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まろうど
ふりがな文庫
“
客人
(
まろうど
)” の例文
さ
候
(
さふら
)
へど、この日は浪やや高く、
殊
(
こと
)
に
昨日
(
きのふ
)
より
今日
(
けふ
)
まで
一日一夜
(
いちにちひとよ
)
の静止の
後
(
のち
)
に
候
(
さふら
)
へば、
客人
(
まろうど
)
達は船酔ひがちに食事も進まぬ
様
(
やう
)
に
候
(
さふら
)
ひき。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「あ。……今日はまた、お
客人
(
まろうど
)
を招いて、御宴楽の折とみえる。……な、ほれ。あの舞楽の曲が、洩れ聞えてくるだろうが」
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今宵
(
こよひ
)
、
家例
(
かれい
)
に
因
(
よ
)
り、
宴會
(
えんくわい
)
を
催
(
もよふ
)
しまして、
日頃
(
ひごろ
)
別懇
(
べっこん
)
の
方々
(
かた/″\
)
を
多勢
(
おほぜい
)
客人
(
まろうど
)
に
招
(
まね
)
きましたが、
貴下
(
こなた
)
が
其
(
その
)
組
(
くみ
)
に
加
(
くは
)
はらせらるゝは一
段
(
だん
)
と
吾家
(
わがや
)
の
面目
(
めんもく
)
にござる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
占
(
しめ
)
しは江戸四宿の内只此品川のみ然れば
遊客
(
いうきやく
)
も
隨
(
したが
)
つて多く彼の吉原にもをさ/\
劣
(
おと
)
らず
殊更
(
ことさら
)
此地は海に
臨
(
のぞ
)
みて
曉
(
あかつ
)
きの
他所
(
ほか
)
よりも早けれど
客人
(
まろうど
)
は
後朝
(
きぬ/″\
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ほどもなく入り来る洋服
扮装
(
いでたち
)
の七分は髯黒の
客人
(
まろうど
)
、座敷に入りてしばらくは打ち潜めきたる密議に移りしが、やがて開きて
二側
(
ふたかわ
)
に居流れたるを合図として
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
▼ もっと見る
そう思って差控えていた際であったのに、
図
(
はか
)
らずもその人が自ら望んで
客人
(
まろうど
)
になろうと云い出したのであった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
まず
客人
(
まろうど
)
は、英皇太后メアリー陛下の御弟エースローン公、ドイツはモスクワ
駐劄
(
ちゅうさつ
)
大使シュレンバーグ伯、またエジプトの女王ナズリ陛下、イタリアは皇甥スポレート侯爵。
人外魔境:10 地軸二万哩
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「しばしがほどなり。余りに
濡
(
ぬ
)
れて
客人
(
まろうど
)
も風や引き玉はむ。また
旧
(
ふる
)
びたれどもこの車、いたく濡らさば、
主人
(
あるじ
)
の
嗔
(
いかり
)
に
逢
(
あ
)
はむ。」といひて、手早く母衣
打掩
(
うちおお
)
ひ、また
一鞭
(
ひとむち
)
あてて急ぎぬ。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「急ぐ事あるをりに
長言
(
ながごと
)
する
客人
(
まろうど
)
」、「ことなる事なき男の、ひき入れ声して艶だちたる」というごときをあげるとともに、その場に「墨の中に石こもりて、きしきしときしみたる」
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
むらさきの
蓮
(
はす
)
に似ませる
客人
(
まろうど
)
や
荷葉
(
かえふ
)
の水に船やりまつる
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
大阪生れの者にや梅やんとか云ふ
優名
(
やさな
)
を呼ばれ
居
(
を
)
る人がと
可笑
(
をか
)
しく
候
(
さふら
)
ひき。ボオイの仲間ばかりならず白人の
客人
(
まろうど
)
も多く負かせしとかに
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
客人
(
まろうど
)
にもの申す。末座にまかりある者ゆえ、わざと御挨拶をひかえていましたが、お目にとまったようにござれば、かくは
推参
(
すいさん
)
申してござる。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どつと
陽氣
(
やうき
)
に騷ぎ
手輕
(
てがる
)
く
遊
(
あそん
)
で立出つゝ別れ/\に歸りけり偖も小夜衣は
今日
(
けふ
)
※
(
はか
)
らずも千太郎の相方に出しより何となく其人の
慕
(
した
)
はるゝまゝ如何にもして彼の
客人
(
まろうど
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
客人
(
まろうど
)
の席のうしろを
囲
(
かこ
)
っていた
屏風
(
びょうぶ
)
が邪魔になって見えにくかったのであるが、故意にか偶然にか、追い/\騒ぎがはげしくなり、人々が
起
(
た
)
ったり居たりするにつれて
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
『いえ。おかくしなさいますな。兄者人の影を、中御門家の近くで見たお人もあるのですから。……その
客人
(
まろうど
)
が、父上にも、話しておりました』
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さるはこの船の
