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破廉恥
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はれんち
ふりがな文庫
“
破廉恥
(
はれんち
)” の例文
ましてや、
梅雪入道
(
ばいせつにゅうどう
)
は、
武田家譜代
(
たけだけふだい
)
の
臣
(
しん
)
であるのみならず、
勝頼
(
かつより
)
とは
従弟
(
いとこ
)
の
縁
(
えん
)
さえある。その
破廉恥
(
はれんち
)
は小山田以上といわねばならぬ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
拘引理由は「合衆国が条約関係を結んでいない国土に対する不法にして
破廉恥
(
はれんち
)
なる遠征ならびに暴行の
廉
(
かど
)
により」というのだった。
撥陵遠征隊
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
「わたしはあなたが……
破廉恥
(
はれんち
)
な人だってことは知っていますけれど、少しも恐れてなんかいませんわ。どうぞ先へいらしてください」
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
しかも、忽ち、父の選んでくれた私の妻の
破廉恥
(
はれんち
)
な行爲は、父にとつてもあの女を嫁と呼ぶのを恥ぢるやうなものだつたのです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
日本では何百年かにわたって、裸体を無作法とは思わないのであるが、我々はそれを
破廉恥
(
はれんち
)
なこととみなすように育てられて来たのである。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
▼ もっと見る
相も変らず酔いどれて、女房に焼きもちを焼いて、
破廉恥
(
はれんち
)
の口争いをしたりして、まるで地獄だ。しかし、これもまた僕の現実。ああ、眠い。
春の枯葉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ばかめ
破廉恥
(
はれんち
)
め、そんな事ができるか、ああいやだ、けれどおとよさんはどこまでも悪い人ではない、憎い女ではない、憎いどころではない
隣の嫁
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
俺は鏡の中の
醜
(
みにく
)
く歪んだ自分の顔を睨んだ。ひどく
破廉恥
(
はれんち
)
なことがしてみたいという砂馬に俺は賛成して、破廉恥なことをするためにここへ来たのだ。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
「あの怪人めが屍体にたかって、また
破廉恥
(
はれんち
)
なことをやっているのだな。よオし、どうするか、いまに見ていろ!」
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そもそも内行の不取締は法律上における
破廉恥
(
はれんち
)
などとは趣を
異
(
こと
)
にして、直ちに
咎
(
とが
)
むべき性質のものにあらず。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
捉
(
とら
)
へてくれう。……やい、モンタギューめ、
破廉恥
(
はれんち
)
な
所行
(
しょぎゃう
)
を
止
(
や
)
めい。
怨
(
うらみ
)
を
死骸
(
むくろ
)
にまで
及
(
およ
)
ぼさうとは、
墮地獄
(
だぢごく
)
の
人非人
(
にんぴにん
)
め、
引立
(
ひきた
)
つる、
尋常
(
じんじゃう
)
に
從
(
つ
)
いて
來
(
こ
)
い。
生
(
い
)
けてはおかぬぞ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
婦女を
誘拐
(
ゆうかい
)
した愚劣漢であると同時に、二重結婚までした
破廉恥
(
はれんち
)
極まる人非人……。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
破廉恥
(
はれんち
)
の
所為
(
しょい
)
を
敢
(
あ
)
えてするに至りしを思い、かかる私欲の
充
(
み
)
ちたる人にして、
如何
(
いか
)
で大事を成し得んと大いに反省する所あり、さてこそ長崎において永別の書をば葉石に贈りしなれ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
己はむしろ、時にはあの女に憎しみさえも感じている。殊に万事が
完
(
おわ
)
ってから、泣き伏しているあの女を、無理に抱き起した時などは、袈裟は
破廉恥
(
はれんち
)
の己よりも、より破廉恥な女に見えた。
袈裟と盛遠
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
幹太郎は、その時、親爺の
破廉恥
(
はれんち
)
さ加減に、暫らく唖然とした。二人の兄弟だけになら、まだ我慢が出来た。ところが、親爺は貰って四月しか経たないトシ子にも、平気の皮で云いつけた。
武装せる市街
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
「
破廉恥
(
はれんち
)
な事をしたのではない。俺は何の罪を犯したと云うのではない。」
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
どうだ、衆目の見る処、貴様は国体のいかんを解さない非義、劣等、
怯奴
(
きょうど
)
である、国賊である、
破廉恥
(
はれんち
)
、無気力の人外である。
皆
(
みんな
)
が貴様をもって日本人たる資格の無いものと断定したが、どうだ。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
談話は
真面目
(
まじめ
)
にかつ烈しかった。父親はその
破廉恥
(
はれんち
)
を
敢
(
あえ
)
て正面から責めはしないが、おりおり
苦
(
にが
)
い皮肉をその言葉の中に交えた。初めは時雄が口を切ったが、中頃から
重
(
おも
)
に父親と田中とが語った。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
昨日
(
きのう
)
まではともかく紳士として通っていた私の醜悪極まる正体はこれによって今日完全に暴露されるのだ。しかしこの暴露に
先
(
さきだ
)
って私は私の
破廉恥
(
はれんち
)
極まる存在を宇宙間に無くしておかねばならない。
秘密
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
「いくら
破廉恥
(
はれんち
)
でも淫売婦の
逢
(
あ
)
い
曳
(
びき
)
じゃないのよ。」
女百貨店
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
「何?
