適當てきとう)” の例文
新字:適当
こんなうたになると、自由じゆううかれるような調子ちようしが、ぴったりともりを鯨船くぢらぶねのすばやい動作どうさあらはすに適當てきとうしてゐるではありませんか。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
わがくにごと地震國ぢしんこくおいては、地震ぢしん出會であつたときの適當てきとう心得こゝろえ絶對ぜつたい必要ひつようなるにもかゝらず、從來じゆうらいかようなものがけてゐた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
日本につぽんでも新石器時代しんせつきじだいむのに適當てきとう洞穴ほらあなのあるところでは、やはりそのなか住居じゆうきよしたことがないではありません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
なほこのたい氣候きこう温和おんわひと居住きよじゆうにも適當てきとうし、また高山こうざん中腹ちゆうふく以下いかなのですから、土地とちはやくからひら人口じんこうおほく、物産ぶつさんるのも、ほかのたいよりずつと多量たりようです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
去れば適當てきとうの原料と製造所せいぞうしよ及び製造器具を手近に有する者は必要ひつやうの品をつくるの序、余分の品をも造りことる可く、これはんして以上の便宜無き者は、必要のしなさへも造ることあたはざる事有らん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
わがくにおい此現象このげんしようだかつて大規模だいきぼおこしたことのないのは、たん此現象このげんしようおこすに適當てきとう構造こうぞう場所ばしよ存在そんざいしないのにるものであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
これは世間せけん評判ひようばんと、ほんとうのもののねうちとは、たいていの場合ばあひ一致いつちしてゐないそのもっとも適當てきとうれいであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
これが次第しだいすゝんでますと使用しようみちべつになり、それ/″\適當てきとうかたちになつて石槍いしやりとか石劍いしつるぎとか、あるひは石庖丁いしほうちようとかにわかれてくのでありますが、この時代じだいにはまだ
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
樹木じゆもくのこの性質せいしつつておくことは大切たいせつなことで、庭木にはきゑかへるときにも、やまゑつけるときでも、それ/″\の陰樹いんじゆ陽樹ようじゆかによつて、それ/″\適當てきとう土地とちゑることが必要ひつようです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
みぎはなしすゝめるについて必要ひつようなのは津浪つなみ概念がいねんである。津浪つなみ海嘯かいしようなる文字もんじがよくあててあるがこれは適當てきとうでない。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)