トップ
>
大勢
>
たいせい
ふりがな文庫
“
大勢
(
たいせい
)” の例文
しかしあの
逞
(
たくま
)
しいムツソリニも一
椀
(
わん
)
の「しるこ」を
啜
(
すゝ
)
りながら、
天下
(
てんか
)
の
大勢
(
たいせい
)
を
考
(
かんが
)
へてゐるのは
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
想像
(
さうぞう
)
するだけでも
愉快
(
ゆくわい
)
であらう。
しるこ
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大勢
(
たいせい
)
は思わしくないが、それでも一人や二人は知己がある。前の自称画伯K君もその一人であるが、もう一人小宮(豊隆)さんがある。
画業二十年
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「美しいな」と宗近君はもう天下の
大勢
(
たいせい
)
を忘れている。京ほどに女の
綺羅
(
きら
)
を飾る所はない。天下の大勢も、
京女
(
きょうおんな
)
の色には
叶
(
かな
)
わぬ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
欧洲の
大勢
(
たいせい
)
が行くべき道を歩んで、ゆくべき所へゆき着いたのである。その大勢に押し流された人間は、敵も味方も悲惨である。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
たとえ彼らの首を百人千人斬ったところで、
大勢
(
たいせい
)
には
関
(
かかわ
)
りございません。そのために、故郷の妻子を嘆き悲しませるのは気の毒でございます。
現代語訳 平家物語:07 第七巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
しかし、青年指導について、せんだって私にもらされたご意見から察すると、やはり
大勢
(
たいせい
)
はどうにもならないらしいね。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
この際、いかにしてこの王国を守るかということは、いかにして一揆の
大勢
(
たいせい
)
をそらすかということでなければならぬ。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「これも
大勢
(
たいせい
)
でしょう。福島の本陣へは山村家の人が来ましてね、恭順を誓うという意味の
請書
(
うけしょ
)
を差し出しました。」
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「いゝや、
大勢
(
たいせい
)
は争えませんよ。それで皆途中は背広で行って、役所へ着いてから軍服に着替えるような始末です」
母校復興
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
かれの
沈鬱
(
ちんうつ
)
はそこにある。また、わしの見解があやまったにしろ、ひとりや二人の人物を助けたとて、
大勢
(
たいせい
)
の上にどれほどな違いを来たすものじゃない。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
よせばよいのに気の毒な——こう思う者も多かったが
大勢
(
たいせい
)
いかんともしがたいので苦い顔をして控えている。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
中には
越中次郎兵衞盛次
(
ゑつちゆうのじらうびやうゑもりつぐ
)
、上總五郎兵衞忠光、
惡七兵衞景清
(
あくしちびやうゑかげきよ
)
なんど、名だたる
剛者
(
がうのもの
)
なきにあらねど、言はば之れ
匹夫
(
ひつぷ
)
の
勇
(
ゆう
)
にして、
大勢
(
たいせい
)
に於て
元
(
もと
)
より
益
(
えき
)
する所なし。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
我國
(
わがくに
)
の
國債
(
こくさい
)
の
状態
(
じやうたい
)
を
見
(
み
)
ると、
今日
(
こんにち
)
既
(
すで
)
に五十九
億圓
(
おくゑん
)
に
達
(
たつ
)
して
居
(
を
)
り
從來
(
じうらい
)
の
大勢
(
たいせい
)
を
以
(
もつ
)
て
計
(
はか
)
れば
年々
(
ねん/\
)
巨額
(
きよがく
)
の
國債
(
こくさい
)
が
殖
(
ふ
)
えるのであつて百
億圓
(
おくゑん
)
に
達
(
たつ
)
するも
餘
(
あま
)
り
遠
(
とほ
)
からざることである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
ええ
一寸
(
ちょっと
)
一言ご
挨拶
(
あいさつ
)
申
