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討
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うち
ふりがな文庫
“
討
(
うち
)” の例文
切られた者の話によると、音も立てずに忍び寄つて、恐ろしい手際で
拔
(
ぬ
)
き
討
(
うち
)
に髷節を拂ひ、サツと風の如く飛去るらしいといふのです。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
むかし小野
浅之丞
(
あさのじよう
)
といふ少年があつた。
隣家
(
となり
)
の猫が
度々
(
たび/\
)
大事な
雛
(
ひな
)
つ
児
(
こ
)
を盗むので、ある日
築山
(
つきやま
)
のかげで、吹矢で猫を
狙
(
ねら
)
ひ
討
(
うち
)
にした。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
卑怯なとは汝のことだ。
臂
(
ひじ
)
の
久八
(
きゅうはち
)
その他の身内を
騙
(
だま
)
し
討
(
うち
)
にした覚えがあろう。のみならず、生不動の冷飯食いの分際で、近ごろ侠客風を
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さても
出来
(
でか
)
したり黄金丸、また鷲郎も
天晴
(
あっぱ
)
れなるぞ。その父の
讐
(
あだ
)
を
討
(
うち
)
しといはば、事
私
(
わたくし
)
の意恨にして、深く
褒
(
ほ
)
むるに足らざれど。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
それに連れて二人の助太刀も、同じ門下の兄弟子二人と知れましたが、それにしてもその返り
討
(
うち
)
にした片相手は
何人
(
なにびと
)
であろう。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
新町河原
(
しんまちがわら
)
の
傍
(
わき
)
で
欺
(
だま
)
し
討
(
うち
)
に渡邊様の子を殺して逃げたというんだが、大騒ぎよ、八州が八方へ手配りをしたが、
山越
(
やまごし
)
をして甲府へ
入
(
へい
)
ったという噂で
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それを見ていた岡田弥市は何と思ったか、太刀を振りかぶってちょうど島田虎之助の
背後
(
うしろ
)
へ廻り、やッと
拝
(
おが
)
み
討
(
うち
)
。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
茲
(
こゝ
)
に
江戸
(
えど
)
新吉原町
(
しんよしはらまち
)
松葉屋半左衞門
(
まつばやはんざゑもん
)
抱
(
かゝへ
)
の
遊女
(
いうぢよ
)
瀬川
(
せがは
)
夫
(
をつと
)
の
敵
(
かたき
)
を
討
(
うち
)
しより大岡殿の
裁許
(
さいきよ
)
となり父の
讐迄
(
あだまで
)
討
(
うち
)
孝貞
(
かうてい
)
の名を
顯
(
あらは
)
す
而已
(
のみ
)
か
遊女
(
いうぢよ
)
の
鑑
(
かゞみ
)
と
稱
(
たゝへ
)
られ
夫
(
それ
)
が
爲
(
ため
)
花街
(
くるわ
)
も
繁昌
(
はんじやう
)
せし由來を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「妹の仇敵を、兄が討てるか。仇敵
討
(
うち
)
の法に、
目下
(
めした
)
の仇敵を討つことは、禁じてあるぞ」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
わが国古来のいわゆる「かたき
討
(
うち
)
」とか、「
仇討
(
あだうち
)
」とかいうものは、勿論それが
復讎
(
ふくしゅう
)
を意味するのではあるが、単に復讎の目的を達しただけでは、かたき討とも仇討とも認められない。
かたき討雑感
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
こういう場合には、その以前から領主等が用いた策は、常に
騙
(
だま
)
し
討
(
うち
)
であった。
家の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「これで
門出
(
かどで
)
の
杯
(
さかずき
)
はすんだ、出かけよう、油断して
痴漢
(
しれもの
)
を
討
(
うち
)
もらすな」
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
まるでだまし
討
(
うち
)
のように浮かんできたのだ。
秘密
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
切られた者の話によると、足音も立てずに忍び寄って、恐ろしい手際で
抜
(
ぬ
)
き
討
(
うち
)
に髷節を払い、サッと風の如く飛去るらしいというのです。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
やい、臂の久八、荒神の十左、その他の
駄武士
(
ださんぴん
)
もよっく聞け。よくも
汝等
(
うぬら
)
は、生不動を
欺
(
だま
)
し
討
(
うち
)
にして縄張を
奪
(
と
)
りゃあがったな。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
間違えば間違うもので御座いまする……何でもその友川という若いお武家が、返り
討
(
うち
)
に会うた会うた。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
掛
(
かけ
)
漸
(
やうや
)
く敵を
討
(
うち
)
て候と申立しかば大岡殿
不審
(
ふしん
)
に思はれ其方敵の
面體
(
めんてい
)
豫
(
かね
)
て
見覺
(
みおぼ
)
え居たるや
覺束
(
おぼつか
)
なしと有しに
瀬川
(
せがは
)
其事
(
そのこと
)
は上方の
客
(
きやく
)
三人半左衞門へ金四百兩
預
(
あづ
)
け候とて
證文
(
しようもん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「魔者を
討
(
うち
)
もらしたか、あれは、お前さん達の手にはちょと合わないよ、眼に見えない
電光
(
いなずま
)
が
閃
(
ひらめ
)
いて、二人は殺されてしまったな、かあいそうに、だが、銀色の眼のきろきろ光る
蟇
(
がま
)
は見たろうな」
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
見て汝は何者なるや
我
(
われ
)
今宵
(
こよひ
)
此質屋へ忍び入り思ひの
儘
(
まゝ
)
に
盜
(
ぬす
)
まんと
今
(
いま
)
引窓
(
ひきまど
)
より
這入
(
はひり
)
たるに屋根にて
足音
(
あしおと
)
する故
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
ひ
出來
(
いできた
)
りたり汝聲を立てなば一
討
(
うち
)
と
氷
(
こほり
)
の如き
刄
(
やいば
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
討
(
う
)
ち兼ねたよ。見事に
返
(
かへ
)
り
討
(
うち
)
さ、武家は苦手だ。町方の岡つ引なんか手を出すものぢやねえ」
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
騙
(
だま
)
し
討
(
うち
)
に?
御鷹
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
間違ひにしろ氣狂ひにしろ、兎も角、罪の無い仲間を一人、
騙
(
だま
)
し
討
(
うち
)
同樣に殺したんでせう。
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
討
常用漢字
小6
部首:⾔
10画
“討”を含む語句
仇討
討取
敵討
讐討
追討
討死
討手
暗討
夜討
討合
討殺
同志討
討入
返討
手討
闇討
女敵討
討伐
相討
討平
...