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梓
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あずさ
ふりがな文庫
“
梓
(
あずさ
)” の例文
山小屋
(
ヒュッテ
)
の入口から、アストラカン・クロスの
上衣
(
カーディガン
)
に派手なマフラアを巻きつけた森川氏の末娘の
梓
(
あずさ
)
さんがヒョックリと出てくる。
キャラコさん:02 雪の山小屋
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「取って頂くよ。」と
優
(
おとな
)
しく会釈する、これが神月と呼ばれた客で、名を
梓
(
あずさ
)
という同窓の文学士、いずれも歴々の人物である。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
森林の中で
新醸
(
にいしぼ
)
る玉の水が、上高地を作って、ここが渓流中、色の純美たぐいありともおぼえない、
梓
(
あずさ
)
川の上流になっている。
梓川の上流
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
これによりて従来乱用せられつつある国権を制し
国帑
(
こくど
)
の
濫費
(
らんぴ
)
を防ぐが故にこれを実行し、
梓
(
あずさ
)
君は今日の会計検査官の地位を占めたのである。
東洋学人を懐う
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
わしなんぞも今はまだ、腰に
梓
(
あずさ
)
も張らぬものの、やがてはあの庭先で、
箒木
(
ほうき
)
を取っている
下僕
(
しもべ
)
のように、ヨボヨボしてしまわねばならぬのじゃ
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
そうして、森からは弓材になる
檀
(
まゆみ
)
や
槻
(
つき
)
や
梓
(
あずさ
)
が切り出され、
鹿矢
(
ししや
)
の骨片の矢の根は
征矢
(
そや
)
の
雁股
(
かりまた
)
になった
矢鏃
(
やじり
)
ととり変えられた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
それからずっと後は、この辺の御領主だった
京極家
(
きょうごくけ
)
に仕えましたが、いつの頃からか浪人して、
梓
(
あずさ
)
の
関
(
せき
)
の近所に住み、郷士になってしまいました
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「すがの荒野」を地名とすると、
和名鈔
(
わみょうしょう
)
の筑摩郡
苧賀
(
ソガ
)
郷で、
梓
(
あずさ
)
川と
楢井
(
ならい
)
川との間の
曠野
(
こうや
)
だとする説(地名辞書)が有力だが、他にも説があって一定しない。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
女は五十以上であるらしく、片手に小さい風呂敷包みと
梓
(
あずさ
)
の弓を持ち、片手に
市女笠
(
いちめがさ
)
を持っているのを見て、それが
市子
(
いちこ
)
であることを半七らはすぐに覚った。
半七捕物帳:58 菊人形の昔
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
信州の
梓
(
あずさ
)
川は、岩魚の釣り場としてあまりにも有名である。それだけに四、五年前に比べると、魚の数は減った。奥飛騨の高原川の上流は笠ヶ岳近くで蒲田川となる。
雪代山女魚
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
姉川は、琵琶湖の東北、近江の北境に在る
金糞
(
かねくそ
)
岳に発した
梓
(
あずさ
)
川が伊吹山の西に至って西に折れて流るる辺りを姉川と称する。
尚
(
なお
)
西流して長浜の北で湖水へ入っている。
姉川合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そうして吉川十兵衛、
梓
(
あずさ
)
久也、田上安之助らのほか、二十余人の同志を集め、
上方
(
かみがた
)
と連絡をとって、全藩の意見を
纒
(
まと
)
めるために、手分けをして裏面工作をやっていたのです。
失蝶記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
梓
(
あずさ
)
川の右岸に沿い、数丁登って
河童橋
(
かっぱばし
)
を渡り、
坦道
(
たんどう
)
を一里ばかり行くと、
徳合
(
とくごう
)
の小屋、左に折れ川を越えて、少々下れば、穂高仙人、嘉門次の住居、
方
(
ほう
)
二
間
(
けん
)
余、屋根・四壁等皆板張り
穂高岳槍ヶ岳縦走記
(新字新仮名)
/
鵜殿正雄
(著)
見えるものは、
明神
(
みょうじん
)
岳の裾と、それに続く
梓
(
あずさ
)
川の白い河床、白っぽい川柳の木立。
可愛い山
(新字新仮名)
/
石川欣一
(著)
梓
(
あずさ
)
の神、うからやからの諸精霊、弓と
箭
(
や
)
とのつがいの親、一郎どのより三郎どの、人もかわれ、水もかわれ、かわらぬものは五尺の弓、一打うてば寺々の仏壇に響くめり、穴とうとしや
釘抜藤吉捕物覚書:06 巷説蒲鉾供養
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
