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婿君
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むこぎみ
ふりがな文庫
“
婿君
(
むこぎみ
)” の例文
其処
(
そこ
)
へ
婿君
(
むこぎみ
)
が、
紋着
(
もんつき
)
、
袴
(
はかま
)
ながら、
憔悴
(
せうすゐ
)
した
其
(
そ
)
の
寝不足
(
ねぶそく
)
の
目
(
め
)
が
血走
(
ちばし
)
り、ばう/\
髪
(
がみ
)
で
窶
(
やつ
)
れたのが、
弔扎
(
てうれい
)
をうけに
見
(
み
)
えたのである。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
もっともその奥には玉江嬢のために
婿君
(
むこぎみ
)
の候補者を捜し出そうという特別の意味もあるが
先
(
まず
)
大主意は食物研究のため家族的の交際会を開くのだ。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
この宮様は
婿君
(
むこぎみ
)
(十四代将軍、徳川
家茂
(
いえもち
)
)への引き出物として、容易ならぬ
土産
(
みやげ
)
を持参せらるることになった。「
蛮夷
(
ばんい
)
を防ぐことを堅く約束せよ」
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ここは
宮家
(
みやけ
)
である。現天子の
婿君
(
むこぎみ
)
で「王大将ノ宮」と、世間でいっているのが、すなわち当の晋卿らしい。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
殿
(
との
)
さまの
一人娘
(
ひとりむすめ
)
であった
姫
(
ひめ
)
さまは、またとないほどの
美人
(
びじん
)
であったけれど、三
人
(
にん
)
まで
願
(
ねが
)
いをかけた
婿君
(
むこぎみ
)
が、
一人
(
ひとり
)
も
見
(
み
)
いだされなかったことを
恥
(
は
)
じて、この
山
(
やま
)
に
上
(
のぼ
)
られ
三つのかぎ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
もうちゃんと、
婿君
(
むこぎみ
)
も極まっていた。布引銀行の社員で、
眉目秀麗
(
びもくしゅうれい
)
、
才智縦横
(
さいちじゅうおう
)
の好青年、
鳥井純一
(
とりいじゅんいち
)
というのが頭取のお眼鏡に
叶
(
かな
)
い、相互の耳にも入れて、もう吉日を選ぶばかりになっていた。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
嘗
(
かつ
)
て
衣絵
(
きぬゑ
)
さんが、
婿君
(
むこぎみ
)
とこゝを
通
(
とほ
)
つて、
鰻
(
うなぎ
)
を
試
(
こゝろ
)
みたと
言
(
い
)
ふのを
聞
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
たので、
園
(
その
)
は、
自分好
(
じぶんず
)
きではないが、
御飯
(
ごはん
)
だけもと
思
(
おも
)
つたのに、
最
(
も
)
う
其
(
それ
)
は
売切
(
うりき
)
れた……
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
屈
(
かゞ
)
みかゝつて、
上
(
うへ
)
から
差覗
(
さしのぞ
)
く、
目
(
め
)
に
涙
(
なみだ
)
の
婿君
(
むこぎみ
)
と、
微
(
かすか
)
に
仰
(
あふ
)
いだ
衣絵
(
きぬゑ
)
さんの
顔
(
かほ
)
と、
世
(
よ
)
に
唯
(
たゞ
)
、
此
(
こ
)
の
時
(
とき
)
三
人
(
にん
)
であつた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
同
(
おな
)
じ
日
(
ひ
)
の
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
つて、
婿君
(
むこぎみ
)
から、
先
(
さき
)
むじて
親書
(
しんしよ
)
が
来
(
き
)
て、——
病床
(
びやうしやう
)
に
臥
(
ふ
)
してより、
衣絵
(
きぬゑ
)
はどなたにもお
目
(
め
)
に
掛
(
かゝ
)
る
事
(
こと
)
を
恥
(
はづ
)
かしがり
申候
(
まをしさふらふ
)
、
女気
(
をんなぎ
)
を、あはれ、
御諒察
(
ごりやうさつ
)
あつて
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
同時
(
どうじ
)
に一
昨年
(
さくねん
)
の
冬
(
ふゆ
)
、
衣絵
(
きぬゑ
)
さん、
婿君
(
むこぎみ
)
のために
若奥様
(
わかおくさま
)
であつた、
美
(
うつく
)
しい
夫人
(
ふじん
)
がはかなくなつて
居
(
ゐ
)
る……
新仏
(
しんぼとけ
)
は、
夫人
(
ふじん
)
の三
年目
(
ねんめ
)
に、おなじ
肺結核
(
はいけつかく
)
で
死去
(
しきよ
)
したのであるが……
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
就
(
つい
)
ては、
某
(
それ
)
の
日
(
ひ
)
、
恰
(
あだか
)
も
黄道吉辰
(
くわうだうきつしん
)
なれば、
揃
(
そろ
)
つて
方々
(
かた/″\
)
を
婿君
(
むこぎみ
)
にお
迎
(
むか
)
へ
申
(
まを
)
すと
云
(
い
)
ふ。
汗
(
あせ
)
冷
(
つめ
)
たくして
独
(
ひと
)
りづゝ
夢
(
ゆめ
)
さむ。
明
(
あ
)
くるを
待
(
ま
)
ちて、
相見
(
あひみ
)
て
口
(
くち
)
を
合
(
あ
)
はするに、
三人
(
さんにん
)
符
(
ふ
)
を
同
(
おな
)
じうして
聊
(
いさゝか
)
も
異
(
こと
)
なる
事
(
こと
)
なし。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
婿
常用漢字
中学
部首:⼥
12画
君
常用漢字
小3
部首:⼝
7画
“婿”で始まる語句
婿
婿入
婿様
婿取
婿殿
婿養子
婿舅
婿樣
婿選
婿金