禮拜らいはい)” の例文
新字:礼拝
一人ひとりわかそうちながら、むらさき袱紗ふくさいて、なかからした書物しよもつを、うや/\しく卓上たくじやうところた。またその禮拜らいはいして退しりぞくさまた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
だん池谷いけのやしんらう骰子サイツ頭上づじやうにかざして禮拜らいはいする。ぼくなど麻雀マージヤンはしばしば細君さいくん口喧嘩くちけんくわ種子たねになるが、これが臨戰前りんせんまへだときつと八わるい。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
一の峰を成す、この峰カートリアと呼ばれ、これが下にはたゞ禮拜らいはいの爲に用ゐる習なりし一のいほりきよめらる。 一〇九—一一一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
木挽こびき與吉よきちは、あさからばんまで、おなじことをしていてる、だまつて大鋸おほのこぎりもつ巨材きよざいもとひざまづいて、そしてあふいで禮拜らいはいするごとく、うへからきおろし、きおろす。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わが求めて來た女の型をしてゐるのを戀ひて、その女を活きた女のやうに毎日見に行つてゐたが、或夕方、同じこの畫の前に禮拜らいはいして、最早薄暗くなつた圓柱の蔭に下りて行く一人の女の
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
かくてたふれぬ、禮拜らいはいの事了りて。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
またいと深き恩惠めぐみわが上に輝きたれば、我そのまはりの村里むらざとをして、世界を惑はしゝ不淨の禮拜らいはいのがれしむ 四三—四五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それわしごふふかくてさとれないのだとつて、毎朝まいてうかはやむかつて禮拜らいはいされたくらゐでありましたが、のちにはあのやうな知識ちしきになられました。これなどもつとれいです
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これより旬日じゆんじつまへまでは、前田まへだ加賀守かがのかみ治脩公ちしうこう毎朝まいてうかゝすことなくあさひ禮拜らいはいなしたまふに、たゞ寂寞せきばくたるはかしたに、金城きんじやう蒼生たみみなねむりて、彌望びばう極顧きよくこ活色くわつしよくなく、したちか鍛冶屋かぢやにて
鉄槌の音 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
寂寞じやくまく大海だいかい禮拜らいはいして
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
ミサ禮拜らいはいなかばに達し
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)