トップ
>
余
>
あん
ふりがな文庫
“
余
(
あん
)” の例文
旧字:
餘
どうも、宗さんも
余
(
あん
)
まり近頃は
御出
(
おいで
)
でないし、私も
御無沙汰
(
ごぶさた
)
ばかりしているのでね、つい御前の事は御話をする訳にも行かなかったんだよ
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ナニ、芸妓になり下つたト、——
余
(
あん
)
まりフザけた口きくもんぢやない、乞食の
女
(
こ
)
でも宮様だの、大臣さんだのの席へ出られると思ふのか」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
△「まア何うしたんだ、勝も
余
(
あん
)
まり大人気ねえじゃねえか、熊の
悪口
(
わるくち
)
は知ッてながら、
廃
(
よ
)
せッてえば、
下
(
くだ
)
らねえ喧嘩するが
外見
(
みえ
)
じゃアあるめえ」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
勿論其の疑いは直ぐに解けて仕舞ったけれど今も秀子の顔を見て、其の
余
(
あん
)
まり何ともなさすぎる静けさに、若しや仮面かとも同じ疑いを起し掛けた、併し勿論少しの間さ。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「
能
(
よ
)
く江戸からお客様が入らッしゃいますで、
余
(
あん
)
まりトンチキの真似も出来ませんよ」
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
弓のように
反
(
そ
)
って
伸
(
のび
)
をしながら、大きな口をアングリ
開
(
あ
)
いて
欠
(
あく
)
びをする所なぞは、
誰
(
た
)
が眼にも
余
(
あん
)
まり
見
(
みっ
)
とも好くもなかったから、父は始終厭な犬だ厭な犬だと言って私を厭がらせたが
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
三唖も
旋毛
(
つむじ
)
の少々曲った
変梃
(
へんてこ
)
な男だから
嫌気
(
いやき
)
がさして
復
(
ま
)
た暫らく足を遠のくと、今度は他の家へはマメに出掛けるくせに社のものの方へはまるきり
鼬
(
いたち
)
の道てのは
余
(
あん
)
まり義理を知らなさ過ぎるぜと
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「そりゃ
余
(
あん
)
まりだわ。
余
(
あん
)
まりだわ」
生さぬ児
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
お
母
(
っか
)
ア、何も
然
(
そ
)
んなに云わないでも
宜
(
い
)
い、
余
(
あん
)
まり久しく無沙汰になったから訪ねたのだが、お客様が入らっしってお邪魔になったら帰りますよ
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それっきりじゃ、
余
(
あん
)
まり
他愛
(
たあい
)
が無さ過ぎる。そりゃ残念な事をした、僕も見ればよかったぐらい義理にも云うがいい」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ですけど
私
(
あたし
)
が死んじまや、
幸手屋
(
さってや
)
の
血統
(
ちすじ
)
は絶えるでしょう? それでは御先祖様にも、又ね、死んだ親達にも済まないと思って、無分別は出しませんでしたけど、
余
(
あん
)
まり
口惜
(
くや
)
しかったから
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
若「そう
何処
(
どこ
)
なの、お前さんの知ってる
家
(
うち
)
ならいゝけれど、
余
(
あん
)
まり近いと直ぐ知れッちまってはねえ、何処、何処なの」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「あら、だって、それじゃ
余
(
あん
)
まりだわ」と云う
嫂
(
あによめ
)
の声が聞えた。代助は中へ這入った。中には兄と嫂と縫子がいた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
新「あら、花魁お可愛そうにねえ海上さん、そんなことアありゃしませんね、花魁の
嫉妬
(
ちん/\
)
も
余
(
あん
)
まり手放しすぎるわ」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「あら、だつて、
夫
(
それ
)
ぢや
余
(
あん
)
まりだわ」と云ふ
嫂
(
あによめ
)
の声が聞えた。代助は
中
(
なか
)
へ這入つた。
中
(
なか
)
には
兄
(
あに
)
と
嫂
(
あによめ
)
と縫子がゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それをしばらくくり返した
後
(
あと
)
で、「どうしたんだか
余
(
あん
)
まり要領を得ませんね」と云ったが、
直
(
すぐ
)
言葉を
継
(
つ
)
いで
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
國「源次郎さま大層に遅いじゃアありませんか、
私
(
わたくし
)
は
何
(
ど
)
うなすッたかと思いましたよ、
余
(
あん
)
まりですねえ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「読むなというんじゃない。それは御前の随意だ。しかし
余
(
あん
)
まり眼を使わないようにしたら好いだろう」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
みね「なんぞ上げたいが、
余
(
あん
)
まり少しばかりだが
小遣
(
こづかい
)
