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葉先
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はさき
足音も
立つたのに、
子供だらう、
恐れ
氣もなく、
葉先へ
浮だし、くちばしを、ちよんと
黒く、
顏をだして、ちよ、ちよツ、とやる。
そのとき、
二人の
目には、
水の
清らかな、
草の
葉先がぬれて
光る、しんとした、
涼しい
風の
吹く
川面の
景色がありありとうかんだのであります。
洪水の
去つた
後は、
丁度過激な
精神の
疲勞から
俄に
老衰した
者の
如く、
半死の
状態を
呈した
草木は
皆白髮に
變じて
其の
力ない
葉先を
秋風に
吹き
靡かされた。
片頬に
觸れた
柳の
葉先を、お
品は
其艶やかに
黒い
前齒で
銜へて、
扱くやうにして
引斷つた。
青い
葉を、カチ/\と
二ツばかり
噛むで
手に
取つて、
掌に
載せて
見た。
雲のない
空に、
日が
輝いて、
草の
葉先がちかちかと
光っています。
彼は、すぐ
川のところへ
出ました。
そつけない
杉の
木までが
何處から
枝であるやら
明瞭とは
區別もつかぬ
樣な
然も
燒けたかと
思ふ
程赤く
成つて
居る
葉先にざらりと
蕾が
附いてこつそりと
咲いて
畢つた。
風が
吹くと、
草の
葉先が
光って、
止まっているキチキチばったが
驚いて、
飛行機のように、
飛び
立ち、こちらのくさむらから、あちらのくさむらへと
姿を
隠したのでした。