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せんめい
ふりがな文庫
“
闡明
(
せんめい
)” の例文
特に硯の鋒鋩の研究や磨墨の機構の
闡明
(
せんめい
)
など、全く手の入っておらぬ研究の広い分野にわたって開拓されたところは随分大きかった。
墨色
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
が——ここにただ一つ、これだけは確実に、彼の口から出て、彼が眼の前で、祐筆に書かせ、公然、四海に
闡明
(
せんめい
)
したことばがある。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この一篇は蛙の句を中心とした小俳諧史である。古池の句の立脚地を
闡明
(
せんめい
)
すれば、俳諧の立脚地もまた大体悟了し得ることになる。
「俳諧大要」解説
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
その詩味史興共にこれを
闡明
(
せんめい
)
する学者もなかったところ、本篇の中で伊波君が着々研鑽に従われているのを見ると愉快に堪えない。
南嶋を思いて:――伊波文学士の『古琉球』に及ぶ――
(新字新仮名)
/
新村出
(著)
巨大なバルザックの体の中に驚くばかりごたごたにつめこまれている矛盾を歴史の発展の方向で
闡明
(
せんめい
)
することは不可能であった。
バルザックに対する評価
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
その客観的表現である自然形式の要点は、一元的平衡を軽妙に打破して二元性を暗示するという形を
採
(
と
)
るものとして
闡明
(
せんめい
)
された。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
遠く「万葉」の歌詞等の不明であった語義が、あの「おもろ双紙」等の研究によって漸次
闡明
(
せんめい
)
せられて来たことは学者の知るところです。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
それはただに法官が私を見る一つの材料として必要であるより、もっと大きな真理の
闡明
(
せんめい
)
のために絶対に必要なことだと思うからである。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「それでは、
闡明
(
せんめい
)
なさるほどの御解釈はないのですね。それから、一八七二年十二月
蘇古蘭
(
スコットランド
)
インヴァネスの牧師屍光事件は?」
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
倶係震卦教全巻の秘密は、これ
闡明
(
せんめい
)
された。しかし要するにそれだけである。お前は『真理』と『修行法』とを教えられたに過ぎないのだ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ダイナモができてからそれが発電する理由が証明されたり、飛行機が飛んでから、それが飛べる必然性が
闡明
(
せんめい
)
されたりする。
空想日録
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
あるがままの実在を絵で
闡明
(
せんめい
)
しようということなので、一個の林檎が実在するふしぎさを線と色で追求するほか、なんの興味もないのであった。
予言
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
享楽的態度を否定するのは、——古来如何なる哲学と雖も、人生の使命を
闡明
(
せんめい
)
するのに成功しなかつたことは事実である。
僻見
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
預言は神の意思の啓示です。原理の
闡明
(
せんめい
)
です。ここでイエスの言われた御趣旨は、不義なる罪深きこの代の支配がいつまでも続くものではない。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
これを少しでも
闡明
(
せんめい
)
しようとするならば出来るだけ各地の伝承を蒐めて比較検討するより他に途は無く、これが今後私どもに残された課題である。
アイヌ族の俚謡
(新字旧仮名)
/
知里真志保
(著)
「現実を客観する」事の出来る理性の明かな男の方が、人生における婦人の真の価値を
闡明
(
せんめい
)
せられた事にはなりません。
産屋物語
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
即ち将来
闡明
(
せんめい
)
せられねばならぬある法則によって、方言はいわゆる古典の時代から、著々として発生しつつあったことが推測し得られるのである。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
一の心状を示さむが為、
徐
(
おもむろ
)
に物象を喚起し、或はこれと
逆
(
さかし
)
まに、一の物象を採りて、
闡明
(
せんめい
)
