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口説
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くどき
ふりがな文庫
“
口説
(
くどき
)” の例文
賣てとかき
口説
(
くどき
)
親子の
恩愛
(
おんあい
)
孝
(
かう
)
と
慈
(
じ
)
と
暫時
(
しばし
)
は
果
(
はて
)
も無りけり
漸々
(
やう/\
)
にして
妻
(
つま
)
お安は
落
(
おつ
)
る
泪
(
なみだ
)
を
押拭
(
おしぬぐ
)
ひ
夫程迄
(
それほどまで
)
に親を思ひ
傾城遊女
(
けいせいいうぢよ
)
と成とても今の難儀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
すると、
此
(
この
)
夏頃から、松公といふ、色白の若い
蕎麥屋
(
そばや
)
の
出前
(
でまへ
)
を
口説
(
くどき
)
落して、
金
(
かね
)
(大工の名)の目を忍んで、チヨイ/\
宅
(
うち
)
へ引張込むやうになつた。
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「親分、到頭萬七親分を
口説
(
くどき
)
落しましたよ。船が停つたので、土手を追つかけると、よい
鹽梅
(
あんばい
)
にすぐ追ひつきましてね」
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼が取澄せば女の方はよけい取澄して応じるものであるから、彼は自分のポーズを突きぬけて失敗するかも知れぬ
口説
(
くどき
)
にのりだすだけの勇気がないのだ。
デカダン文学論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
かくるが
愁
(
つ
)
らきぞとてしみ/″\と
物語
(
ものがた
)
りつお
八重
(
やへ
)
の
膝
(
ひざ
)
に
身
(
み
)
をなげ
伏
(
ふ
)
して
隱
(
か
)
くしもやらぬ
口説
(
くどき
)
ごとにお
八重
(
やへ
)
われを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
受けて
無言
(
だまっ
)
て居るのですか覚えが
無
(
ない
)
と言切てお仕舞いなさい貴方に限て其様な事の無いのは私しが知て居ますと泣きつ
口説
(
くどき
)
つする
様
(
さま
)
に一同涙を
催
(
もよお
)
しました
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
口説
(
くどき
)
上手のどんづまりは大抵死ぬと云うから、今新五郎は死ぬと云ったら、まア新どんお待ちと来るかと思うと、お園は死ぬ程新五郎が厭だから何とも申しませんで
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「黒島
口説
(
くどき
)
」という郷土舞踊を踊ってくれたのである。この人たちが出るときまった時、那覇の新聞が騒いで、県の恥になるから呼び返さなければいけないと主張した。
故郷七十年
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
女で
印袢纏
(
しるしばんてん
)
に三尺帯を締めて、
股引
(
ももひき
)
を
穿
(
は
)
かずにいるものもある。口々に
口説
(
くどき
)
というものを歌って、「えとさっさ」と
囃
(
はや
)
す。
好
(
よ
)
いとさの
訛
(
なまり
)
であろう。石田は暫く見ていて帰った。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
(何さ、行ってみさっしゃいご
亭主
(
ていしゅ
)
は無事じゃ、いやなかなか
私
(
わし
)
が手には
口説
(
くどき
)
落されなんだ、ははははは。)と意味もないことを
大笑
(
おおわらい
)
して、
親仁
(
おやじ
)
は
厩
(
うまや
)
の方へてくてくと行った。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さて、
東西東西
(
とざいとうざい
)
、
魚
(
さかな
)
づくしはどうじゃいな。」「野菜づくしはどうじゃいな。」「
鱈捕
(
たらとり
)
口説
(
くどき
)
はどうじゃいな。」「何とか何とかどうじゃいな。」「謎々何とかどうじゃいな。」
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
両肩が
強
(
きつ
)
く骨立つて
頸
(
くび
)
が益益長く見える、賤げな左の頬の
黒子
(
ほくろ
)
と鍵の様に曲つた眼尻と、ひつくり返すやうな目付をして人を見る癖と、それから遇ひさへすれば
口説
(
くどき
)
上手
(
じやうず
)
にくどくど云ふ口。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
