
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
その
峻烈
(
しゅんれつ
)
な性格の奥にとじこめられて小さくよどんだ愛情に触れると、ありきたりの人間からは得られないようななつかしみを感ずる事があった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
さらに
峻烈
(
しゅんれつ
)
に身を持してきたかな女のこしかたこそ、人の眼にも触れず耳にも伝わらぬだけ、霜雪をしのいで咲く深山の梅のかぐわしさが思われる。
日本婦道記:梅咲きぬ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
真理の純粋性を重んじ給うイエスが、パリサイ人の偽善を詰責することはなはだ
峻烈
(
しゅんれつ
)
であったのは、当然のことです。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
それも
峻烈
(
しゅんれつ
)
であればあるほど、いいのかもしれませんよ。わたしは思想の種を投ずることができます……その種から事実が生じるというわけですよ。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
あらゆる
峻烈
(
しゅんれつ
)
な性分を働かせている末造が、お玉に対しては、柔和な手段の限を尽して、毎晩のように無縁坂へ通って来て、お玉の機嫌を取っていた。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
居士の晩年に於ける言行は何物に対しても痛罵骨を刺すものであったが殊に余らに対しては最も
峻烈
(
しゅんれつ
)
を極めていた。
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
遇
(
ぐう
)
すること
峻烈
(
しゅんれつ
)
であったのはそういう冷やかし半分の
狼
(
おおかみ
)
連を
撃退
(
げきたい
)
する手段でもあったと云うが皮肉にもそれがかえって人気を呼んだらしくもある
邪推
(
じゃすい
)
を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
人類に対する彼女の
憎悪
(
ぞうお
)
は、まず自分の男の児から始まっていた。男の児に対する悪意はすこぶる
峻烈
(
しゅんれつ
)
で、彼女の心はそこに恐ろしい
断崖
(
だんがい
)
を作っていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
何という快さだろう! 四大の
峻烈
(
しゅんれつ
)
な意志に逆らって、雲と水と丘との間に
屹然
(
きつぜん
)
と独り目覚めてあることは! 私は次第にヒロイックな気持になって行った。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
ルクレチウスは、かようにして、彼のいわゆる元子の何物であるかを説明した後に、エピキュリアンに対立した他の学説に対して
峻烈
(
しゅんれつ
)
な攻撃を加えているのである。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ことにスペインにおける宗教裁判はその
糺問
(
きゅうもん
)
が
峻烈
(
しゅんれつ
)
で処刑が残酷なので有名であった。
落穴と振子
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
◯二十七節の「汝らは
孤子
(
みなしご
)
のために
籤
(
くじ
)
をひき、汝らの友をも
商貨
(
あきないもの
)
にするならん」は人身売買の罪をも犯すに至らんとの意である。ヨブがかく友を責めし余りに
峻烈
(
しゅんれつ
)
なりと評さるるであろう。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
まもなく、Q島南端の空港に着陸したとき、防疫検査は
峻烈
(
しゅんれつ
)
をきはめた。
わが心の女
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
与八は暴女王の女王ぶりのいかに
峻烈
(
しゅんれつ
)
であるかに就いては全く知らない!
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
三人のお医者が
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る、僕たちのからだの
隅々
(
すみずみ
)
まで調べた。
峻烈
(
しゅんれつ
)
を極めた診察で、少々まいった。レントゲンにかけられ、血液も尿もとられた。坊やは、トラホームを見つけられ泣きべそを
掻
(
か
)
いた。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
右翼には甘く左翼には実に
峻烈
(
しゅんれつ
)
だなと俺は口の中で言って
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
東儀与力の吟味の
峻烈
(
しゅんれつ
)
さは有名なものである。いきなり、雷声を発して、光を放射する窓のような眼をもって、男を睨んだ。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
空気と
峻烈
(
しゅんれつ
)
な純潔との大風が、氷のごとき
朔風
(
さくふう
)
が、毒気を吹き払った。嫌悪の情は一撃のもとに、アーダにたいする恋愛を滅ぼしてしまった。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
平次の怒りは、いつになく
峻烈
(
しゅんれつ
)
を極めました。さすがのガラッ八も、あまりの風向きに、しばらくは口も利けません。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その中でひっそりと、しかも熱心に読書している姿には、むしろ常人にない
峻烈
(
しゅんれつ
)
なものが感じられた。
若き日の摂津守
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
後日春琴が琴曲指南の看板を
掲
(
かか
)
げ弟子を取るようになってから
稽古振
(
けいこぶ
)
りの
峻烈
(
しゅんれつ
)
をもって鳴らしたのもやはり先師の方法を
蹈襲
(
とうしゅう
)
したのであり由来する所がある訳なのだが
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ただ日本はその国土と隣接大陸との間にちょっとした海を隔てているおかげでシベリアの奥にある大気活動中心の
峻烈
(
しゅんれつ
)
な支配をいくらか緩和された形で受けているのである。
日本人の自然観
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
彼のまなざしはことに
峻烈
(
しゅんれつ
)