数番の後、これより一の心状を脱離せしむる事これなり。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
このことはブハーリンが彼の『金利生活者の経済学』の中で経済学に関して模範的に分析し、
闡明
(
せんめい
)
したところである。
科学批判の課題
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
この故に観音経を
誦
(
じゅ
)
するもあえて箇中の真意を
闡明
(
せんめい
)
しようというようなことは、いまだかつて考え企てたことがない。
おばけずきのいわれ少々と処女作
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
孟子がこのように自分の見地から孔子の偉大さを
闡明
(
せんめい
)
しようとしたことは、
公孫丑
(
こうそんちゅう
)
上の次の数章によく現われている。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
世界の謎と目されていた南緯六十度ウニデス本流以南の全貌が初めて
闡明
(
せんめい
)
せられました結果として、海洋学、気象学の内容に多大の変化を与え造船学
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
水戸の如きも光圀の当時より早くもその
臭味
(
しゅうみ
)
を帯び、後世水戸派の予言者藤田東湖に到りては、「
古
(
いにしえ
)
を
稽
(
かんが
)
えて今に徴し本朝神聖の大道を
闡明
(
せんめい
)
す」と
叫破
(
きょうは
)
せり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
それがためには、プロレタリアートは、その戦争が何のためになされているかを
闡明
(
せんめい
)
しなければならない。
反戦文学論
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
却
(
かえ
)
って一つの大きな邪道と見るべきものである事をここに特に力を入れて
闡明
(
せんめい
)
しておきたいのであります。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それなら、できるだけ
闡明
(
せんめい
)
の労をいとわないです。あなたもどうやらそれがご希望なんでしょう? こう想像しても間違いじゃないですね。なら、やりましょう。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
単に原理を
闡明
(
せんめい
)
しようと希望しているのであって、私の全基礎が勝手に仮定されているのであり、しかも単に例証のために過ぎないことを述べる必要はほとんどない。
経済学及び課税の諸原理
(新字新仮名)
/
デイヴィッド・リカード
(著)
この、世界犯罪史上にもほかに類のない兇悪不可思議な
人怪
(
じんかい
)
——彼を取り巻く
闇黒
(
あんこく
)
の恐怖と
戦慄
(
せんりつ
)
すべき神秘、それらはもう、いまとなっては
闡明
(
せんめい
)
のしようがないのだ。
女肉を料理する男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
「どうも現実から離れるような気がするなあ、意味はよくわかるが、例えば、……国民ぜんたいの国家意識ということにしても、それを
闡明
(
せんめい
)
普及する方法があるかな」
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それが一つの階級的利益理論であることを
闡明
(
せんめい
)
する上に極めて重要なことと考えられるのである。
人口論:00 訳序/凡例/解説/序言/前書
(新字新仮名)
/
トマス・ロバート・マルサス
(著)
さて、かくして怖るべき「電気風呂」の怪死事件は、犯人の捕縛と共に
一切
(
いっさい
)
闡明
(
せんめい
)
されるに到った。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
探検一行二十七名上越国界を定むと
書
(
しよ
)
す、
少
(
しば
)
らく
休憩
(
きうけい
)
をなして或は
測量
(
そくりやう
)
し或は
地図
(
ちづ
)
を
描
(
ゑが
)
き、各
幽微
(
いうび
)
を
闡明
(
せんめい
)
にす、且つ風光の
壮絶
(
さうぜつ
)
なるに
眩惑
(
げんわく
)
せられ、左右
顧盻
(
こめん
)
去
(
さ
)
るに
忍
(
しの
)
びず
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
それで最も非数学的なもの、つまり恋愛というものを、じゃね、電気学的に
闡明
(
せんめい
)
しようというのが、わしの念願じゃ……、そのためには、この画も手離さなけりゃならん……
白金神経の少女
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
科学と哲学と宗教とはこれを研究し
闡明
(
せんめい
)
し、そして安心
立命
(
りゅうめい
)
の地をその上に置こうと
悶
(
もが
)
いている、僕も大哲学者になりたい、ダルウィン
跣足
(
はだし
)
というほどの大科学者になりたい。
