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山水
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さんすゐ
ふりがな文庫
“
山水
(
さんすゐ
)” の例文
三円で
果亭
(
くわてい
)
の
山水
(
さんすゐ
)
を買つて来て、書斎の
床
(
とこ
)
に掛けて置いたら、遊びに来た男が皆その前へ立つて見ちや「
贋物
(
がんぶつ
)
ぢやないか」と軽蔑した。
鑑定
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
老樹鬱蒼として
生茂
(
おひしげ
)
る
山王
(
さんわう
)
の
勝地
(
しようち
)
は、其の翠緑を反映せしむべき麓の
溜池
(
ためいけ
)
あつて初めて完全なる
山水
(
さんすゐ
)
の妙趣を示すのである。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
むかし
二
延長
(
えんちやう
)
の頃、
三
三井寺に
四
興義
(
こうぎ
)
といふ僧ありけり。絵に
巧
(
たくみ
)
なるをもて
五
名を世にゆるされけり。
嘗
(
つね
)
に
画
(
ゑが
)
く所、
仏像
(
ぶつざう
)
山水
(
さんすゐ
)
花鳥
(
くわてう
)
を
六
事とせず。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
西
(
にし
)
は
神通川
(
じんつうがは
)
の
堤防
(
ていばう
)
を
以
(
もつ
)
て
劃
(
かぎり
)
とし、
東
(
ひがし
)
は
町盡
(
まちはづれ
)
の
樹林
(
じゆりん
)
境
(
さかひ
)
を
爲
(
な
)
し、
南
(
みなみ
)
は
海
(
うみ
)
に
到
(
いた
)
りて
盡
(
つ
)
き、
北
(
きた
)
は
立山
(
りふざん
)
の
麓
(
ふもと
)
に
終
(
をは
)
る。
此間
(
このあひだ
)
十
里
(
り
)
見通
(
みとほ
)
しの
原野
(
げんや
)
にして、
山水
(
さんすゐ
)
の
佳景
(
かけい
)
いふべからず。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
の通された
室
(
へや
)
は、奥の風通しの
好
(
い
)
い二階であつた。八畳の座敷に六畳の副室があつた。
衣桁
(
えかう
)
には手拭が一
筋
(
すぢ
)
風に吹かれて、
拙
(
まづ
)
い
山水
(
さんすゐ
)
の
幅
(
ふく
)
が床の間に
懸
(
か
)
けられてあつた。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
其時分は折節
然様
(
さう
)
いふ人が有つたもので、
律詩
(
りつし
)
の一二章も座上で作ることが出来て、一寸
米法
(
べいはふ
)
山水
(
さんすゐ
)
や
懐素
(
くわいそ
)
くさい草書で白ぶすまを汚せる位の器用さを持つたのを
資本
(
もとで
)
に
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
例
(
たと
)
へば
日本
(
にほん
)
は
小島國
(
せうたうごく
)
であつて、
氣候
(
きこう
)
温和
(
をんわ
)
、
山水
(
さんすゐ
)
も
概
(
がい
)
して
平凡
(
へいぼん
)
で
別段
(
べつだん
)
高嶽峻嶺
(
かうがくしゆんれい
)
深山幽澤
(
しんざんゆうたく
)
といふものもない。
凡
(
すべ
)
てのものが
小規模
(
せうきも
)
である。その
我邦
(
わがくに
)
に
雄大
(
ゆうだい
)
な
化物
(
ばけもの
)
のあらう
筈
(
はず
)
はない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
吾助
(
ごすけ
)
少
(
すこ
)
し
困
(
こま
)
りて、
描
(
か
)
きてはあげまするが
今
(
いま
)
は
少
(
すこ
)
し、
後
(
のち
)
に
吾助
(
ごすけ
)
の
部屋
(
へや
)
へお
出
(
いで
)
なされ
騎馬武者
(
きばむしや
)
をかきて
參
(
まゐ
)
らせん、
夫
(
そ
)
れとも
山水
(
さんすゐ
)
の
景色
(
けしき
)
にせんかと
紛
(
まぎ
)
らせば、
嫌
(
いや
)
、
嫌
(
いや
)
、
嫌
(
いや
)
、
今
(
いま
)
でなくては
何
(
なん
)
でも
嫌
(
いや
)
なり
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
人の記憶の
圖
(
づ
)
の
上
(
うへ
)
に心の國の
山水
(
さんすゐ
)
や
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
床の間には
何
(
ど
)
んな
素人
(
しろうと
)
が見ても
贋
(
にせ
)
と解り切つた
文晁
(
ぶんてう
)
の
山水
(
さんすゐ
)
が
懸
(
かゝ
)
つて居て、
長押
(
なげし
)
には
孰
(
いづ
)
れ飯山あたりの
零落
(
おちぶれ
)
士族から買つたと思はれる槍が二本、さも不遇を嘆じたやうに黒く
燻
(
くすぶ
)
つて懸つて居る。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
わたしは
梅道人
(
ばいだうじん
)
の
墨竹
(
ぼくちく
)
を見、
黄大癡
(
くわうたいち
)
の
山水
(
さんすゐ
)
を見、
王叔明
(
わうしゆくめい
)
の
瀑布
(
ばくふ
)
を見た。
支那の画
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
美術天子の宋の
徽宗
(
きそう
)
皇帝が、
張戩
(
ちやうせん
)
といふ畫人をして舟に乘じて往いて
山水
(
さんすゐ
)
の
勝
(
しよう
)
を觀て八景の圖を作るやうに命ぜられたといふことも、傳へられてゐる談であるから、八景のはじまりは宋であつて
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼等は船が
殊更
(
ことさら
)
絵のやうに美しい海岸の
巌角
(
いはかど
)
なぞを通り過ぎる
折々
(
をり/\
)
啣
(
くは
)
へてゐる大きなパイプを口元から離して、日本の
山水
(
さんすゐ
)
のうつくしい事を自分に語つた。支那には木がなく水は黄色に濁つてゐる。
海洋の旅
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
“山水”で始まる語句
山水訣
山水明媚
山水天狗楽書