こと)” の例文
新字:
で、わたくしことわると、かげまはつてさいに、にいさんはあれだからおほきな仕事しごと出來できつこないつて、威張ゐばつてゐるんです。仕樣しやうがない
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
引寄ひきよせれば如何いかに市之丞が持來りし廿五兩の金子きんすつゝみまゝ火入ひいれわきに有ければ文右衞門は女房お政をび此金子は何如いかゞいたしたるやあれほどことわりたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
糸子いとこさまにははやさだまるひとおはすなりそれゆゑのおことはりぞと莞爾につこめば、家從かじゆうすこすゝませて、はじめてうけたまはりたり何方いづかたへの御縁組ごえんぐみにやくるしからずはおほせきけられたしと雪三せつざうおもてキツとれば
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この縁談えんだん安之助やすのすけ學校がくかう卒業そつげふするともなくおこつたもので、小六ころく房州ばうしうからかへつて、叔母をば學資がくし供給きようきふことわられる時分じぶんには、もう大分だいぶはなしすゝんでゐたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
屹度きつとことわりたりと云ふに吉兵衞委細ゐさい承知しようちし然らば御言葉ことばしたが御免蒙ごめんかうむるべしとて次の間へいたり押入を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
叔母をばさんに正式せいしきことわられながら、またきみ依頼いらいするのは可笑をかしいやうだが、きみはう叔母をばさんよりはなしわかるだらうとおもつてたとつて、中々なか/\うごきさうもなかつたさうである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
忘れず今我等かく困窮こんきう零落れいらくせしをさつし廿五兩の金子を工面くめんして持來りしは天晴頼母敷たのもしきこゝろざしとは云へ共さきに某し一たんめぐみし金子を今さら請取うけとつては我等が一分立ず是に依てかたことわりを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)