-
トップ
>
-
惡
>
-
あく
御
呼出しに相成
白洲に於て越前守殿其人物を御覽あるに人の
惡を
揚意趣遺恨などを
含み又有りもせぬ
事柄を申懸る樣成者に非ざる事を
閑中の
余技として
樂しむ
僕達の
棋戰でさへ負けては
樂しからず、
惡手を
指したり
讀みの不足で
詰みを
逸したりした時など
「
必然の
惡」を
解釋して
遊歩塲の
一少女を
點出しかの
癖漢の
正義を
狂欲する
情を
描き、
或は
故郷にありしときの
温かき
夢を
見せしめ、
又た
生活の
苦戰塲に
入りて
朋友に
一身を
談ずる
處あり。
「これが
橡、あれが桂、
惡ダラ、
澤胡桃、アサヒ、ハナ、ウリノ木……。」
然し
俺は
有害な
事に
務めてると
云ふものだ、
自分の
欺いてゐる
人間から
給料を
貪つてゐる、
不正直だ、
然れども
俺其者は
至つて
微々たるもので、
社會の
必然の
惡の一
分子に
過ぎぬ、
總て
町や
魯人、
或は
呉起を
(六一)惡して
曰く
惡裏に有者は
天是を
罰し
惡表に
顯るゝ者は人是を
誅すとかや
偖も吾助は宅兵衞を
易々と
殺し
懷中の金五兩二分と
脇指を
奪ひ取其上
足手搦みなるお兼さへ其處に命を
編者未だ
識別すること
能ざれど
設果して
信ならしめば
吉宗ぬしが
賢明なるは
言計りもなく
僞を
僞として其の
惡を
訐き
奸を
鋤賊を
滅するは之奉行職の
本分なれば
僞者の天一坊を