トップ
>
巨大
>
おおき
ふりがな文庫
“
巨大
(
おおき
)” の例文
と
怪
(
あや
)
し気な日本語で会釈して、
巨大
(
おおき
)
な手で赤い小さな
百合形
(
ゆりがた
)
の皿を抱えたが、それでも
咽喉
(
のど
)
が乾いていたと見えて
美味
(
おいし
)
そうに
啜
(
すす
)
り込んだ。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と
見
(
み
)
ると、
水辺
(
すいえん
)
の、とある
巨大
(
おおき
)
な
巌
(
いわ
)
の
上
(
うえ
)
には六十
前後
(
ぜんご
)
と
見
(
み
)
ゆる、
一人
(
ひとり
)
の
老人
(
ろうじん
)
が、
佇
(
たたず
)
んで
私達
(
わたくしたち
)
の
来
(
く
)
るのを
待
(
ま
)
って
居
(
お
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
途端
(
とたん
)
! 一同は思わずハッとした様子、それは
何故
(
なぜ
)
かと云うに、今しも不意に一つの
巨大
(
おおき
)
な流星が空中に現われ、青い光は東から西へ
人魂
(
ひとだま
)
の如く飛んで
黄金の腕環:流星奇談
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
広さ六畳の洋風書斎、壁に
篏
(
は
)
め込まれた
巨大
(
おおき
)
な書棚。それへ掛けられた深紅の
垂布
(
たれぎぬ
)
、他に巨大な二個の書棚、
尚
(
なお
)
この他に廻転書架、窓に向かって大ぶりのデスク。
小酒井不木氏スケッチ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
私は話の中のこの
魚
(
うお
)
を写出すのに、出来ることなら小さな鯨と言いたかった。
大鮪
(
おおまぐろ
)
か、
鮫
(
さめ
)
、
鱶
(
ふか
)
でないと、ちょっとその
巨大
(
おおき
)
さと
凄
(
すさま
)
じさが、真に迫らない気がする。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
暫くして、突然、何か
巨大
(
おおき
)
な物が海へ落ちこんだ物音に、彼等はぎょっとして跳びあがった。
ラ・ベル・フィユ号の奇妙な航海
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
その次に小山のような
巨大
(
おおき
)
い
獣
(
けもの
)
がゆるぎ出して来た。千枝松は寺の懸け絵で見たことがあるので、それが象という
天竺
(
てんじく
)
の獣であることを直ぐに覚った。象は雪のように白かった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
汚
(
よご
)
れた顔の子供にも、荷馬車に石炭を積んで
巨大
(
おおき
)
な馬を駆って行く男にも、子供の手を引き腰掛椅子を
小脇
(
こわき
)
に
擁
(
かか
)
えながら公園の方へ通う
乳母
(
うば
)
にも、鳥打帽子を
冠
(
かぶ
)
った年若な労働者にも
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
神田から出た
北風
(
ならい
)
の火事には、
類焼
(
やけ
)
るものとして、
蔵
(
くら
)
の
戸前
(
とまえ
)
をうってしまうと店をすっかり空にし、裸ろうそくを立てならべておいたのだという、妙な、とんでもない
巨大
(
おおき
)
な
男店
(
おとこだな
)
だった。
旧聞日本橋:05 大丸呉服店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
正面の大
卓子
(
テーブル
)
と、大暖炉との中間に在る、
巨大
(
おおき
)
な肘掛回転椅子に乗っかった正木博士は、白い診察服の右手の指に葉巻の消えたのを挟み
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
白無垢
(
しろむく
)
を着た険しい山や
巨大
(
おおき
)
な獣の口のようにワングリと開いた
谿
(
たに
)
なども橇が進むに従って次第次第に近寄って来、橇が行き過ぎるに従って後へ後へと飛び去って行く。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「マア何んと云う
巨大
(
おおき
)
な流星でしょう」と、一番目の娘も二番目の娘も
眼
(
め
)
を円くして叫んだ。
黄金の腕環:流星奇談
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
彼奴
(
きゃつ
)
等が
巨大
(
おおき
)
な体で
打突
(
ぶっつ
)
かるものだから、
犬舎
(
いぬごや
)
の
扉
(
と
)
が今にもはち切れそうな音がする。
犬舎
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
彼女はこの若い美しい
餌
(
えさ
)
で
巨大
(
おおき
)
な
魚
(
さかな
)
を釣り寄せようと
巧
(
たく
)
らんでいた。
半七捕物帳:05 お化け師匠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
のみならず、いつもニコニコしている小さな眼の光りが、処女のように柔和なので、さながらに
巨大
(
おおき
)
な赤ん坊のように見えた。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
どの牛を見ましてもその
逞
(
たくまし
)
さは驚かれるばかりでございましたが、いよいよ最終の競技となって、宮廷闘牛の現われました時には、その
巨大
(
おおき
)
さと獰猛さに、見物はすっかり気を呑まれて
闘牛
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
汽車が線路から
外
(
そ
)
れてウンウン唸りながら僕を追っかけて来たり、
巨大
(
おおき
)
な黒い牛が紫色の長い長い舌を出してギョロギョロと僕を
睨
(
にら
)
んだり
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ヌーッと男は、湯から、
巨大
(
おおき
)
な柱でも抜き上げたように立ち上がった。
猿ヶ京片耳伝説
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
マドロス
