“了見:りょうけん” の例文
“了見:りょうけん”を含む作品の著者(上位)作品数
中里介山14
夏目漱石13
北大路魯山人1
吉川英治1
国木田独歩1
“了見:りょうけん”を含む作品のジャンル比率
文学 > 文学 > 文学理論 作法4.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.9%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行0.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
この野だは、どういう了見りょうけんだか、赤シャツのうちへ朝夕出入でいりして、どこへでも随行ずいこうしてく。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ところへ寒月君が、どう云う了見りょうけんかこの暑いのに御苦労にも冬帽をかぶって両足をほこりだらけにしてやってくる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
——こんな事をかくと、何だか剽軽ひょうきん冗談じょうだんを云ってるようだがけっしてそんな浮いた了見りょうけんじゃない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「まあ議論はいいが、それからどうするのだい」と東風君、ことによると、やる了見りょうけんと見えて筋を聞きたがる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「血でもってふざけた了見りょうけんを洗った時に、第一義が躍然とあらわれる。人間はそれほど軽薄なものなんだよ」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
であり詩である以上は地面じめんを貰って、開拓する気にもならねば、鉄道をかけて一儲ひともうけする了見りょうけんも起らぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もっとも別段社からつけてくれたという訳じゃないんだが、本人の特志で社の用事をすっぽかす了見りょうけんらしい。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「この野郎、扇屋の女中部屋の寝像ねぞうにでも見恍みとれて、またよくねえ了見りょうけんを出したとみえるな、世話の焼けた野郎だ」
「ええ、皆様も御承知の通り、拙者もこれで医者の端くれでございますが、医者は医者でも、ただの医者だと思うと了見りょうけんが違います」
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
主人がやかましいから一応知っておかなければ、というような了見りょうけんではたかの知れたものであります。
日本料理の基礎観念 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
禎二ていじさんが蒲団ふとんの横へ来て、どうですと尋ねたが、返事をするのが馬鹿気ばかげていて何とも云う了見りょうけんにならない。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
当人がもとの通りでいいと云うのに延岡くんだりまで落ちさせるとは一体どう云う了見りょうけんだろう。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
親しき友の、わが母を、そうと評するのは、面の内側で評するのか、または外側でのみ云う了見りょうけんか。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「いけません、早くお引取り下さい、お引取り下さらなければ、こちらにも了見りょうけんがございますぞ」
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
よろしうございます、向うがその了見りょうけんなら、こっちもそのつもりで、先生の御用をつとめてつとめて、ぶちこわし役に廻るのも面白うございますね
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「いったいこりゃ、どう云う了見りょうけんだね」と自分で飾りつけた物をながめながら、御米に聞いた。御米にも毎年こうする意味はとんと解らなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それをこの二面がいつでも偶然平らに並行でもしているかのごとき了見りょうけんで、全体どっちが高いのですと聞かなければ承知ができないのは痛み入ります。
中味と形式 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これはあえてみずかあざむくの、人をいつわるのと云う了見りょうけんではない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夫はどう云う了見りょうけん両膝りょうひざを曲げて海老えびのように窮屈になっている。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
する以上は、自己の存在を確実にし、此処ここに個人があるということを他にも知らせねばならぬ位の了見りょうけんは、常人と同じ様に持っていたかも知れぬ。
処女作追懐談 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
三下みくだはんを請求する方もその覚悟、やる方もその了見りょうけんだから双方共洒然しゃぜんとして形式のためにわずらわされないのであります。
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
我々が結婚するようなもので、何も必ず子を産む了見りょうけんで嫁を貰うとは限りません。
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あのお代官はお代官でまた極力、この自分を引留めて置きたい了見りょうけんが充分にある。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ひとの成功をうらやむケチな了見りょうけんの奴が、得てして真面目正直の成功人種をとらえては、そういうケチをつけたがる、取るにたらねえよ、怒んなさるな、ハ
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「与八——お前はまた、何か了見りょうけんがあって、特にあの場所を所望するのかね」
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「いや、お言葉でげす、なにもお前さんを苛めるのなんのと、そんな了見りょうけんで追いかけて来たんじゃござんせん、神野の旦那に頼まれて、男ずくでよんどころなく……」
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
自分の親父が天下一の人物だなどは至極しごく好い了見りょうけんで結構です。
