半面はんめん)” の例文
ものとを見較みくらべながら、かたまけると笑方ゑみかたの、半面はんめんおほニヤリにニヤリとして、岩魚いはな一振ひとふり、ひらめかして、また、すた/\。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
獨樂こま自分じぶん一度いちどまはるはすなは地球ちきう自轉じてんといふものにて、行燈あんどうかたむきたる半面はんめんひるとなり、うら半面はんめんとなり、この一轉ひとまはり一晝夜いつちうやとするなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
物思ものおもがほ若者わかものえりのあたりいやりとしてハツと振拂ふりはらへば半面はんめん瓦斯燈がすとうひかり蒼白あをじろ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
堅牢けんらうなるてつおりをもつて圍繞かこまれ、下床ゆか彈力性だんりよくせいいうするクロー鋼板かうばんで、上部じやうぶ半面はんめん鐵板てつぱんおほはれ、半面はんめん鐵檻てつおりをもつてつくられ、鐵車てつしや都合つごう十二の車輪くるまそなへ、其内そのうち齒輪車しりんしや
わたし日本にほん今日こんにち經濟界けいざいかい金解禁きんかいきん出來できたからとつて、たなごゝろかへごと景氣けいきやうとはかんがへぬ。しかしながらいませつわたしこゝ説明せつめいして半面はんめん事實じじつかたるものとからうとおもふのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
上なる忠一の半面はんめんあけに染めた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
願奉ると叮嚀ていねいに述ければ圍爐裡ゐろりはたに年頃卅六七とも見ゆる男の半面はんめん青髭あをひげはえ骨柄こつがらのみいやしからざるが火にあたりて居たりしが夫はさだめし難澁なんじふならん疾々とく/\此方こなたあがり給へ併し空腹くふふくとあればすぐに火にあたるよろしからず先々臺所だいどころへ行て食事しよくじいたし其火のへんより玉へといと慇懃ねんごろに申けるに吉兵衞は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)