まうけ)” の例文
ばうなはが七せんまうで一そく草鞋わらぢが一せんりんといふ相場さうばだからどつちにしても一にち熱心ねつしんうごかせばかれは六七せんまうけるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かゝる雪中なれども夏のまうけまきたる野菜やさいのるゐも雪の下にもえいでゝ、その用をなす㕝おそきとはやきのたがひはあれども暖国だんこくにかはる㕝なし。
安樂あんらくに暮しなん若又惡事露顯する時は互ひに命を落す而已のみなり今一はたらきなすべしと申ければ兩人は異議いぎに及ばず然ば大金まうけに掛らんと其相談さうだん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
醉月が忙しいばかりでは無い、大阪中が何となくざわざわして、ぼろいまうけをしたのか儲けそこなつたのか、何れも昂奮して血眼になつて居るやうだつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
娘が嫁うとした所で松島さん、山木もだ社会党を婿むこに取る程狂気きちがひにはなりませんからな、マア/\御安心の上、一日も早く砲火ひぶたを切つて私共わたしどもまうけさして下ださい
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
しきり船成金の声がやかましく言ひ伝へられた当時、広海氏も世間並に船で一まうけしたいと思つて、胸算用をにこ/\顔で包んで、のつそり川崎造船所の門を入つて往つた。
かゝる雪中なれども夏のまうけまきたる野菜やさいのるゐも雪の下にもえいでゝ、その用をなす㕝おそきとはやきのたがひはあれども暖国だんこくにかはる㕝なし。
さけといつてもれた分量ぶんりやうであるが、それでもわら一筋ひとすぢづつをきざんで仕事しごとまうけにのみ手頼たよかれふところかなしくした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
請取うけとりすぐに賣ても十四五兩はまうけ徐々そろ/\賣ば三十兩は屹度きつと利の有る品何卒九十兩御貸下さるべし直に御入用に候はゞ糶拂せりはらひにして指上さしあげ申べし少々せう/\手間取てまどりても苦しからずば代物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
手桶てをけすだけのことだから資本もとでいらないかはりにはまうけうすいのであるが、それでも百姓ひやくしやうばかりしてるよりも日毎ひごとえた小遣錢こづかひせんれるのでもうしばらくさうしてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あらため見るに蝦夷錦えぞにしき楊枝指やうじさしかくはし其外かうがひかんざしるゐ何れもかね目の物多くありければ兩人これまうけものなりとよろこびけり然れども此品このしな賣拂うりはらはゞあらはるべしとて暫時しばしあひだの玄柳方へあづおきけるが此品々このしな/″\より終に二人が天罰てんばつむくい來とは知ざりけりさても白子屋にては又七が事は地面ぢめん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)