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のりだ
六丁目を
乘出した
其の
自動車で、
自分兩國を
乘切らう
意氣込、が、
思ひがけないパンクで、
時も
過ぎれば、
氣が
拔けたのださうである。
絶えず
其邊の
航路を
徘徊し、
時には
遠く
大西洋の
沿岸までも
船を
乘出して、
非常に
貴重な
貨物を
搭載した
船と
見ると、
忽ち
之を
撃沈して、
惡む
可き
慾を
逞ましうして
居るとの
話。
何の
商人の
女房が
店から
車に
乘出すは
榮耀の
沙汰で
御座ります、
其處らの
角から
能いほどに
直切つて
乘つて
參りましよ、これでも
勘定は
知つて
居ますに、と
可愛らしい
聲にて
笑へば
あゝ、
默り
默り。——あの
高橋を
出る
汽船は
大變な
混雜ですとさ。——この
四五年浦安の
釣がさかつて、
沙魚がわいた、
鰈が
入つたと、
乘出すのが、
押合、へし
合。
『ど、ど、どんな
書面で——。』と
私と
武村兵曹とは
身を
乘出した。
いま、
俥で
日盛りを
乘出すまで、
殆ど
口にしたものはない。
直射する
日の
光りに、
俥は
坂に
惱んで
幌を
掛けぬ。
洋傘を
持たない。
身の
楯は
冬の
鳥打帽ばかりである。
私は
肩で
呼吸を
喘いだ。
私は
俥から、
崖の
上へ
乘出した。