で、その中には一種の荒々しい決意が現われていた。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
すなわちゾパルはヨブを以て大罪を犯せるものと
見做
(
みな
)
し、受けし災禍の如きは罰として
頗
(
すこぶ
)
る寛大なものであると主張したのである。友を責める言として
峻烈
(
しゅんれつ
)
を超えてむしろ残酷と言うべきである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
いや、それを頭上に受けない者までが、例によって、
峻烈
(
しゅんれつ
)
極まる信長のそれが始まったかと、
他人事
(
ひとごと
)
ならず身をちぢめて
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次の怒りは、いつになく
峻烈
(
しゅんれつ
)
を極めました。さすがのガラッ八も、あまりの風向きに、しばらくは口も利けません。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼女のこの愛情のうちには、おのが土地に
執着
(
しゅうじゃく
)
してる百姓女のような
峻烈
(
しゅんれつ
)
さがあった。自分と同じようによくゴットフリートを愛する者がいると考えることは、彼女にとっては不快であった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
慈愛をかくして
峻烈
(
しゅんれつ
)
に
不肖
(
ふしょう
)
の子を叱りながらもどこやらに
惻々
(
そくそく
)
と悩んでいる厳父のこころが
傷
(
いた
)
ましい強さで、(かまいつけるな)といってある。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次は
峻烈
(
しゅんれつ
)
でした。藤助の襟髪を
掴
(
つか
)
んで、古い足跡に並べて付けさした足跡は、大きさも形も、何もかも符節を合せるように同じものだったのです。
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私はもう
峻烈
(
しゅんれつ
)
な態度をとり得ません。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
家光は、苦杯を
嘗
(
な
)
めたように
唇
(
くち
)
を
歪
(
ゆが
)
め、不快な色に
漲
(
みなぎ
)
った底から、今にも何か、
峻烈
(
しゅんれつ
)
な言葉が吐き出されそうに見えた。
柳生月影抄
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次の
叱咤
(
しった
)
は
峻烈
(
しゅんれつ
)
を極めました。十手捕縄を預かって、銭形のとか何とか
謳
(
うた
)
われる平次には、相手の腕っ節を恐れないだけの自尊心はあったのです。
銭形平次捕物控:106 懐ろ鏡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それはまた訪客たちの耳にもふと
和
(
なご
)
やかな
気
(
き
)
やすさを与え、
峻烈
(
しゅんれつ
)
をもって鳴る
主
(
あるじ
)
の一面に、べつな親しみを抱かせた。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
過ち火を出しても
手鎖
(
てぐさり
)
五十日、地主、家主、月番行事、五人組から、
風上
(
かざかみ
)
二丁、
風脇
(
かざわき
)
二丁の月行事まで、三十日
乃至
(
ないし
)
二十日の押込めという
峻烈
(
しゅんれつ
)
ぶりでした。
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
正行は、しきりに
肱
(
ひじ
)
を顔にあてていた。いつかふるえ泣いていたのである。親房の
峻烈
(
しゅんれつ
)
なことばの
鞭
(
むち
)
もそれに気づくと一たんは口をつぐんでしまった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次の声は
峻烈
(
しゅんれつ
)
でした。お駒の顔は、紙のように蒼白くなります。
銭形平次捕物控:054 麝香の匂い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
或る一臣下の怠慢に対して、日ごろの憤りを発し、
峻烈
(
しゅんれつ
)
な辞句をつらねて、その罪状を責めつけたものであった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次の論告は、いつにも似げなく
峻烈
(
しゅんれつ
)
を極めます。
銭形平次捕物控:144 茶碗割り
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
また彼はその洛陽時代には、宮門の警吏をしていたので、罪人に対する手ごころは巧みでことのほか
峻烈
(
しゅんれつ
)
だった。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次の態度は
峻烈
(
しゅんれつ
)
で少しの
容赦
(
ようしゃ
)
もありません。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
言には
峻烈
(
しゅんれつ
)
なするどさがあった。が、それでさえ間に合わないほど、とたんに、
轟然
(
ごうぜん
)
と一発ののろしが天地をゆすッた。もちろん彼方の城中からである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次の論告は
峻烈
(
しゅんれつ
)
で一歩も
仮借
(
かしゃく
)
しません。
銭形平次捕物控:130 仏敵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それが、一柳市助からも、返辞を聞き、つづいて秀吉からの書面で、
峻烈
(
しゅんれつ
)
な
厳戒
(
げんかい
)
をうけたので、かれとしては生れて初めての
戦慄
(
せんりつ
)
をおぼえたことであろう。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次の声は思わず
峻烈
(
しゅんれつ
)
になりました。
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と辻々に高札を立て、およそ諸国へ通じる宿駅は元より、山伝いの小道から、浜辺の一帯に
亙
(
わた
)
るまで眼を光らせて、
詮議
(
せんぎ
)
はいよいよ
峻烈
(
しゅんれつ
)
を極めているとある。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“峻烈”の意味
《名詞》
激しく、また厳しいこと。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
峻
漢検準1級
部首:⼭
10画
烈
常用漢字
中学
部首:⽕
10画
“峻”で始まる語句
峻厳
峻
峻拒
峻嶮
峻酷
峻峰
峻岳
峻峭
峻坂
峻嶺