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凜々
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りんりん
ふりがな文庫
“
凜々
(
りんりん
)” の例文
別に、肩には
更紗
(
さらさ
)
を
投掛
(
なげか
)
け、腰に長剣を
捲
(
ま
)
いた、目の鋭い、
裸
(
はだか
)
の
筋骨
(
きんこつ
)
の
引緊
(
ひきしま
)
つた、威風の
凜々
(
りんりん
)
とした男は、島の王様のやうなものなの……
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
我義塾の命脈を絶つものと云うべし、彼の印鑑の如きは
速
(
すみやか
)
に之を火に投じて可なりとて、その語気
凜々
(
りんりん
)
、決する所あるが如し。
故社員の一言今尚精神
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
勇気
凜々
(
りんりん
)
書いていて私は笑い出したし、同時に所謂ハイカラーというか一面的合理主義を感じて、複雑な感想をもちました。
獄中への手紙:05 一九三八年(昭和十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
天鵞絨
(
ビロード
)
の声と言われた、柔かい感触と、情緒の豊かな歌が、人間離れのした巨大な声量で、場の隅々まで
凜々
(
りんりん
)
と響き渡った。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
それにシャアにジャヴェリにカパディア氏! これらの大一座を引き具して勇気
凜々
(
りんりん
)
颯爽
(
さっそう
)
として乗り込んだのであったが
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
と叫んだ新九郎にも、一念の
迸
(
ほとば
)
しるところ、おのずから
凜々
(
りんりん
)
たる気魄があって、彼の圧倒へ全力をこめて反抗した。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
生麦
(
なまむぎ
)
の事件でござんさあ、薩摩っぽうが勇気
凜々
(
りんりん
)
として、毛唐二三人を一刀に斬って捨てたのはまあ豪勢なもんだとして、ところでその尻拭いは誰がします
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
実朝の中で、そうした文化への
憧
(
あこが
)
れが「詩」となってはりつめていることがまともに解るのは、これら一首の声調にこもる
凜々
(
りんりん
)
とした、たるみのない統一力によってである。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
同時にその間に於て翁が如何に酬いられぬ努力を
竭
(
つく
)
し、人知れぬ精魂を空費して来たか。国粋中の国粋たる能楽の神髄を体得してこれを人格化し
凜々
(
りんりん
)
たる余徳を今日に伝えて来たか。
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
納所
(
なっしょ
)
二人も尻はしょり、一人は
麺棒
(
めんぼう
)
、一人は
鉄火箸
(
かなひばし
)
を得物に代えて、威風
凜々
(
りんりん
)
というありさま。隅々を見回ってから四人額をあつめひそひそささやき合い、また立ち分かれて見回り歩く。
おばけの正体
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
恰好だけでもせめて勇気
凜々
(
りんりん
)
たるところを示しているだけでよかったのだ。
本所松坂町
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
大仏の鋳造に当って「天下の富をたもつ者は
朕
(
ちん
)
なり。天下の勢をもつ者も朕なり」と勅した天皇は、その鋳造を終って東大寺に行幸し、皇后と共に並んで北面の像に向い、
凜々
(
りんりん
)
と大仏に相対し
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
と勇気
凜々
(
りんりん
)
四辺
(
あたり
)
を払って扇を膝に戦場
叱咤
(
しった
)
の
猛者声
(
もさごえ
)
で述べ立てた。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それでも勇気
凜々
(
りんりん
)
として、まるで昔の出陣のようである。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
帆村荘六の勇気
凜々
(
りんりん
)
たる姿だった。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
栄華の空より墜落して、火宅の
苦患
(
くげん
)
を
嘗
(
な
)
めつつある綾子を犯す乞食お丹、自堕落の
態
(
てい
)
引替えて悪魔の
風采
(
ふうさい
)
凜々
(
りんりん
)
たり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
凜々
(
りんりん
)
としていたが、師匠の自斎が、華美は嫌う人であったから、そこの水汲み小僧であった小次郎は、元より質素で色の真っ黒な
田舎
(
いなか
)
少年でしかなかった。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
護摩の
烟
(
けむり
)
は
濛々
(
もうもう
)
と壇をこめて、東海坊の素晴らしい
次低音
(
バリトーン
)
だけが、
凜々
(
りんりん
)
と響き渡るのです。やがて
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
新撰組の近藤勇といえどもおれには
敵
(
かな
)
わねえ、道庵の
匙
(
さじ
)
にかかって命を落したものが二千人からあると、日頃勇気
凜々
(
りんりん
)
たる道庵先生も、この子供たちに逢っては一たまりもなく
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その声に驚いて、外に逃出していた百姓連中がワイワイと
駈集
(
かけあつ
)
まって来るのを、銀之丞は和尚の屍体に片足かけたまま見下した。引抜いた血刀を構えながら
凜々
(
りんりん
)
たる声を張上げて叫んだ。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一家
惣領
(
そうりょう
)
の末であった小山小四郎が田原藤太相伝のを奉りしより其れに改めた三
ツ
頭
左靹絵
(
ひだりどもえ
)
の紋の旗を
吹靡
(
ふきなび
)
かせ、
凜々
(
りんりん
)
たる意気、堂々たる威風、
膚
(
はだえ
)
撓
(
たゆ
)
まず、目まじろがず、佐沼の城を心当に進み行く
