隱居いんきよ)” の例文
新字:隠居
A 仕樣しやうがないなア。ぢや説明せつめいしてやる。よく寄席よせ落語家らくごかがやるぢやないか。横丁よこちやう隱居いんきよくまさん八さんに發句ほつくをしへるはなしだ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
土藏の蔭へ廻ると、もと隱居いんきよ家に使つたといふ三間四方程の小さい離屋はなれがあつて、半分開けたまゝの障子の隙間から、中の樣子はよく見えます。
隱居いんきよより借請かりうけし事も御座りし處去る十七日右彦兵衞參り小間物こまものはらひを買候に百りやうほど入用にふようゆゑ九十兩ばかり一兩日りやうじつ借度かりたきよし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
我々われ/\隱居いんきよするにははやいです。ハヽヽ左樣さうでせうドクトル、隱居いんきよするのには。』郵便局長いうびんきよくちやうふ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
卯平うへい悲慘みじめ隱居いんきようつるまでには野田のだからつてすこばかりのたくはへはいくらも財布さいふのこつてはなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
とかくは有金ありがねなにほどをけて、若隱居わかいんきよべつ戸籍こせきにと内〻うち/\相談さうだんまりたれど、本人ほんにんうわのそら聞流きゝながしてらず、分配金ぶんぱいきんは一まん隱居いんきよ扶持ぶち月〻つき/″\おこして、遊興ゆうけうせきへず
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたし檀那寺だんなでら和尚をしやうの、それも隱居いんきよしたのかとおもひました。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大岡殿怪敷あやしくおもはれ右百兩は十七日のあさ包金つゝみきんこしらへ夕方其方に見せ隱居いんきよの道にて宵から寢たと有れば外に右の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかしそれはマアいゝとして、『隱居いんきよ』と『熊公くまこう』とがわからないとは、きみあたま隨分ずゐぶん粗末そまつなブロツクだね。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
卯平うへいしばら隱居いんきよ落付おちついてからは一せんづゝでもふところこしらへねばならぬといふ決心けつしんからうながされて、毎日まいにち煙管きせるよこくはへては悠長いうちやうではあるが、しか間斷かんだんなくなはをちより/\とつたり
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
半分にして吉三郎に菊をめあはせ養子となし利兵衞夫婦ふうふ隱居いんきよ致す可し且つ彌太郎方へは又七を取戻とりもどせと申渡されけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
隱居いんきよ物識ものしりぶつて『新玉あらたまとしちかへるあしたかな』づこんなふうふものだと作例さくれいしめす。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
「まあこつちへでもさつせえね」卯平うへい隱居いんきよへおつたをみちびいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)