“人山”の読み方と例文
読み方割合
ひとやま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
嫌々腰をもたげて見ますと、ここにも揉烏帽子もみえぼし侍烏帽子さむらいえぼし人山ひとやまを築いて居りましたが、その中に交ってあの恵門法師えもんほうしも、相不変あいかわらず鉢の開いた頭を一きわ高く聳やかせながら
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
住吉新慶町しんけいまち辺に来ると、かねて六番、八番の両隊が舎営していたことがあるので、路傍に待ち受けてわかれを惜むものがある。堺の町に入れば、道の両側に人山ひとやまを築いて、その中から往々欷歔すすりなきの声が聞える。
堺事件 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
吾妻橋あずまばし欄干らんかんによって、人が大ぜい立っている。時々巡査が来て小言こごとを云うが、すぐまた元のように人山ひとやまが出来てしまう。皆、この橋の下を通る花見の船を見に、立っているのである。
ひょっとこ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)