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珊瑚珠
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さんごじゅ
ふりがな文庫
“
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)” の例文
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
は沢山輸入されて居るが日本のように
無瑕
(
むきず
)
の物は少なく虫の
喰
(
く
)
ったような物が多い。それでもチベット人は好んで付けます。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
まだ一度も過ちを犯さなかったという
訣
(
わけ
)
ではない。もう今では二年ばかり前、
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
などを売る商人の
手代
(
てだい
)
と僕等を
欺
(
あざむ
)
いていたこともある。
第四の夫から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
木綿縞
(
もめんじま
)
にジミな帯もいつに変らず、
装
(
よそお
)
いもなく巻いた髪には、一粒の
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
だけが
紅
(
あか
)
かったけれど、わずかなうちに、
削
(
けず
)
ったような
痩
(
やせ
)
がみえる。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その席へ
幇間
(
ほうかん
)
が一人やって来て言うことには、ただいま
拙
(
せつ
)
は、途中で結構なお煙草入の落ちていたのを見て参りました、
金唐革
(
きんからかわ
)
で
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
の
緒〆
(
おじめ
)
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それは、山中の樹の下に生える一種のひょろひょろした樹で小さな
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
みたいな
紅
(
あか
)
い実がなる、普通みな「老弗大」と呼んでいるものだ、と教えてくれた。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
握飯
(
にぎりめし
)
ほどな
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
に
鉄火箸
(
かなひばし
)
ほどな
黄金脚
(
きんあし
)
すげてさゝしてやりたいものを
神通
(
じんつう
)
なき身の是非もなし、家財
売
(
うっ
)
て
退
(
の
)
けて懐中にはまだ三百両
余
(
よ
)
あれど
是
(
これ
)
は
我身
(
わがみ
)
を
立
(
たつ
)
る
基
(
もと
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
大番頭夫人は、小さな
丸髷
(
まるまげ
)
とはつりあわない、四分玉の
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
の金脚で、髷の根を
掻
(
か
)
きながらいった。
旧聞日本橋:24 鬼眼鏡と鉄屑ぶとり(続旧聞日本橋・その三)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
いずれは
堆朱
(
ついしゅ
)
か、
螺鈿
(
らでん
)
細工のご名品にちがいないが、それに
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
の根付けかなんかご景物になっていたひにゃ、七つ屋へ
入牢
(
にゅうろう
)
させても二十金どころはたしかですぜ。
右門捕物帖:20 千柿の鍔
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
物馴れない純一にも、
銀杏返
(
いちょうがえ
)
しに
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
の
根掛
(
ねがけ
)
をした女が芸者だろうということだけは分かった。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
これはちょっと
淋
(
さび
)
しい人通りのまばらな、深川の御船蔵前とか、浅草の本願寺の地内とかいう所へ、小さい
菰座
(
こもざ
)
を拡げて、
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
、
銀簪
(
ぎんかん
)
、
銀煙管
(
ぎんギセル
)
なんかを、一つ二つずつ置いて
江戸か東京か
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
颯
(
さっ
)
と揺れ、
溌
(
ぱっ
)
と散って、星一ツ一ツ鳴るかとばかり、
白銀
(
しろがね
)
黄金
(
こがね
)
、水晶、
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
、
透間
(
すきま
)
もなく
鎧
(
よろ
)
うたるが、月に照添うに露
違
(
たが
)
わず、されば
冥土
(
よみじ
)
の色ならず、真珠の
流
(
ながれ
)
を渡ると覚えて
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お村の
姿
(
なり
)
は南部の藍の
乱竪縞
(
らんたつじま
)
の
座敷着
(
ざしきぎ
)
を
平常着
(
ふだんぎ
)
に
下
(
おろ
)
した
小袖
(
こそで
)
に、
翁格子
(
おきなごうし
)
と
紺繻子
(
こんじゅす
)
の腹合せの帯をしめ、髪は達摩返しに結い、
散斑
(
ばらふ
)
の
櫛
(
くし
)
に
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
五分玉
(
ごぶだま
)
のついた
銀笄
(
ぎんかん
)
を
挿
(
さ
)
し、
前垂
(
まえだれ
)
がけで
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
湯治場へ
貽
(
おく
)
ってくれた大阪の嫂に
土産
(
みやげ
)
にするつもりで、九州にいるその嫂の叔母から譲り受けて来て、そのまま
鞄
(
かばん
)
の底に
潜
(
ひそ
)
めて来た
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
の入ったサックを、机の
抽斗
(
ひきだし
)
から出してお銀にやった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
山にあった三吉の家から根分をして持って来た谷の百合には赤い
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
のような実が下っていた。こうして、花なぞを植えて、旧い家を夢みながら、未だお種は帰らない夫を待っているのであった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それからその
真珠
(
しんじゅ
)
の紐の真中には大真珠あるいは
瑜
(
ゆ
)
(緑玉)を入れて飾りにしてある。で頭の頂には高価な
瑜
(
ゆ
)
、
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
、真珠等で飾られてある。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
たった一粒身に着いていた
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
も、小間物屋に見せれば、それは
練玉
(
ねりだま
)
という
紛
(
まが
)
い物だと分って、お金にはならず、腹が立つやら悲しいやらで涙も出ません。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうだ、帯上げもおなじ色だったので、大粒な、
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
の
金簪
(
きんかんざし
)
が眼についたって。
市川九女八
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
これに対する用心も
随
(
したが
)
って存したことで、治世になっても身分のある武士が
印籠
(
いんろう
)
の根付にウニコールを用いたり、
緒締
(
おじめ
)
に
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
を用いた如きも、珊瑚は毒に触るれば割れて警告を与え
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
目の下の
汀
(
みぎわ
)
なる
枯蘆
(
かれあし
)
に、縦横に霜を置いたのが、天心の月に咲いた青い
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
のように見えて、その中から、
瑪瑙
(
めのう
)
の
桟
(
さん
)
に似て、長く水面を
遥
(
はるか
)
に渡るのは別館の長廊下で、棟に欄干を
繞
(
めぐら
)
した月の色と
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今度は
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
の
根懸
(
ねか
)
けが出た。
影
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
また税関のある地方からは
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
、宝石、布類、
羅紗
(
らしゃ
)
、
絹
(
きぬ
)
及び
乾葡萄
(
ほしぶどう
)
、
乾桃
(
ほしもも
)
、
乾棗
(
ほしなつめ
)
類、また地方によっては皮あるいは
宝鹿
(
ほうろく
)
の
血角
(
けっかく
)
を納めるところもある。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
根下
(
ねさが
)
りの丸髷に大きな
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
の
簪
(
かんざし
)
を挿し、
鼈甲
(
べっこう
)
の
櫛
(
くし
)
をさしていた、ことさらに私の眼についているのは、大きくとった前髪のあまりを、ふっさりきって二つにわけ、
前額
(
ひたい
)
の方へさげている。
旧聞日本橋:16 最初の外国保険詐欺
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
珊
漢検準1級
部首:⽟
9画
瑚
漢検準1級
部首:⽟
13画
珠
常用漢字
中学
部首:⽟
10画
“珊瑚珠”で始まる語句
珊瑚珠等