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
その伝染病たることを
闡明
(
せんめい
)
する意図のもとに作られたのなら、あのような(シナリオによって判断する)まわりくどい表現は不必要だし、またもし癩者の入園を
慫慂
(
しょうよう
)
するためならば
映画と癩の問題
(新字新仮名)
/
伊丹万作
(著)
抽斎は天下多事の日に際会して、
言
(
こと
)
偶
(
たまたま
)
政事に及び、武備に及んだが、
此
(
かく
)
の如きは
固
(
もと
)
よりその
本色
(
ほんしょく
)
ではなかった。抽斎の
旦暮
(
たんぼ
)
力を用いる所は、古書を講窮し、古義を
闡明
(
せんめい
)
するにあった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
理想は真理の全体を
闡明
(
せんめい
)
することである。情の満足は美の全体を表わすことで、至美すなわち絶対美に到達するにあらざればとうてい満足することはできない。そこに芸術が起っている。
明治哲学界の回顧:04 結論――自分の立場
(新字新仮名)
/
井上哲次郎
(著)
これからは人間の真個の価値というものを目当てにして、これを完成するようにしなくてはならぬ。そうして之をするには無功用主義の道徳をその根本から
闡明
(
せんめい
)
するということが先ず第一である。
僧堂教育論
(新字新仮名)
/
鈴木大拙
(著)
その上ではじめて民族的本質の姿が真に
闡明
(
せんめい
)
せられるのであって
日本文化と科学的思想
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
まして私に示された工藝の意義が、一般に解されるそれと非常に異なるのを知る時、それを
闡明
(
せんめい
)
する任務が私に課せられているように思える。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
法水の死因
闡明
(
せんめい
)
は、同時に甲冑を着せしめたところに、犯人の所在を指摘している。それを時間的に追及すると、伸子にのみ
不在証明
(
アリバイ
)
がない。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「そうはゆかん。村重と約を交わし、
旗幟
(
きし
)
をあきらかにして、以後、毛利方へつくと、家中へも方向を
闡明
(
せんめい
)
したものを」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かくのごとき電子の性質が次第に
闡明
(
せんめい
)
され、これが原子を構成する模様が明らかになる時が来ても、電子その物は何物ぞという疑問は残るのである。
物質とエネルギー
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
いや、何よりもその人間的な素質の前に真面目であれと云ふ、それこそ氏の
闡明
(
せんめい
)
した、大いなる真理の一つだつた。
あの頃の自分の事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
紛れもなく天狗山人の社会で方式にも教理にも
修験道
(
しゅげんどう
)
の香気が強かったが、あの時代の学者たちは一種の習合をもって自派の神道の
闡明
(
せんめい
)
にこれを利用した。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
全世界の学界に
闡明
(
せんめい
)
せらるることは、御身の令弟カアルの生前いかに大きな望みであったかを知って下さるならば、我らの喜びこれに優るものはありません。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
かように「いき」の内包的構造と外延的構造とを
均
(
ひと
)
しく
闡明
(
せんめい
)
することによって、我々は意識現象としての「いき」の存在を完全に会得することができるのである。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
……それが次に発せられるであろう正木博士のタッタ一言によって、電光の如く
闡明
(
せんめい
)
されはしまいかと思われる……その云い知れぬ恐怖の前の暗黒的な沈黙……静寂……。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
いつかその哲学的意義を
闡明
(
せんめい
)
してみたいというのは、私のひそかに抱いている念願である。
読書遍歴
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
かの伝奇の老大家は歴史の上に
燦爛
(
さんらん
)
たる紫雲を
曳
(
ひ
)
き、この憂愁の達人はその実体を
闡明
(
せんめい
)
す。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
“闡明”の意味
《名詞》
闡 明 (せんめい)
それまでははっきりしていなかった道理や意義を明らかにすること。
《動詞》
道理や意義を明らかにする
(出典:Wiktionary)
闡
漢検1級
部首:⾨
20画
明
常用漢字
小2
部首:⽇
8画
“闡”で始まる語句
闡
闡幽
闡揚