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こと
で、
私が
斷わると、
蔭へ
廻つて
妻に、
兄さんはあれだから
大きな
仕事が
出來つこないつて、
威張つてゐるんです。
仕樣がない
引寄見れば
是は
如何に市之丞が持來りし廿五兩の
金子包の
儘火入の
脇に有ければ文右衞門は女房お政を
呼び此金子は
何如致したるやあれ
程に
斷わりたるを
糸子さまには
最はや
定まる
人おはすなりそれ
故のお
斷はりぞと
莞爾と
笑めば、
家從は
少し
身を
進ませて、
始めて
承はりたり
何方への
御縁組にや
苦しからずは
仰せきけられたしと
雪三の
面キツと
見れば
此縁談は
安之助が
學校を
卒業すると
間もなく
起つたもので、
小六が
房州から
歸つて、
叔母に
學資の
供給を
斷わられる
時分には、もう
大分話が
進んでゐたのである。
屹度斷わりたりと云ふに吉兵衞
委細承知し然らば御
言葉に
隨ひ
御免蒙るべしとて次の間へ
到り押入を
叔母さんに
正式に
斷わられながら、
又君に
依頼するのは
可笑しい
樣だが、
君の
方が
叔母さんより
話が
分るだらうと
思つて
來たと
云つて、
中々動きさうもなかつたさうである。
忘れず今我等
斯困窮零落せしを
察し廿五兩の金子を
工面して持來りしは天晴
頼母敷志ざしとは云へ共
曩に某し一
旦惠みし金子を今さら
請取ては我等が一分立ず是に依て
堅く
斷わりを