小田をだ)” の例文
くもくもきたり、やがてみづごとれぬ。白雲しらくも行衞ゆくへまがふ、蘆間あしまふねあり。あは蕎麥そば色紙畠しきしばたけ小田をだ棚田たなだ案山子かゝしとほ夕越ゆふごえて、よひくらきにふなばたしろし。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
また丸邇わに日爪ひのつまの臣が女、ぬか若子わくごの郎女に娶ひて、生みませる御子、春日の小田をだの郎女。この天皇の御子たち、并せて、七柱。この中、小長谷の若雀の命は天の下治らしめしき。
かへるかり、かへりてはるもさびしきに、わらはのひろふ小田をだのこぼれ
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
まばらにふる箒木はゝきぎや、新墾にひばり小田をだの末かけて
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
かしかるべし御覽ごらんぜずやとわりなくすゝめてしばめづらしくともなでぬひとこゝろのうやむやはらずやしげ木立こだちすゞしくそでかぜむねにしゝうえはたす小田をだ早苗さなへ青々あほ/\として處々ところ/″\かわずこゑさま/″\なるれもうたかや可笑をかしとてホヽしうれもうれしく彼方かしこかやぶきこゝ垣根かきねにはうちしきやうなりはな
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
る、かぜなくしてそのもみぢかげゆるのは、棚田たなだ山田やまだ小田をだ彼方此方あちこちきぬたぬののなごりををしんで徜徉さまよさまに、たゝまれもせず、なびきもてないで、ちからなげに
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まばらにふる箒木ははきぎや、新墾にひばり小田をだの末かけて
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
婆羅門ばらもんの作れる小田をだからす
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)