破廉恥
(
はれんち
)
漢、泥酔漢!」
あめんちあ
(新字新仮名)
/
富ノ沢麟太郎
(著)
破廉恥
(
はれんち
)
の
市井
(
しせい
)
売文の
徒
(
ともがら
)
、あさましとも、はずかしとも、ひとりでは大家のような気で居れど、誰も大家と見ぬぞ悲しき。
あさましきもの
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
砂馬のあの悪遊びだって、旧道徳の眼からすれば、
破廉恥
(
はれんち
)
極まるものかもしれないが、あれを俺は、旧道徳にくみして、
指弾
(
しだん
)
することはできないのだ。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
偽
(
にせ
)
小次郎となってうろついていた頃の自分の姿が——今になると、浅ましくもあり、何たる
懶惰
(
らんだ
)
な、
破廉恥
(
はれんち
)
なと、身ぶるいが出るほど
苦
(
にが
)
く思い出された。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただその心中に
謂
(
おもえ
)
らく、内行の不取締、醜といわるれば醜なれども、
詐偽
(
さぎ
)
・
破廉恥
(
はれんち
)
にはあらず、また我が一身の有様は
自
(
おの
)
ずから人に語るべからざる都合もあることなるに
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
小人
(
こびと
)
の智慧と巨人の性癖とを彼女は持つてゐたことか! その性癖が私の上にかけた呪ひは何といふ恐ろしいものだつたか!
破廉恥
(
はれんち
)
の母親の本當の娘、バァサ・メイスンは
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
わたしは最近そのことをある立派な人から聞いたので、その人に身を任せ、一緒に共産団を組織することにしました。あなたをだますのは
破廉恥
(
はれんち
)
なことと思いますから、率直に申します。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
(こういう
破廉恥
(
はれんち
)
な人間は、腹いっぱい慾を満たさせ、
生命
(
いのち
)
の保証さえしておいてやれば、どんな忍耐もして
従
(
つ
)
いている)ことを充分に
観
(
み
)
ぬいて飼っていたのである。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
破廉恥
(
はれんち
)
であると思った。不倫でさえあると考えた。行こうか行くまいか、さんざ迷った。行くことにきめた。約束を平気で破れるほど、そんなに強い男爵ではなかった。
花燭
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
恥知らずになるために、みずからをそうして鍛錬しているかのようだった。
破廉恥
(
はれんち
)
をみずからのうちに養成するために、そうして醜態をさらけ出しているかのようだった。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
随分
(
ずいぶん
)
家風の悪くない家に生れて、幼少の時から心正しき母に育てられて、
苟
(
いやしく
)
も人に
交
(
まじわっ
)
て
貪
(
むさぼ
)
ることはしないと説を立てゝ居る者が、何故に藩庁に対してばかり
斯
(
か
)
くまでに
破廉恥
(
はれんち
)
なりしや
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「不義、
破廉恥
(
はれんち
)
、云いようもなき
人非人
(
ひとでなし
)
の袁紹、いずこにあるぞ。——恥を知らば
出
(
い
)
でよ」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうして帰りに、
破廉恥
(
はれんち
)
な事を僕に
囁
(
ささや
)
いた。僕が笑ってお断り申したら、扇之介の
曰
(
いわ
)
く
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「なんでも、大衆大衆と、庶民の低いほうへばかり
媚
(
こ
)
びている俗教だからな。——しかし、法然はとにかく、綽空のような、いやしくも
北嶺
(
ほくれい
)
の駿足といわれた者が、なんたる
破廉恥
(
はれんち
)
か」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
霊魂を毛唐に売り渡す
破廉恥
(
はれんち
)
至極の所業であるとされて、社会のはげしい
侮蔑
(
ぶべつ
)
と排斥を受けなければならなかったが、自分たちは、てんで気にせず、平然とその悪魔の
洞穴
(
どうけつ
)
探検を続けた。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
あいつのは、幕府を売り、父を殺し、知己親戚を
穽
(
おと
)
し入れ、罪
八
(
や
)
ツ
裂
(
ざ
)
きにも
値
(
あたい
)
する。貴様の
破廉恥
(
はれんち
)
とは、同じ武士道
外
(
はず
)
れでも、けたが違う。幕臣として俺はあの異端者を斬りに来たのだ。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私も若干
馬齢
(
ばれい
)
を加えるに及び、そのような風変りの位置が、一個の男児としてどのように不面目、
破廉恥
(
はれんち
)
なものであるかに気づいていたたまらなくなりまして、「こぞの道徳いまいずこ」という題の
男女同権
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ころされる日を待ち切れず、われからすすんで命を断とうと企てた。衰亡のクラスにふさわしき
破廉恥
(
はれんち
)
、
頽廃
(
たいはい
)
の法をえらんだ。ひとりでも多くのものに審判させ嘲笑させ
悪罵
(
あくば
)
させたい心からであった。
狂言の神
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「……さもなくてさえ、土豪という家門のかなしさには、蜂須賀一族もまた、野盗の野武士ずれや、
破廉恥
(
はれんち
)
な浮浪人どもと同視されて、この小六正勝の耳にすら——あれは野武士の頭目と——世上の声が、まま聞えてくる折も折」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
破
常用漢字
小5
部首:⽯
10画
廉
常用漢字
中学
部首:⼴
13画
恥
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
“破廉恥”で始まる語句
破廉恥漢
破廉恥罪
破廉恥脳