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嚊
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かゝあ
ふりがな文庫
“
嚊
(
かゝあ
)” の例文
しかし中にはかれの不断の
読経
(
どきやう
)
やら、寺に来てからの行状やらから押して、普通の僧侶——其処等にざらにある
嚊
(
かゝあ
)
を持ち、
被布
(
ひふ
)
を着
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
今も
嚊
(
かゝあ
)
に云はれた通り、一つ長屋の彦兵衞さんが繩附きになつて出て行くのを知つてゐながら、今まで默つてゐたのはどうも良くねえ。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それからわしもお
内儀
(
かみ
)
さん、
恁
(
か
)
うして
獨
(
ひとり
)
で
辛抱
(
しんばう
)
してんでがすが、わし
等
(
ら
)
嚊
(
かゝあ
)
も
死
(
し
)
ぬ
時
(
とき
)
にや
子奴等
(
こめら
)
こたあ
心配
(
しんぺえ
)
したんでがすかんね
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
俺
(
お
)
れゃ、
家
(
うち
)
へ帰ったら、早速、
嚊
(
かゝあ
)
を貰うんだ。」シベリアへ志願をして来た福田も、今は内地へ帰るのを急いでいた。
雪のシベリア
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
六平もまだや、さき方
嚊
(
かゝあ
)
さ迎に行ったれどどっちも帰らんわいの。子供を
仰山
(
ぎょうさん
)
連れとるさかいに大丈夫やろうけれど、あんまり遅いさかいまた子供を
恭三の父
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
▼ もっと見る
誰
(
だれ
)
だと
思
(
おも
)
ふ、
嚊
(
かゝあ
)
が
長
(
なが
)
の
煩
(
わづらひ
)
でなけりや、
小兒
(
がき
)
なんぞ
連
(
つ
)
れちや
來
(
こ
)
ねえ。
恁
(
か
)
う、
奴
(
やつこ
)
、
思切
(
おもひき
)
つて
飛込
(
とびこ
)
め。
生命
(
いのち
)
がけで
突入
(
つツぺえ
)
れ!
汝
(
てめえ
)
にや
熱
(
あつ
)
いたつて、
父
(
ちやん
)
にはぬるいや。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其の内でも私は
尚
(
な
)
お萩原様の家来同様に畑をうなったり庭を掃いたり、使い
早間
(
はやま
)
もして、
嚊
(
かゝあ
)
は
洒
(
すゝ
)
ぎ洗濯をしておるから、
店賃
(
たなちん
)
もとらずに
偶
(
たま
)
には
小遣
(
こづかい
)
を貰ったり
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
然
(
さ
)
うですか。』と云つたが、フン、宅とは何だい、俺の前で
嚊
(
かゝあ
)
ぶらなくたつて、貴樣みたいな者に手をつけるもんか。と云ふ氣がして、ツイと女を離れたなり、スタ/\驅け出した。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「何處へも行きやしません。
嚊
(
かゝあ
)
がよく知つて居ます」
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
權三 こいつも
嚊
(
かゝあ
)
と同じやうなことを云やあがる。手前の兄貴はどうだか知らねえが、この權三は牢に入れられるやうな惡いことはしねえのだ。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「へえ、わしやはあ
可怖
(
おつかな
)
くつて
仕
(
し
)
やうねえんですから、わし
出
(
で
)
らんねえ
處
(
ところ
)
へは
嚊
(
かゝあ
)
ばかり
出
(
で
)
え/\
仕
(
し
)
たんでがすから」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
俺
(
お
)
らあ、
嚊
(
かゝあ
)
がまた子供を産んで寝よるし、暇を出されちゃ、困るんじゃがのう。」彼は
悄
(
しょ
)
げて哀願的になった。
砂糖泥棒
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
否
(
いや
)
、今年の春頃から、
嚊
(
かゝあ
)
代
(
がは
)
りに連れて来たんだといふ話で、何でも、はア、
芋沢
(
いもさは
)
あたりの者だつて言ふ事だす。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
長「はい、
嚊
(
かゝあ
)
があると銭のことばかり云って仕事の邪魔になっていけませんから持たないんです」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
わしやお
内儀
(
かみ
)
さん
嚊
(
かゝあ
)
おつ
殺
(
ころ
)
してからつちものは
乞食
(