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
清君も勇気
凜々
(
りんりん
)
として、胸をたたいた。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
瞳の動かぬ気高い顔して、
恍惚
(
うっとり
)
と見詰めながら、よろよろと
引退
(
ひきさが
)
る、と黒髪うつる藤紫、肩も
腕
(
かいな
)
も
嬌娜
(
なよやか
)
ながら、袖に構えた扇の利剣、霜夜に声も
凜々
(
りんりん
)
と
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
前には、恋の
貂蝉
(
ちょうせん
)
を
亡
(
うしな
)
い、今また争覇の地を失って、呂布のうしろ影には、いつもの
凜々
(
りんりん
)
たる勇姿もなかった。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
読経の声
凜々
(
りんりん
)
と響き渡ると、それに合せて念仏を称える善男善女の声が、一種の情熱的なリズムになって、平次の
齎
(
もたら
)
した世俗の「御用」などは通りそうもありません。
銭形平次捕物控:104 活き仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
連中が道庵の
凜々
(
りんりん
)
たる武勇に圧倒されたわけでもなく、これはたぶん江戸より海陸二百八十八里、九州肥後熊本五十四万石細川侯の行列であろうところの供揃いが、下に下にの触れ声で
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
梅津朔造氏の調子は
凜々
(
りんりん
)
と冴える、仮名扱いの綺麗な、派手なものであった。
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
少年が勇威
凜々
(
りんりん
)
として今大鷲を
搏
(
う
)
った時の風采は、理学士をして思わず
面
(
おもて
)
を伏せて、
僵
(
たお
)
れたる肉一団何かある、我が妻をもてこの神将に捧げんと思わしめたのである。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
凜々
(
りんりん
)
とした声ではないが、低いうちにも一念の
倦
(
あ
)
くことなき
三昧
(
さんまい
)
が感じられる念仏の声であった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
振りかぶった左母次郎の刃の下に、銭形平次の声は
凜々
(
りんりん
)
と響くのでした。
銭形平次捕物控:126 辻斬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ただ、ここに現われた勇者は、体格の屈強なるに似ず、勇気の
凜々
(
りんりん
)
たるに似ず、ドコかに多少の愛嬌と和気がある。駒井甚三郎はともかくもお礼の心を述べておこうと、彼に近づいて、
慇懃
(
いんぎん
)
に
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そうして、そのお姿を一心に見つめておりますと、そのうちに、その鏡の中のお母様の唇が、おのずと動き出しまして、その間際に仰有ったお言葉が
凜々
(
りんりん
)
とすき透って、私の耳に響いて来るのでした。
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と
凜々
(
りんりん
)
たる声が澄んで、三ツ扇の紋幕をかなぐり上げるや、たたたたたとそこへ駈け現われて来た一人は、
黒絖龍文
(
くろぬめりゅうもん
)
の小袖に
襷
(
たすき
)
を綾なし、
青月代
(
あおさかやき
)
に白鉢巻をキリッと締めて
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何の
蝸牛
(
ででむし
)
みたような
住居
(
すまい
)
だ、この中に踏み込んで、
罷
(
まか
)
り違えば、殻を
背負
(
しょ
)
っても逃げられると、高を
括
(
くく
)
って度胸が坐ったのでありますから、威勢よく
突立
(
つッた
)
って
凜々
(
りんりん
)
とした大音声。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
勧進帳の読上げも
凜々
(
りんりん
)
たる調子を張って、満場をシーンとさせました。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
恐ろしい沈黙の中を、平次の声だけが、低いながら
凜々
(
りんりん
)
と響きます。
銭形平次捕物控:053 小唄お政
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
見る間に駈け寄ってきたのは春日新九郎、
青額
(
あおびたい
)
に紫紐の切下げ髪は余り美貌過ぎて、不敵な郷士の
度胆
(
どぎも
)
を奪うには足りないが、勇気は
凜々
(
りんりん
)
として、昔の新九郎とは別人のように
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と見る見る瞳にうるみを持ったが、活々した顔は
撓
(
たわ
)
まず、声も
凜々
(
りんりん
)
と冴えた。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
銭形の平次、土間に突っ立って見上げながら
凜々
(
りんりん
)
と響かせます。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
爛々
(
らんらん
)
たるその
眸
(
ひとみ
)
、
凜々
(
りんりん
)
たる威風、見るからに
猛豹
(
もうひょう
)
の気がある。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次は
縁端
(
えんばた
)
に立って、
凜々
(
りんりん
)
と朝の空気の中に響かせます。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
多一の声は
凜々
(
りんりん
)
として
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
促
(
うなが
)
す声は
凄愴
(
せいそう
)
を呼んだ。
凜々
(
りんりん
)
、血は舟中を紅にしている。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
凜々
(
りんりん
)
と云う。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
軍紀は
凜々
(
りんりん
)
とふるった。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
凜
漢検1級
部首:⼎
15画
々
3画
“凜”で始まる語句
凜
凜然
凜乎
凜烈
凜冽
凜寒
凜絶