“吾妻橋:あずまばし” の例文
“吾妻橋:あずまばし”を含む作品の著者(上位)作品数
永井荷風6
高村光雲3
堀辰雄2
夏目漱石2
島崎藤村2
“吾妻橋:あずまばし”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 彫刻 > 彫刻史 各国の彫刻3.7%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸1.6%
文学 > 日本文学 > 日本文学0.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
さるが故に、私は永代橋の鉄橋をばかえってかの吾妻橋あずまばし両国橋りょうごくばしの如くにみにくいとは思わない。
その人は、吾妻橋あずまばしを渡って並木の方から東雲師の店(当時は駒形こまがたに移っていた)を差してやって来たのでした。
門のない門の前を、吾妻橋あずまばしの方へ少し行くと、左側の路端みちばたに乗合自動車のとまる知らせの棒が立っている。
寺じまの記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
小春日和びよりの日などには、看護の人に手をひいてもらって、吾妻橋あずまばしまで歩いていったという便たよりなどが来た。
花を持てる女 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
それから、その年の夏に隅田川で川施餓鬼のあった日、師匠は私を呼んで、これを吾妻橋あずまばしから流すようにといいつかりました。
夕方遅くなったりなんぞすると、母は吾妻橋あずまばしたもとからくるまをやとって、大川を渡って帰った。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
吾妻橋あずまばし両国橋りょうごくばし等の眺望は今日の処あまりに不整頓にして永代橋におけるが如く感興を一所に集注する事が出来ない。
大川へ出た船は、流をさかのぼって吾妻橋あずまばしを通り抜けて、今戸いまど有明楼ゆうめいろうそばに着けたものだという。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ただ蹌々そうそうとして踉々ろうろうというかたちで吾妻橋あずまばしへきかかったのです。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
吾妻橋あずまばしを渡ると久しく麦酒ビール製造会社の庭園になっていた旧佐竹氏の浩養園がある。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
春の夕陽ゆうひは赤々と吾妻橋あずまばしの向うに傾いて、花見帰りの混雑を一層引立てて見せる。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
雷門に向って右が吾妻橋あずまばし、橋と門との間が花川戸、花川戸を通り抜けるとやま宿しゅくで、それから山谷さんや、例の山谷堀のある所です。
吾妻橋あずまばしは午後の日光と塵埃じんあいの中におびただしい人出ひとでである。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「東京の吾妻橋あずまばしとか柳橋とかに似てるからじゃありません?」と云った。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ホラ、此頃こないだ、雪の降った日が有りましたろう——ネ。あの翌日でサ。私が河蒸汽で吾妻橋あずまばしまで乗って、あそこで上ると、ヒョイと向島に遭遇でっくわしました。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
吾妻橋あずまばし欄干らんかんによって、人が大ぜい立っている。
ひょっとこ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
人の許諾をずして吾妻橋あずまばし事件などを至る処に振り廻わす以上は、人の軒下に犬を忍ばして、その報道を得々として逢う人に吹聴ふいちょうする以上は、車夫、馬丁ばてい
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その時鼠骨氏が色々面白い話をした中に、ある新聞記者が失敗の挙句あげく吾妻橋あずまばしから投身しようと思って、欄干から飛んだら、後向きに飛んで橋の上に落ちたという挿話があった。
高浜さんと私 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
一方吾妻橋あずまばし橋畔の、三之丞と鬼小僧とはどうしたろう?
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
わたくしは言問橋や吾妻橋あずまばしを渡るたびたび眉をひそめ鼻をおおいながらも、むかしの追想を喜ぶあまり欄干らんかんに身をせて濁った水の流を眺めなければならない。
水のながれ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
下手しもてには吾妻橋あずまばしを通る人が見えます。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
吾妻橋あずまばしを渡って田原町たわらまちから東本願寺へ突当つきあたって右に曲り、それから裏手へまいり、反圃たんぼ海禅寺かいぜんじの前を通りまして山崎町やまざきちょうへ出まして
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
向島むこうじまに住んだ頃は、浅草へ行くというのが何よりの楽しみでしたけれど、歩いて行く時は、水戸様みとさまの前から吾妻橋あずまばしを渡って、馬道うまみちを通って観音様の境内へ入るので、かなりの道なのです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
おまけに雪さえちらちらと落ちて来たので、お光は小きざみに足を早めて橋場へ帰って来る途中、吾妻橋あずまばしの上を渡りかかると、さっきから後を付けて来たらしい一人の男が、ふいに駈けて来てうしろからお光を突き飛ばした。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
午後ひるすぎに夕立をふらして去った雷鳴の名残が遠くかすかに聞えて、真白な大きな雲の峰の一面が夕日の反映に染められたまま見渡す水神すいじんもり彼方かなたに浮んでいるというような時分、こころみ吾妻橋あずまばしの欄干に佇立たたずみ上汐にさからって河をりて来る舟を見よ。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
おそらく百本杭ひゃっぽんぐいは河水の氾濫はんらんからこの河岸かし橋梁きょうりょうを防ぐ工事の一つであろうが、大川橋(今の吾妻橋あずまばし)の方からやって来る隅田川の水はあだかも二百何十年の歴史を語るかのように、その百本杭の側に最も急な水勢を見せながら、両国の橋の下へとうず巻き流れて来ていた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)