醫師いしや)” の例文
新字:医師
かれとらへられていへ引返ひきかへされたが、女主人をんなあるじ醫師いしやびにられ、ドクトル、アンドレイ、エヒミチはかれ診察しんさつしたのであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
一晩ひとばんのお醫師いしや離座敷はなれざしきのやうなところめられますと、翌朝あけのあさ咽喉のどへもとほりません朝御飯あさごはんみました。もなくでございましたの。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
眞實まこととなし斷りたりしは麁忽そこつ千萬此方はげんに見たるといふ證據あらねば其醫師いしやの云しがそにて大藤のむすめに病の氣も有らぬを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
三月さんぐわつのはじめ、御近所ごきんじよのお醫師いしやまゐつて、つゝましく、しをらしく、たゞあま見榮みばえのせぬをとこうでをあらはにして、神妙しんめう種痘しゆとうませ
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しこと小西屋のよめと爲といふともはづかしからぬ女なりと長三郎は殊更ことさら戀慕こひしたふ心のまさりゆき夫婦は夫とも意附こゝろづか醫師いしやの言たる言葉を信とし縁談えんだんことわり此騷動さうどうに及びたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そして人買ひとかひからはなれましたのは、へんからは、とほいか、かたちえません、たかやますそにある、田舍ゐなかのお醫師いしやいへでございました。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
致して候ひしが其醫師いしやこそは小西屋の小僧和吉が見知をれば御呼出に相成ば即座にわかり申す可しと云うに忠相ぬし此方に向かひ長左衞門代忠兵衞其の和吉といふ召仕は只今にても宅にをるか。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わたし一層いつそ藥研やげん生肝いきぎもをおろされようとも、お醫師いしや母屋おもやはうまうかとおもひました。和尚をしやう可厭いやらしさに。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
よくあるならひで——醫師いしやぬかり、看護婦かんごふ不深切ふしんせつなんでも病院びやうゐん越度をちどおもつて、それ口惜くやしさに、ものぐるはしくおほきたてものを呪詛のろつてるんだらう。……
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
午飯おひるに、けんちんをべていた。——なつことだし、先生せんせい令夫人れいふじん心配しんぱいをなすつて、お實家方さとかたがお醫師いしやだから、玉章ふみいたゞいて出向でむくと、診察しんさつして、打傾うちかたむいて、また一封いつぷう返信へんしよさづけられた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)