線の太い歴史物よりは『
南柯夢
(
なんかのゆめ
)
』や『
旬殿実々記
(
しゅんでんじつじつき
)
』のような心中物に細かい繊巧な技術を示しておる。『八犬伝』でも
浜路
(
はまじ
)
や
雛衣
(
ひなきぬ
)
の
口説
(
くどき
)
が称讃されてるのは
強
(
あなが
)
ち文章のためばかりではない。
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
内々考えてきた
口説
(
くどき
)
の文句など、実際となると、なんの役にもたちません。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
時を
措
(
お
)
いては、またべつな者が杯を持ってすすみ、
献酬
(
けんしゅう
)
のあいだに
説
(
と
)
く。或いは
情
(
じょう
)
をもってすがる。或いは世情の嘆や官の腐敗を言って
口説
(
くどき
)
にかかる。が、
盧
(
ろ
)
の拒否はまるで
巌
(
いわお
)
のようでしかない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして市島氏が椅子に腰を下すなり、もう
口説
(
くどき
)
にかゝつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
口説
(
くどき
)
けれ共
勿々
(
なか/\
)
承引せず却て平左衞門を
辱
(
はづか
)
しめ
惡口
(
あくこう
)
しける故平左衞門は其身の惡き事も思はず
渠
(
かれ
)
が惡口を大いに憤ほり心中に
偖
(
さて
)
は此女は藤五郎と言男のある故に我を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「濡れ鼠の道行なんてのは新しいな。合の手にクシヤミの入る
口説
(
くどき
)
も
洒落
(
しやれ
)
て居るぜ」
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
先方
(
さき
)
の男が
諾
(
うん
)
といえば自由結婚だなどと吹聴あそばし、また
首
(
かぶり
)
をふればナニ
此処
(
こゝ
)
な青瓢箪野郎、いやアに済していアがる、生意気だよ、勿体なくも私のような茶人があればこそ
口説
(
くどき
)
もしたのさ
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これ即ち
口説
(
くどき
)
ですよ。
衆生済度
(
しゅじょうさいど
)
といふですな。浮気も即ち救ふといふことです。口説は即ち女人を救ふ道ですよ。浮気によつて救ふ。肉体によつて救ふ。口説のカラ鉄砲といふのは、いけねえな。
金銭無情
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
去年から
口説
(
くどき
)
通しなんだわ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
して
田舍者
(
ゐなかもの
)
と笑はれなと心の有たけかき
口説
(
くどき
)
また夫十兵衞に打向ひ
隨分
(
ずゐぶん
)
道中
(
だうちう
)
を用心して
濕氣
(
しつけ
)
に當り給はぬ樣娘の事は呉々も
能
(
よき
)
やうに
計
(
はか
)
らひ給へと
懇切
(
ねんごろ
)
に言
慰
(
なぐ
)
さめ互ひに
名殘
(
なごり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
勝「何うも御苦労さま、直ぐ
参
(
めえ
)
りやす、お鍋どんまア
好
(
い
)
いじゃねえか、お茶でも飲んでいきねえな、
敵
(
かたき
)
の
家
(
うち
)
へ来ても口は濡らすもんだわな、そんなに逃げてく事アねえや、
己
(
おい
)
ら
口説
(
くどき
)
アしねえからよ」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「乞食のような虎松を引入れて、大変な
口説
(
くどき
)
をしたというのだろう」
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私の知る
口説
(
くどき
)
の原理はそれだけであった。
ジロリの女
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
“口説(クドキ)”の解説
クドキ(くどき)は、浄瑠璃や歌舞伎のクライマックスで俳優と浄瑠璃とで演じる個所。「口説き」ともいう。元来は平曲や謡曲あるいは説経節で登場人物の悲しみを歌う演出であったものが、近世以降各種の口承文芸の演出も加わり多様化した。
(出典:Wikipedia)
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
説
常用漢字
小4
部首:⾔
14画
“口説”で始まる語句
口説落
口説立
口説節