煙管
(
パイプ
)
をギュウと
引啣
(
ひっくわ
)
えた横一文字の口が、旧式軍艦の
衝角
(
しょうかく
)
みたいな
巨大
(
おおき
)
な
顎
(
あご
)
と
一所
(
いっしょ
)
に、鋼鉄の
噛締機
(
バイト
)
そっくりの頑固な根性を
露出
(
むきだ
)
している。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
私は、私の周囲に迫りつつある、何とも知れない、気味のわるい、
巨大
(
おおき
)
な、恐ろしいものを感じた。一刻も早く
家
(
うち
)
に帰るべくスタスタと歩き出した。
怪夢
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
猛烈な足払いをかけた……が……ビクともしない……と思った瞬間に又野の
巨大
(
おおき
)
な両手が、中野学士の襟首にかかって、ギューギューと絞付けて来た。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
背丈がグッと低く、十三、四歳の日本児童ぐらいにしか見えないところへ、頸部は普通の西洋人以上に
巨大
(
おおき
)
く発達しているために、どうかすると
佝僂
(
せむし
)
に見え易い。
戦場
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「僕に負けんくらい
巨大
(
おおき
)
な
赭顔
(
あからがお
)
の、
脂
(
あぶら
)
の乗り切った精力的な男だ。コイツも独身という話じゃが」
二重心臓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しかし何をいうにも何十
尋
(
ひろ
)
という
巨大
(
おおき
)
な奴が、四方行止まりのない
荒浪
(
あらうみ
)
の上で、アタリ憚からずに夫婦の語らいをするのですから、そこいら中は危なくて近寄れません。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
巨大
(
おおき
)
な鉄火鉢のカンカン起った署長室で、平服の田宮特高課長と差向いで話した時の室内の光景から、何度も何度も炭火の跳ねたところから、田宮課長の腕時計の音までも
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
矮小な正木博士が、大きな椅子の中一パイにハダカッているのに対して、
巨大
(
おおき
)
な若林博士が、小さな椅子の中に恭しく
畏
(
かしこま
)
っている光景は、いよいよ絶好の漫画材料で御座います。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
……といって
閨房
(
けいぼう
)
の
灯
(
あかり
)
らしい
艶媚
(
なまめか
)
しさも、ほのめいていない……夢のように淡い、処女のように人なつかしげな、桃色のマン丸い
光明
(
こうみょう
)
が、
巨大
(
おおき
)
な山脈の
一端
(
はな
)
らしい黒い山影の中腹に
白菊
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
取り返しが付かぬどころの騒ぎじゃない。飛び出しがけの
置土産
(
おきみやげ
)
に
巨大
(
おおき
)
な穴でもコジ明けられた日には、本家本元の船体が助からない。シャフトのアトからブクブクブクと来るんだ。
焦点を合せる
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
天井裏に隠れていた何千貫かわからない
巨大
(
おおき
)
な
硬炭
(
ボタ
)
の盤が、鉄工場の器械のようにジワジワと
天降
(
あまくだ
)
って来て、次第次第に速度を増しつつ、福太郎の頭の上に近付いて来るのが見えた。
斜坑
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一直線に逆行して来た四台の
炭車
(
トロッコ
)
が折重なって脱線をした上から、
巨大
(
おおき
)
な
硬炭
(
ボタ
)
が落ちかかって作った僅かな隙間に挟み込まれたもので、顔中を血だらけにして、両眼をカッと見開いたまま
斜坑
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そうしたら僕の心臓の大動脈の附根に
巨大
(
おおき
)
な動脈瘤というものがある事が発見されたのです。その時にもう二週間の寿命しかないと、宣告されたのですから、僕の寿命は今日、明日のうちなのです
冥土行進曲
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そいつが腐りつきそうな秋波を親方に送った
序
(
ついで
)
に吾輩をジロリと睨みながら、吾輩がタッタ今立上った椅子の座布団の中へドシンと
巨大
(
おおき
)
な
大道臼
(
だいどううす
)
を落し込んだ。
愛想
(
あいそ
)
もコソもあったもんじゃない。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と
私
(
あっし
)
を手招きしながら部屋の隅の
巨大
(
おおき
)
な銀色の花瓶の処へ来ました。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
……左の薬指に「
槻田
(
つきだ
)
」と彫った
巨大
(
おおき
)
な
認印
(
みとめ
)
つきの
指環
(
ゆびわ
)
一個……。
涙のアリバイ:――手先表情映画――
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
この
導火線
(
くちび
)
の寸法なるものが又、
彼奴
(
きゃつ
)
等の永年の熟練から来ているので、所謂、教化別伝の秘術という奴だろう。魚群の
巨大
(
おおき
)
さや深さによって
咄嗟
(
とっさ
)
の間に
見計
(
みはか
)
らいを付けるのだからナカナカ難かしい。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
僕が南洋土産の
巨大
(
おおき
)
な
擬金剛石
(
アレキサンドリア
)
を一
個
(
つ
)
持っております。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
巨
常用漢字
中学
部首:⼯
5画
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
“巨大”で始まる語句
巨大漢
巨大胃
巨大な人々