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尚
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たっと
ふりがな文庫
“
尚
(
たっと
)” の例文
あるんだぞ、忘れるな、自分を
尚
(
たっと
)
べ大事にしろ。そして、さあ、笑え、腹の中から声を出して笑え。(二五八八、一一、六、夜十一時)
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
兵道で
尚
(
たっと
)
ぶところの、以心伝心などということに、誰も興味を持たなくなった。神人相通の術などと云っても、判らなくなった。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
また人の師となり得る人物はただ古いことを
尚
(
たっと
)
ぶのみでも新しいことに走るのみでも不可である、両者を兼ねなくてはならぬ。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
巍は
遼州
(
りょうしゅう
)
の人、気節を
尚
(
たっと
)
び、文章を
能
(
よ
)
くす、材器偉ならずと
雖
(
いえど
)
も、性質実に
惟
(
これ
)
美
(
び
)
、母の
蕭氏
(
しょうし
)
に
事
(
つか
)
えて孝を以て称せられ、洪武十七年
旌表
(
せいひょう
)
せらる。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
能楽という演技そのものが、その発祥を格式を
尚
(
たっと
)
ぶ社寺のうちに持ち、謡曲のうしろには五山の
碩学
(
せきがく
)
が厳として控えて居り、啓書記、
兆殿司
(
ちょうでんす
)
、斗南
美の日本的源泉
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
▼ もっと見る
一 小説は独創を
尚
(
たっと
)
ぶものなれば他人の作を読みてそれより思ひつきたる事はまづ避くるがよし。おのれの経験より実地に感じたる事を小説にすべし。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
要するに戦争上りのことでもあるから、人気は一般に荒っぽく、
不羈卓犖
(
ふきたくらく
)
というようなことを
尚
(
たっと
)
ぶので、それだけ勉強するものは因循党と見做された。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
支那は同姓不婚で名高い国だが、『左伝』『史記』などに貴族の兄弟姉妹と通じ事を起した例が少なからぬ。これも上世同姓婚を
尚
(
たっと
)
んだ遺風であろう。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
パスカルも、「人は葦の如き弱き者である、しかし人は考える葦である、全世界が彼を滅さんとするも彼は彼が死することを、自知するが故に殺す者より
尚
(
たっと
)
し」
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
平生は
芋野老
(
ところ
)
などを掘りまして、乏しく
生活
(
くら
)
しておりますにも似ず、
目前
(
めさき
)
の利害などには迷わされず、義を先にし節を
尚
(
たっと
)
び、浮薄のところとてはございません。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
儒に
神霊
(
しんれい
)
というは、すなわち仏教の
識性
(
しきしょう
)
なり。霊識滅せず、いわゆる常に存す。儒教は形生を
尚
(
たっと
)
び、死をこととして、葬および祭等の礼、みな形を重んずることとなす。
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
人間に
尚
(
たっと
)
ぶべきは、聖書に「もし汝らひるがえりて
幼児
(
おさなご
)
のごとくならずば、天国に入るを得じ」
『グリム童話集』序
(新字新仮名)
/
金田鬼一
(著)
祭祀を
尚
(
たっと
)
び、民の訟を聴き、運河を通ずるなどの事をなし、民心和し国力充実したる後ち、第三十年目に至って四隣征服の
役
(
えき
)
を起し、数年にしてバビロン全部を統一した。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
家庭料理は活用を
尚
(
たっと
)
ぶ。上等にも適し下等にも適し、伸縮自在なるがお登和嬢の長所なり。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
一死よりも名誉を重んじ、一命よりも門地を
尚
(
たっと
)
ぶ習慣の空気に生い立ちながら、みすみすこういうことをしでかした能登守には、魔が附いたと見るよりほかはないのであります。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
内容
(
なかみ
