波打なみう)” の例文
くもったのことです。太郎たろう海辺うみべにゆきますと、ちょうど波打なみうちぎわのところに、一のややおおきなとりちて、もだえていました。
薬売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
あだかすみいたやうなプラツトホームは、ざあ/\と、さながらみづながれるやうで、がく/\こう/\とかはづこゑが、まちも、やまも、も一斉に波打なみうごとく、ふけの暗中やみ鳴拡なきひろがる。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
波打なみう
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
はまひとたちは、このオルガンのいてから、よるも、うかれ心地ここちになって、波打なみうちぎわをぶらぶらあるくようになりました。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これ禁厭まじなひるのとえます。まどとほしてのやうにひろがります、黒雲くろくもが、じり/\とては、引返ひきかへし、じり/\とては、引返ひきかへし、仙人せんにん波打なみうつやうに、進退かけひきするのがえました。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あるのこと、正雄まさおさんは、ただ一人ひとりうみほうからいてくるすずしいかぜかれながら波打なみうちぎわを、あちらこちらと小石こいしかいがらをつけながらあるいて
海の少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼女かのじょは、あたかも、なよなよとくさかぜにもまれるように、やわらかにからだ波打なみうたせておどりました。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ねえさまは、いいこえでうたいながら、露子つゆこをとっておあるきになりますと、露子つゆこも、きれいなすなんで波打なみうちぎわをあるきました。なみは、かわいらしいこえをたててわらった。
赤い船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど、おかしたは、むぎばたけでした。ふさふさしたが、かぜのために、波打なみうっていました。
戦争はぼくをおとなにした (新字新仮名) / 小川未明(著)
おんなは、途方とほうれて、波打なみうちぎわにったままいていました。そのとき、そらいろは、しだいにうすれて、やがて、そらも、うみも、まったく、青黒あおぐろくなってしまったのであります。
女の魚売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
砂山すなやましたには、波打なみうちぎわにいわがあって、なみのまにまにぬれて、ひかっていました。
赤い船のお客 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ていると、銀色ぎんいろ小舟こぶねは、波打なみうちぎわにこいできました。が、あか花弁かべんえついたように、はたいろがかがやいて、ちょうどかぜがなかったので、はたは、だらりとれていました。
希望 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある、わたしは、波打なみうちぎわで、せいちゃんとあそんでいました。
たましいは生きている (新字新仮名) / 小川未明(著)