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打水
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うちみづ
ふりがな文庫
“
打水
(
うちみづ
)” の例文
辻の庭から
打水
(
うちみづ
)
の
繁吹
(
しぶき
)
の
霧
(
きり
)
がたちのぼり、
風情
(
ふぜい
)
くははるサン・ジァック、塔の姿が
見榮
(
みばえ
)
する……風のまにまに、ふはふはと、夏水仙の匂、土のにほひ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
二時
(
やつ
)
さがりに
松葉
(
まつば
)
こぼれて、
夢
(
ゆめ
)
覺
(
さ
)
めて
蜻蛉
(
とんぼ
)
の
羽
(
はね
)
の
輝
(
かゞや
)
く
時
(
とき
)
、
心太
(
ところてん
)
賣
(
う
)
る
翁
(
おきな
)
の
聲
(
こゑ
)
は、
市
(
いち
)
に
名劍
(
めいけん
)
を
鬻
(
ひさ
)
ぐに
似
(
に
)
て、
打水
(
うちみづ
)
に
胡蝶
(
てふ/\
)
驚
(
おどろ
)
く。
行水
(
ぎやうずゐ
)
の
花
(
はな
)
の
夕顏
(
ゆふがほ
)
、
納涼臺
(
すゞみだい
)
、
縁臺
(
えんだい
)
の
月見草
(
つきみさう
)
。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
朝
(
あさ
)
がへりの
殿
(
との
)
がた一
順
(
じゆん
)
すみて
朝寢
(
あさね
)
の
町
(
まち
)
も
門
(
かど
)
の
箒目
(
はゝきめ
)
青海波
(
せいがいは
)
をゑがき、
打水
(
うちみづ
)
よきほどに
濟
(
す
)
みし
表町
(
おもてまち
)
の
通
(
とほ
)
りを
見渡
(
みわた
)
せば、
來
(
く
)
るは
來
(
く
)
るは、
萬年町
(
まんねんてう
)
山伏町
(
やまぶしてう
)
、
新谷町
(
しんたにまち
)
あたりを
塒
(
ねぐら
)
にして
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
本通りから左の或る横町の薄暗い静かな街へ入ると、
直
(
ぢき
)
にその屋号の出た電燈が見つかつたので、私は
打水
(
うちみづ
)
をした
石畳
(
いしだたみ
)
を踏んで、
燈籠
(
とうろう
)
と反対の側にある玄関先きへかゝつた。
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
露地
(
ろぢ
)
は
打水
(
うちみづ
)
か
何
(
なに
)
かして
有
(
あ
)
らう、
先方
(
せんぱう
)
も
茶人
(
ちやじん
)
だから客は
他
(
ほか
)
になければお
前
(
まへ
)
一人だから
広間
(
ひろま
)
へ
通
(
とほ
)
すかも知れねえが、お
前
(
まへ
)
は
辞儀
(
じぎ
)
が
下手
(
へた
)
で誠に困る、両手をちごはごに
突
(
つ
)
いてはいけねえよ
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
去年
(
きよねん
)
の
事
(
こと
)
である。
一雨
(
ひとあめ
)
に、
打水
(
うちみづ
)
に、
朝夕
(
あさゆふ
)
濡色
(
ぬれいろ
)
の
戀
(
こひ
)
しく
成
(
な
)
る、
乾
(
かわ
)
いた
七月
(
しちぐわつ
)
のはじめであつた。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
打水
(
うちみづ
)
のあと
輕
(
かろ
)
く
庭下駄
(
にはげた
)
にふんで、
裳
(
もすそ
)
とる
片手
(
かたて
)
はすかし
骨
(
ぼね
)
の
塗柄
(
ぬりえ
)
の
團扇
(
うちわ
)
に
蚊
(
か
)
を
拂
(
はら
)
ひつ、
流
(
なが
)
れに
臨
(
のぞ
)
んで
立
(
たつ
)
たる
姿
(
すがた
)
に、
空
(
そら
)
の
月
(
つき
)
恥
(
はぢ
)
らひてか
不圖
(
ふと
)
かゝる
行
(
ゆ
)
く
雲
(
くも
)
の
末
(
すゑ
)
あたり
俄
(
にわか
)
に
暗
(
くら
)
くなる
折
(
をり
)
しも
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“打水(打ち水)”の解説
打ち水(うちみず)は、道や庭先などに水をまくこと。また、その水のこと。打水とも。
(出典:Wikipedia)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
“打”で始まる語句
打
打擲
打棄
打捨
打殺
打倒
打明
打付
打笑
打毀