極
(
ご
)
く
約
(
つづ
)
めて言えば、楸はわが国のあずさかきささげかという疑いである。牧野さんはいう。普通あかめがしわを
梓
(
あずさ
)
に当てているが、昔わが国で弓を作った木は、今でも
秩父
(
ちちぶ
)
であずさと称している。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
見ると、
文
(
ふみ
)
を
挿
(
はさ
)
んだ
梓
(
あずさ
)
の木を手にした
文使
(
ふづか
)
いである。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
隈公
嘗
(
かつ
)
て
梓
(
あずさ
)
に語て
曰
(
い
)
えるあり。
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
梓
(
あずさ
)
の弓のように立つにしても
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
これよりさき帝国大学に在学しておった高田、天野諸氏は、当時
橋場
(
はしば
)
に
住
(
すま
)
った
梓
(
あずさ
)
君を休日に訪問し、我が国の時事を談論することを常としていた。
東洋学人を懐う
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
槇子
(
まきこ
)
と
麻耶子
(
まやこ
)
。
梓
(
あずさ
)
さんをはじめ五人のやんちゃなお嬢さんたち。秋作氏。
久世
(
くぜ
)
氏。
保羅
(
ぽうる
)
さんに
礼奴
(
れいぬ
)
さん。四人の科学者たち。それから、まだ続々。
キャラコさん:11 新しき出発
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
弭
(
つのゆみ
)
——または
李満弓
(
りまんきゅう
)
ともいう半弓型のものである。けれど
梓
(
あずさ
)
に薄板金を貼り、
漆巻
(
うるしまき
)
で
緊
(
し
)
めてあるので、
弓勢
(
ゆんぜい
)
の強いことは、強弓とよぶ物以上である。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秦
(
しん
)
の時、
武都
(
ぶと
)
の故道に
怒特
(
どとく
)
の
祠
(
やしろ
)
というのがあって、その祠のほとりに大きい
梓
(
あずさ
)
の樹が立っていた。
中国怪奇小説集:03 捜神記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
先ず
兵士
(
つわもの
)
たちは周囲の森から野牛の群れを狩り集めることを命ぜられると、次に数千の投げ槍と
楯
(
たて
)
と矢とを造るかたわら、弓材となる
梓
(
あずさ
)
や
檀
(
まゆみ
)
を
弓矯
(
ゆみため
)
に
懸
(
か
)
けねばならなかった。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
古女房の老
巫女
(
いちこ
)
に、しおしおと、青くなって次第を話して、……その筋へなのって出るのに、すぐに
梁
(
はり
)
へ掛けたそうに
褌
(
ふんどし
)
をしめなおすと、
梓
(
あずさ
)
の弓を看板に掛けて家業にはしないで
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さとの
常盤
(
ときわ
)
家には父母と兄や姉たちがいる。わたくしは常盤家の末娘として育って来たが、実の子ではなかった。本当の父は杉守
梓
(
あずさ
)
といい、
萩原
(
はぎわら
)
宗固派の国学をまなんで、藩校の教官をしていた。
やぶからし
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
我が国の立憲政治は
梓
(
あずさ
)
君等の力、大いに
与
(
あずか
)
って今日あるに至ったのであるが、しかし我が憲政の現状は決して完全なりとはどうしても思われない。
東洋学人を懐う
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
年ももう八十を越えた三河武士であったが、竹千代が岡崎
逗留
(
とうりゅう
)
中の
一夜
(
あるよ
)
、そっと、
梓
(
あずさ
)
の腰を運んで目通りを乞い、そして幼君へ向って
沁々
(
しみじみ
)
というには。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
レエヌさんと
保羅
(
ぽうる
)
さん。……碧い池の水にあぶなく呑まれかかった
梓
(
あずさ
)
さん。
キャラコさん:11 新しき出発
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
(
梓
(
あずさ
)
の弓を取り出す。)
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“梓”の解説
梓(あずさ、し)は、樹種の名である。
漢字本来の中国での意味と、日本での国訓「あずさ」の2つの意味があり、さらにそれぞれの名をどの樹種に同定するかについて諸説がある。
(出典:Wikipedia)
梓
漢検準1級
部首:⽊
11画
“梓”を含む語句
梓川
梓弓
上梓
梓行
玉梓
梓神子
梓巫女
小野梓
梓巫
梓繁
梓潼山
鏤梓
重梓本
発梓
橋梓
梓越
梓潼郡
梓滝郡
梓氏
梓弓之
...