こじき
)
げだつて
手攫
(
てづか
)
みで
物
(
もの
)
出
(
だ
)
したこたあねえんでがすかんね、そらおつうげもはあ
斷
(
ことわ
)
つて
置
(
お
)
くんでがすから
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
助十 えゝ、おめえのやうな
曳摺
(
ひきず
)
り
嚊
(
かゝあ
)
がによろによろしてゐたつて何の役に立つものか。よし原の
煤掃
(
すゝは
)
きとは譯が違はあ。早く亭主をひき摺り出せといふのに……。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
大方先の
阿魔女
(
あまっちょ
)
が
何
(
なん
)
かお
前
(
まえ
)
に
怖
(
こわ
)
もてゞ云やアがったんだろう、お前が
嚊
(
かゝあ
)
があるから女房に持つ事が出来ないと云ったら、そんなら
打捨
(
うっちゃ
)
って置かないとか何とかいうのだろう
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「通ったらえらいものじゃがなあ。」源作は、葉書を
嚊
(
かゝあ
)
に読んできかせた後、こう云った。
電報
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
斯
(
かう
)
した女の張り詰めた心も同情するに足りる。作をするなら何うしてもこの女の方が主人公だ。それを内田君が、『裏店の
嚊
(
かゝあ
)
のやうな無恥な行為』と言つたのは、理解出来兼ねる。
初冬の記事
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
權「はい、
私
(
わし
)
もお蔭で喰うにゃア困らず、
彼様
(
あんな
)
心懸の
宜
(
い
)
い女を
嚊
(
かゝあ
)
にして、おまけに旦那様のお
媒妁
(
なこうど
)
で本当は
彼
(
あ
)
のお千代も
忌
(
いや
)
だったろうが、仕方なしに私の嚊に成っているだアね」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
源作の
嚊
(
かゝあ
)
の、おきのは、隣家へ風呂を貰いに行ったり、念仏に参ったりすると
電報
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
「あの女があいつの
嚊
(
かゝあ
)
になるとは思はなかつたな?」
アカシヤの花
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
丁度あの鳶頭が来た
翌日
(
あくるひ
)
でした、
吉原
(
なか
)
の
彼女
(
やつ
)
と
駈落
(
かけおち
)
と出懸けやしたがね、一年足らず
野州
(
やしゅう
)
足利
(
あしかゞ
)
で潜んでいるうちに
嚊
(
かゝあ
)
は梅毒がふき出し、それが
原因
(
もと
)
で到頭お
目出度
(
めでたく
)
なっちまったんで
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
寺の近くに住んでゐるある百姓の
嚊
(
かゝあ
)
は言つた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
実は
此処
(
こゝ
)
にいる多助を己が跡目相続に貰った訳というものは、十三年あと八月二日、千鳥まで田地を買いに
行
(
ゆ
)
く時、
追貝村
(
おっかいむら
)
でな、今の
嚊
(
かゝあ
)
のおかめの
先
(
せん
)
の亭主、岸田屋宇之助という
旅商人
(
たびあきんど
)
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
些
(
ちっ
)
とあなたのお耳へ入れては御心配でございましょうが、
彼処
(
あすこ
)
に寝て居りますのは
私
(
わっち
)
の
嚊
(
かゝあ
)
で、昨晩間違いが出来ましたと云うのは、湯の中で
臀
(
けつ
)
を撫でたとかお
情所
(
なさけどころ
)
を
何
(
ど
)
うとかしたと云うので
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
伴「えゝ/\
嚊
(
かゝあ
)
にも云わない位な訳ですから、
何
(
なん
)
で世間へ云いましょう」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
權「
衆人
(
みんな
)
が然う云います、へえ
嚊
(
かゝあ
)
は誠に器量が
美
(
い
)
いって」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
嘉「へえ、
私
(
わし
)
の
嚊
(
かゝあ
)
でごぜえます、ぞんぜえもので」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
國「なアに、これは
私
(
わっち
)
の
嚊
(
かゝあ
)
です、
引込
(
ひっこ
)
んでいな」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
嚊
漢検1級
部首:⼝
17画
“嚊”を含む語句
嚊々
嚊大明神
嚊々左衛門
嚊声
嚊天下
嚊左衛門
嚊座
嚊様
嚊殿
嚊等