客人
(
まろうど
)
の中に花嫁となり給ふために海渡る人
六人
(
むたり
)
ありと云ふことを三重の君語り給ひしを知ればにも
候
(
さふら
)
ふべし。食事は邦人のコツクの手になる日本料理をこの日より船室に配らせ
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
枕に付せけるが翌日長庵は早々支度を
爲
(
な
)
し麹町を立出吉原さして
急
(
いそぎ
)
けり爰に吉原江戸町二丁目の
丁字屋
(
ちやうじや
)
半藏と云る
遊女屋
(
いうぢよや
)
は其頃での
繁昌
(
はんじやう
)
の家にて
貴賤
(
きせん
)
の
客人
(
まろうど
)
引
(
ひき
)
も
切
(
きら
)
ず
然
(
され
)
ば此丁字屋方へ
賣込
(
うりこま
)
んと
傳手
(
つて
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「そうか。客門の辺りばかりでなく、
客人
(
まろうど
)
の駒をつなぐ
厩
(
うまや
)
なども清めたろうな。厩の不精ッたいのは、嫌なものだ」
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
公
(
おおやけ
)
ではさらさらないが、夜に入らば、そっとここへ見える
客人
(
まろうど
)
があるはずです。というて公儀には仔細ないお方だ。ごゆるり名残りを惜しまれるがよい」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『十九でおざるよ。……もうすぐ
二十歳
(
はたち
)
ともなるのに、
客人
(
まろうど
)
のまえでは、よう、ものも
得
(
え
)
いわぬ方でなあ』
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『姉君のお婿さまに、いいお祝を上げようか。きょうのお
客人
(
まろうど
)
たちへ、
馳走
(
ちそう
)
してあげるといいからね』
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ひかえろ」と、太公は息子を叱って——「
客人
(
まろうど
)
。……どうも
伜
(
せがれ
)
めが、とんだご無礼をいたしましたが、このとおりな
田舎
(
いなか
)
育ちじゃ、ま、堪忍してやってくだされい」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ただ今、僧正のお居間へ、おひきあわせ申したい
客人
(
まろうど
)
がお見えになりましたから、お食事がおすみ遊ばしたら、もいちど、お越しくださるようにとの仰せでござる」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうだな。
客人
(
まろうど
)
にお気づまりをさせても悪い。いっそ、そなたの手でこれへ
持
(
も
)
てまいらぬか」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お
客人
(
まろうど
)
。あらためて、とくとお話し申したいことがおざる。茶なと煮て、わしの
房
(
へや
)
でお待ちしておりますぞ。おそれいるが、伜めを連れて、あとよりお越しくださらぬか」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お父さま、いま御門の外へ、きれいな女の
客人
(
まろうど
)
が来ましたよ。笠を持った旅の女のひとが」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お
客人
(
まろうど
)
には、失礼じゃが、かえってここが親しかろう、どうぞ
炉
(
ろ
)
べりへ」と席をすすめた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お
客人
(
まろうど
)
に、何の御馳走もなさすぎますから、せめて尼の琴なりおきかせしましょうか」
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「こよいの
客人
(
まろうど
)
は、姫の
生命
(
いのち
)
の親じゃ、粗略がないように」と、月輪の館では、
禅閤
(
ぜんこう
)
を初め、家族たちや召使の端までが、細かい気くばりをもって、
門
(
かど
)
を清掃して、待っていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
客人
(
まろうど
)
の御眼には、この男、いたく小男のように御覧ぜられたかのようなれど、父母より賜える五体、幸いにして、五尺ほどはこれあり、今日までの戦場においても、いまだいかなる強剛に会うも
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いやしくない
客人
(
まろうど
)
だ。温雅なお人だ。ご親切なお方だ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あいや
客人
(
まろうど
)
。お膝をおくずしくだされい。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「佐々木殿には、なにぶん、ここは路傍のこと。ごあいさつもなりかぬれば、自身はお
客人
(
まろうど
)
の先導として、一と足さきに屋形へ駈けん。……陽もまだ高し、後よりゆるゆる御案内して参れよとの仰せでおざった。いざ、お供いたしましょうず」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“客人”の意味
《名詞》
(きゃくじん)客として来る人。
まれびと、まろうど 参照。
(出典:Wiktionary)
客
常用漢字
小3
部首:⼧
9画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“客人”で始まる語句
客人大権現
客人神