にでもして置いておくれよ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「やっぱりつまらない内職をしているんですが、どうも近頃は不景気で、
余
(
あん
)
まり好くない様です」
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何千軒とも知んねえ
家
(
うち
)
が焼け、土蔵倉を落す中で、
盗賊
(
どろぼう
)
に包を取られた
位
(
ぐらい
)
はなんでもねえに、
母親
(
おふくろ
)
に済まねえからと云って此の溝へ飛込んでおッ
死
(
ち
)
ぬとは、年はいかねえが
余
(
あん
)
まり分別がねえ話だ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「矢っ張りつまらない内職をしてゐるんですが、どうも
近頃
(
ちかごろ
)
は不景気で、
余
(
あん
)
まり
好
(
よ
)
くない様です」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
人に主人の事を悪党だ非道だと謂われゝば
余
(
あん
)
まり快くもごぜえません、御先祖さまの遺言が有るから、貴方はそれを守り抜いてゝ、証文を取って奉公させると、中には又喰うや喰わずで仕様がねえ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
私
(
わたくし
)
? 飛び込みませうか。でも
余
(
あん
)
まり
水
(
みづ
)
が
汚
(
きた
)
ないわね」と云ひながら、
此方
(
こつち
)
へ帰つて
来
(
き
)
た。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
美「
余
(
あん
)
まりおいでなさらんから何うなすったかと思ってましたよ」
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いくら保養でも、
家
(
うち
)
へ帰ると、少しは
気疲
(
きづかれ
)
が出るものよ。けれどもあなたは
余
(
あん
)
まり
爺々汚
(
じじむさ
)
いわ。
後生
(
ごしょう
)
だから
一休
(
ひとやすみ
)
したら御湯に行って頭を刈って
髭
(
ひげ
)
を
剃
(
す
)
って来てちょうだい」
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
誠にお前さんの云う事を
肯
(
き
)
かないで済みませんが、私も
七歳
(
なゝつ
)
から育てられ、お母さんの気性も知っていますが、
彼様
(
あんな
)
邪慳な人は世に
余
(
あん
)
まり有りません、此の頃のように寒い時分に夜遅く帰って来れば
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「もう好いでしょう。
余
(
あん
)
まり長くなると……」と云いながら、医者は宵子を
盥
(
たらい
)
から出した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
やま「あれまア、
余
(
あん
)
まり遅うお立で、途中で間違が有ってはいけませんと思いましたが、それは/\お比丘様は今にお
出
(
いで
)
でしょうからお上りなすって……山之助お
草鞋
(
わらじ
)
でおいでなさるから足を洗って」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「だって
余
(
あん
)
まりじゃありませんか、お貞さんがあんなに心配しているのに」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
下女「高いよ、そんな事を云ったッて
余
(
あん
)
まり高いよ」
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「だって
余
(
あん
)
まりだわ。この御天気にそんな厚いものを着て出るなんて」
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
梅「おやまさんお腹も立ちましたろうが堪忍して下さいよ、私は少し云う事が有りますから
彼方
(
あちら
)
へ行って居て下さい、
余
(
あん
)
まりやれこれ云って下さると増長するのでございますから、どうぞ
其方
(
そちら
)
へ……又市さん今の真似はあれは
何
(
なん
)
だえ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「だって
余
(
あん
)
まりだわ。こんなに人を待たしておいて」
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
梅「痛いてえ
余
(
あん
)
まりで」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ホホホホ
余
(
あん
)
まり
周章
(
あわて
)
るもんだから。御客様ですよ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
余
(
あん
)
まり
能
(
よ
)
く
御休
(
おやすみ
)
でしたからな」
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
余
(
あん
)
まり
能
(
よ
)
く
御休
(
おやすみ
)
でしたからな」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“余”の解説
余(よ)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
余
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
“余”を含む語句
余程
残余
余光
剰余
余沫
有余
余裕
余燼
余波
零余子
磐余
余部
自余
余戸
余韻
持余
余計
余所行
余人
紆余曲折
...