中味と形式 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いったいどうしようてえんだ、このおいらと、馬とを、両方から挟み討ちにして、あの竹槍で突っつき殺さずにゃ置かねえという了見りょうけんか——それはいよいよわからねえ。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
どうも人間の了見りょうけんほど出たり引っ込んだりするものはない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
般若の面の男 見よう見真似みまねの、からざる踊りで、はい、一向いっこうにこれ、れませぬものだでな、ちょっくらばかり面をつけて見ます了見りょうけんところ
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それまでは、これから、向島の待合に行って、芸者と遊んだ末、無理心中でもしようかという虫の良い了見りょうけんも起しかけていたのですが、ハッと冷水をかけられた気がいたしました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
この下司な了見りょうけんからして、物我の区別を立てます。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今の評家はかほどの事を知らぬ訳ではあるまいから、御互にこう云う了見りょうけんで過去を研究して、御互に得た結果を交換して自然と吾邦わがくに将来の批評の土台を築いたらよかろうと相談をするのである。
作物の批評 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まあまあ了見りょうけんを聞いてみての上で
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
笹子の山中で、右の男は道すがら、自分はこう見えても女に餓えているような男でないから、一人旅をなさるお前様を、取って喰おうの煮て喰おうのという了見りょうけんはございませんと言った言葉を思い起しました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
まことにふとい了見りょうけんである。
チャンス (新字新仮名) / 太宰治(著)
詛うと言えばすごく聞えますが、実は僕にはそんなすご了見りょうけんた気力もありません。運命が僕を詛うてるのです——貴様あなたは運命ということを信じますか? え、運命ということ。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「お前は了見りょうけんの悪い女じゃ」
了見りょうけんが違うよ
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「わたしが思うのには、お徳さんは今度は出かけられないかも知れませんわ、もしお徳さんが出かけられなければ、組のかしらはお浪さんになってもらわなければならないでしょう、まあお徳さんの了見りょうけんを聞いてみてからのこと」
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こんな機会は容易にない、ついでだからと云っては失礼かも知れんが実際余のように図書館以外の空気をあまり吸った事のない人間はわざわざ歓迎のために新橋までくる折もあるまい、ちょうどさいわいだ見て行こうと了見りょうけんを定めた。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「誰が——あきれ返っちまうな、あんまり白々しいんで呆れ返っちまうよ、現在、おいらが実地を見届けてるんだ、お前はいったいどういう了見りょうけんで、あんなことをやったんだ、さあ、返事を聞かせてくれ、返答によっちゃあ、こっちにも了見があるぜ」
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
近藤弥之助というのは、やっぱり幕下はたもとで、今時指折りの剣術遣いの一人で、そいつの内弟子の小林という奴、前にも相当の代物であった、こいつも、いよいよ勝の馬鹿親爺の弟子となったと見えるな、しかし、どういう了見りょうけんだか知れたものではない——
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
意気地いくじなしッ、そんな了見りょうけんでこれから先他人に負けずに一人前になれるか。落盤に押しつぶされた万里ワンリのことを考えて見ろ。何万とこの鉱山で殺された子供達のことを考えて見ろ。同じ箇旧に俺もいるんだ……お前なんか、不幸と云える身じゃアないぞ」
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
「何があぶないんだエ、なにもわたしは、世間様から目ざしてもらおうともなんとも思っちゃいないんだよ、名前を売りたいとか、親分になりたいとか、そんな了見りょうけんでやってるんじゃありませんからね、商売でやってるんだから、当ることもありゃ、はずれることもありまさあね」
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
……そりゃア悪い了見りょうけんだの、考えがちがう。……あなたを生かしておきたいばっかりに、伝四郎うじとやらが苦労する。それを……、それを、あなたが死んじまったんじゃア身も蓋もない。五百石とって、つき袖でそっくりかえって歩くばかりが、この世の幸福しあわせじゃねえ。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
同時に、番所に踏み止まった七兵衛は、どういう了見りょうけんか、今まで暗くしてあった大手の方へ向いた番所の室々へすっかり明りを点けて明るくしてしまい、自分はその部屋部屋をめぐって、処分の残るものはないか、大切の品であるべくして置き忘れたものはないか——その辺のしらべをはじめました。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
きょうこれまで来た女郎衆の親方は伏見の人で、どういう了見りょうけんか侍のくせに、遊女屋の主人となって、目端めはしや才覚もくところから、伏見城の徳川家へ手づるを求め、江戸移住の官許を取って、自分ばかりでなく、他の同業者にもすすめて、続々と、女を西から東へ移動させている庄司甚内しょうじじんないという者だった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたくしなんぞは、ごらんの通りさすらいの小坊主でございまして、無衣無官は申すまでもございません、その上に、お心づきでもありましょうが、この通り目がつぶれているのでござります、目かいの見えない不自由なものでございます、それに、琵琶とても、ふしとても、繰返して申し上げるまでもなく、お聞きの通りの拙いものでございますから、とても神様をお悦ばせ申すのなんのと、左様なだいそれた了見りょうけんは持っておりませんのでござりまする。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)