)
よりも
外形
(
うわべ
)
を
尚
(
たっと
)
ぶ
現世
(
げんせ
)
の
人
(
ひと
)
の
眼
(
まなこ
)
は、それで
結構
(
けっこう
)
くらませることができても、こちらの
世界
(
せかい
)
ではそのごまかしはきかぬ。すべては
皆
(
みな
)
神
(
かみ
)
の
眼
(
め
)
に
映
(
うつ
)
り、
又
(
また
)
或
(
あ
)
る
程度
(
ていど
)
お
互
(
たがい
)
の
眼
(
め
)
にも
映
(
うつ
)
る……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
私は皆様に平和を
尚
(
たっと
)
ぶ心を植え付け、忍従と美を愛する心掛をお教え致しました。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼は言う、自分は単純な人間で何事にも自然を
尚
(
たっと
)
ぶと。
望ましい音楽
(新字新仮名)
/
信時潔
(著)
親
(
しん
)
を
洽
(
あまね
)
くし衆を和するも、
恒
(
つね
)
に
斯
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
てし、
禍
(
わざわい
)
を造り
敗
(
はい
)
をおこすも、
恒
(
つね
)
に
斯
(
ここ
)
に於てす、其
悪
(
あく
)
に懲り、以て善に
趨
(
はし
)
り、其儀を
慎
(
つつし
)
むを
尚
(
たっと
)
ぶ、といえり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
物美なれば其虫いよいよ醜く事利あれば此に伴うの害いよいよ大なり。
聖代
(
せいだい
)
武を
尚
(
たっと
)
べば官に苛酷の
吏
(
り
)
を出し文を尚べば家に放蕩の児を生ず倶に免れがたし。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
恋愛の実境はそんな言では
悉
(
つく
)
し得ない、すべて少年は
縹緻
(
きりょう
)
を重んじ中年は意気を
尚
(
たっと
)
ぶ、その半老以後に及んではその事疎にして情
転
(
うた
)
た
熾
(
さか
)
んに、日暮れ道遠しの事多し
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
そうしてこの時代に西方伝来の新音楽が
尚
(
たっと
)
ばれたことは、明らかに記録に残っているのである。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
あまりに科学や常識を
尚
(
たっと
)
ぶために、人間の頭が悪く理窟で固まってしまって「神秘」とか「不思議」とか「超自然」とかいう理窟に当て
箝
(
は
)
まらない事を
片端
(
かたはし
)
から軽蔑して罵倒してしまうのを
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
美を
尚
(
たっと
)
ぶ国柄でげして、絵の方にはなかなか名人が出ました、御承知の通り……ところで、とりあえず狩野家の各派の家元を残らずメムバーに差加えます、それから、四条、丸山、南画、北画
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
本陣から駕籠に乗らなかったのは、秘密を
尚
(
たっと
)
んだからであろう。
首頂戴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
国外の
情
(
じょう
)
是
(
かく
)
の如し。
而
(
しこう
)
して域内の事、また英主の世を御せんことを
幸
(
さいわい
)
とせずんばあらず。仁明孝友は
固
(
もと
)
より
尚
(
たっと
)
ぶべしと雖も、時勢の要するところ、実は雄材大略なり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
これ猥䙝の嫌ひあるものなり。猥䙝の嫌ひあるもの果して全く猥䙝なるや否や。凡そ徳を
尚
(
たっと
)
ぶものは悪の大小を問はざる也。凡て不善に近きものを遠ざく。何ぞ猥䙝の真偽を
究
(
きわ
)
むるの要あらんや。
猥褻独問答
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「なにも、芸娼院と申したところが、芸妓と娼妓ばっかりを集めるという趣意ではがあせん、とりあえず美術でげす、日本は古来、美を
尚
(
たっと
)
ぶ国柄でげして、絵の方になかなか名人が出ました……」
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“尚(尚(姓))”の解説
尚(しょう)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
尚
常用漢字
中学
部首:⼩
8画
“尚”を含む語句
和尚
高尚
尚更
好尚
尚々
大和尚
今尚
和尚様
兵部尚書
尚武
尚書
光尚
布袋和尚
沢庵和尚
尚古
洪川和尚
尚且
尚々書
尚少
尚質
...