“きがい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
気概29.5%
危害27.3%
癸亥20.5%
己亥6.8%
気慨4.5%
氣概4.5%
気愾2.3%
機外2.3%
気槩2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
エバン船長は欧洲大戦生き残りの勇士で、いまなおおかすべからざる気概きがいをもっていたが、一面好々爺こうこうやでもあった。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
わしを殺そうとした悪者わるものの一派が、ここへやって来るのだ。あんたの姿を見れば、あんたにも危害きがいを加えるだろう。よくおぼえているがいい。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
これ去年癸亥きがい七月十二日わが狎友こうゆう唖々子ああし井上精一君が埋骨のところなり。門に入るに離々たる古松の下に寺の男の落葉掃きゐたれば、井上氏の塋域えいいきを問ふ。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
豊前中津の城主奥平おくだいら大膳太夫昌服まさもとの家来川田良兵衛、いみな某の二女。天保十年己亥きがいの歳四月二十五日芝汐留しおどめなる奥平家の本邸内に生れ主家の女中になっていた。文久辛酉の年には二十三歳である。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
第一長蔵さんや茶店のかみさんにった時なんぞは平生の自分にも似ず、ぐうも出さずにしんからおとなしくしていた。議論も主張も気慨きがいも何もあったもんじゃありゃしない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あの柔和さうな女隱居のお市に、それだけの氣概きがいのあつたのは、妙に皆んなの心持をシンとさせました。
ところが、重蔵に必死の気愾きがいと、侮りがたい腕があったため、思わぬ烈剣を放した結果、彼の片足を打ち折ってしまった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その血潮は、ふだんの柔弱を滅却して、敢然と、彼の気愾きがいを立派に叩き直した。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひとり独仙君に至っては機外きがいろうし過ぎて、少々疲労したと見えて、碁盤の上へのしかかって、いつのにやら、ぐうぐう寝ている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
職業は奉行所の腰掛茶屋の主人であった。柴田是真は気槩きがいのある人であった。香以とは極めて親しく、香以の摺物すりものにはこの人の画のあるものが多い。是真の逸事にこう云う事がある。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)