危害きがい)” の例文
この遊歩いうほあひだ武村兵曹たけむらへいそうめいずるまゝに、始終しじゆう吾等われらまへになり、うしろになつて、あらかじ猛獸まうじう毒蛇どくじや危害きがいふせいでれた、一頭いつとう猛犬まうけんがあつた。
わしを殺そうとした悪者わるものの一派が、ここへやって来るのだ。あんたの姿を見れば、あんたにも危害きがいを加えるだろう。よくおぼえているがいい。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
事件の性質上、御家族に危害きがいを加えることは万あるまいから、あなた自身だけ退散たいさんしたがよいと言う。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
全市ぜんしとみへても、我家わがや危害きがいくはへたうない。ぢゃによって、堪忍かんにんしてふりをしてゐやれ。
いまだ一度も他から危害きがいをくわえられたことのない海ひょうどもは、かかるべしとは夢にも知らず、いぜんとしてばらばら、ぞろぞろ、組んずほぐれつ遊びたわむれている。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
そして、いよいよくまが、かれ危害きがいくわえるためにやってきたのではないことがわかると
深山の秋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
孔子こうしも子は父のために隠し、父は子のために隠すと教えたごとく、かくすことが国家に危害きがいあたうるならいざ知らず、会社の内幕うちまくを語りいたずらに他に告ぐるがごときは裏切り同然で
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
透明人間とうめいにんげん危害きがいから町の人を守るには、怪物かいぶつとらえることである。そのための警察けいさつ手配てはい着々ちゃくちゃくとすすみ、おもったよりはやく、町のこれぞと思うところに、警官が動員どういんされていた。
たとひ潰倒くわいたうしてもひと生命せいめい危害きがいあたふることはまづないといつてもよい。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
猛獸まうじう毒蛇等どくじやとう危害きがいきわめておほければ、けつして足踏あしぶみしたまふな、大佐たいさ夕刻ゆふこくかへつて、ふたゝ御目おめにかゝるし。
しかし私共は、なんだかままでは、じっと待っていられないほど不安なのでございます。万一父が危害きがいを加えられてでもいるようですと、一刻いっこくも早く見付けて助け出したいのでございます。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ひめはおかあさまやいもうとのいるおしろながらあんじて、どうかしておかあさまやいもうとうえ危害きがいのないようにといのっているに、はや、くろかべはついにおしろものんで、もっともっとせてきて
黒い塔 (新字新仮名) / 小川未明(著)
手鎗てやりまわしたりして、からうじてその危害きがいふせいでるが、それも何時いつまでつゞことか、けるにしたがつて、猛獸まうじういきほひ益々ます/\激烈げきれつになつてた、かゝるときにはさかんにくにかぎると
それから火星を追いかけているうちに、火星人のためにわれわれは危害きがいを加えられるかもしれない。悪くすればわれわれは宇宙を墓場はかばとして、永い眠りにつかなければならないかもしれない。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)