(
もう
)
しあげます。
今晩
(
こんばん
)
はお
客様
(
きゃくさま
)
にはよくおいで下さいました。どうかおゆるりとおくつろぎ下さい。さて
現今
(
げんこん
)
世界
(
せかい
)
の
大勢
(
たいせい
)
を見るに
実
(
じつ
)
にどうもこんらんしている。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
かれは
大勢
(
たいせい
)
の既に定まったのを知らずに、己の事情の帰国に適せぬことを
縷々
(
るる
)
として説こうとした。霊肉共に許した恋人の
例
(
ならい
)
として、いかようにしても離れまいとするのである。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ただこの時代が文学美術全般の勃興を成したるは文運の隆盛を促すべき
大勢
(
たいせい
)
に
駆
(
か
)
られたる者にして、その大勢なる者はかへつて各種の文学美術が相互に影響したる結果も多かりけん。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
しかるにいま
貴様
(
きさま
)
の言を聴けば、それはやはり家老どもの力を
藉
(
か
)
らねば、天下が治まらぬというごとき
卑怯
(
ひきょう
)
の意志あることを自白するにほかならぬ。そんなことで天下の
大勢
(
たいせい
)
がわかるものか
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
照彦
(
てるひこ
)
様は町人の学校へおはいりになりました。私はご指導主事として反対の
趣
(
おもむき
)
をお殿様へも申し上げたのですが、
大勢
(
たいせい
)
はなんともいたし方ありません。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
大勢
(
たいせい
)
の順逆は論外として、とにかくこの男は、本当に謀叛をやれる奴だ、謀叛人の卵だ、と白雲が、同行しながら、雲井なにがしに向って舌を捲きました。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
もはや
大勢
(
たいせい
)
のいかんともしがたいことを知る時が来て、
太政官
(
だじょうかん
)
からの
御達
(
おたっ
)
しや総督府からの催促にやむなく江戸屋敷を引き揚げた紀州方なぞと同じように
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ひとり悶えたのは、
大勢
(
たいせい
)
をここまで引っ張ってきた張松である。彼の立場は当然苦境に落ちる。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
祖母と父とはいつまでも強情にそれを否認していたが、
大勢
(
たいせい
)
はもう動かすことが出来なかった。
探偵夜話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
濱口内閣
(
はまぐちないかく
)
の
出來
(
でき
)
た
前
(
まへ
)
の六
月
(
ぐわつ
)
三十
日
(
にち
)
の
日本内地
(
にほんないち
)
の
輸入超過
(
ゆにふてうくわ
)
は二
億
(
おく
)
八千
萬圓
(
まんゑん
)
餘
(
よ
)
であつたが、七
月
(
ぐわつ
)
二
日
(
か
)
に
濱口内閣
(
はまぐちないかく
)
が
組織
(
そしき
)
されてから
以來
(
いらい
)
段々
(
だん/\
)
時
(
とき
)
の
經
(
た
)
つに
從
(
したが
)
つて
輸入超過
(
ゆにふてうくわ
)
の
大勢
(
たいせい
)
は
改善
(
かいぜん
)
されて
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
しかし、
大勢
(
たいせい
)
は予め知れていて、彰義隊の敗れることには疑い無かった。
甲州鎮撫隊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「この通り一から十まで話が分っているので、士族平民の件は、狐につまゝれたような心持がしましたが、そこは
悧巧
(
りこう
)
な人丈けに
大勢
(
たいせい
)
を見て取って
掌
(
てのひら
)
を
反
(
かえ
)
すように……」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
大勢
(
たいせい
)
が然うなっているようだから
敵
(
かな
)
わない。三輪君の家でも細君が謙一の同伴を三輪君の出発条件のように話していた。謙さんが御一緒なら私も安心ですと頻りに言っている。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
勢
常用漢字
小5
部首:⼒
13画
“大勢”で始まる語句
大勢力
大勢籠
大勢集
大勢頭
大勢新聞