溪流けいりう)” の例文
新字:渓流
うちのか、よそのか、かさなりたゝんだむねがなぞへに、次第低しだいびくに、溪流けいりうきしのぞんで、通廊下かよひらうかが、屋根やねながら、斜違はすかひにゆるのぼり、またきふりる。……
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ぼく溪流けいりう沿ふてこのさびしい往來わうらいあてもなくるいた。ながれくだつてくも二三ちやうのぼれば一ちやう其中そのなかにペンキで塗つたはしがある、其間そのあひだを、如何どん心地こゝちぼくはぶらついたらう。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
一瀬ひとせひくたきさつくだいて、さわやかにちてながるゝ、桂川かつらがは溪流けいりうを、石疊いしだたみいたみづうへせきなかばまで、足駄穿あしだばきわたつてて、貸浴衣かしゆかたしりからげ。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
翌日よくじつあめあさからしよぼ/\とつて陰鬱いんうつきはまる天氣てんき溪流けいりうみづしてザア/\と騷々さう/″\しいこと非常ひじやう晝飯ひるめし宿やどむすめ給仕きふじて、ぼくかほわらふから、ぼくわらはざるをない。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ぼくはおきぬなしをむいて、ぼくひとりいつてる浴室よくしつに、そつともつれたことをおもひ、二人ふたり溪流けいりう沿ふて散歩さんぽしたことをおもひ、そのやさしい言葉ことばおもひ、その無邪氣むじやき態度たいどおもひ、その笑顏ゑがほおも
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
みちはたゞやまばかり、さかあり、たにあり、溪流けいりうあり、ふちあり、たきあり、村落そんらくあり、兒童じどうあり、はやしあり、もりあり、寄宿舍きしゆくしやもん朝早あさはやくれうちくまでのあひだ自分じぶん此等これらかたちいろひかり
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)