痛快つうくわい)” の例文
かれまた野茨のいばらかぶうつつて、其處そこしげつた茅萱ちがやいてほのほが一でうはしらてると、喜悦よろこび驚愕おどろきとの錯雜さくざつしたこゑはなつて痛快つうくわいさけびながら
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
早い話が阿父おやぢのやうな壓制君主あつせいくんしゆまでも、此處だけは治外法權ぢぐわいはふけんとして、何等の侵略しんりやくくはへ得ない奴さ。痛快つうくわいだ。いや、出まい。蟹も穴籠をしてゐた方が安全だからな。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
翌日よくじつ鴨川かもがはとか、千倉ちくらとか、停車場前ていしやぢやうまへのカフエーへ退身たいしん、いや、榮轉えいてんしたさうである。むし痛快つうくわいである。東京とうきやううちなら、郡部ぐんぶでも、わたしたづねてつて、まうとおもふ。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さとり遲速ちそくまつたひと性質たちで、それだけでは優劣いうれつにはなりません。やすくてもあとつかへてうごかないひともありますし、またはじながかつても、いよ/\場合ばあひ非常ひじやう痛快つうくわい出來できるのもあります。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
今度こんだこさあ、捕縛つかまつちや一杯いつぺえらあんだんべ」畑同士はたけどうし痛快つうくわいかんじつゝ口々くち/″\ういふことをいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
痛快つうくわいだ! ……よろしい、おにちまひなさい、と景気けいひをつけて、ふとつたやつを、こんがりと南京なんきん中皿ちうざら装込もりこむだのを、わたしをつけて、大事だいじむしつて、はしふくめたんですが
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それだから彼等かれら蹉跌つまづきるとそのひがんだこゝろうちひそか痛快つうくわいかんぜざるをないのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)