“ほさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
穂尖31.4%
穂先23.5%
火先9.8%
穗先7.8%
灯先3.9%
炎先3.9%
炎尖3.9%
焔先3.9%
火尖2.0%
照先2.0%
2.0%
細尖2.0%
鋒先2.0%
鋒鋩2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
伊兵衛は中也派を学んだが、そのうえに薙刀の法を加えて、穂尖ほさきよりも石突きに重点をおくような、特殊な操法を会得していた。
雪の上の霜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
七月の声は聞いても、此所ここは山深い箱根のことです。夜に入るとやり穂先ほさきのように冷い風が、どこからともなく流れてきます。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
火はほんの一刻の間にめ廻す火先ほさきと火先のつながりから、一さいに大きいひろがりから、塊に変って行った。
野に臥す者 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
卯平うへい視力しりよくふたゝ恢復くわいふくしたときにはすで天井てんじやうはりんだ藁束わらたばの、みだれてのぞいて穗先ほさきつたひてのぼつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
足音をさせないように爪先立つまさきだてゝ歩いて行って、障子をいつも程に細目に開け、じーっと息をらしていると、燈台の灯先ほさきが風のないのにゆら/\としたと思った途端に、父がにわかに両肩を揺がして
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
邪慳じやけんはら退けて、きツにらむでせると、そのまゝがつくりとかうべれた、すべての光景くわうけい行燈あんどうかすかにまぼろしのやうにえたが、にくべたしばがひら/\と炎先ほさきてたので、婦人をんなはしつてはいる。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と思うと、湿しめりッけのする冷い風が、さっと入り、洋燈の炎尖ほさき下伏したぶしになって、ちらりとあおく消えようとする。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その焔先ほさきがチラチラする。と、部屋の中のあらゆる物が、それに連れてチラチラする。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
にしきとばり翠藍すいらんうちに、銀の皿の燈明は、天地の一白に凝って、紫の油、朱燈心、火尖ほさき金色こんじきの光を放って、三つ二つひらひらと動く時、大池の波は、さながら白蓮華びゃくれんげを競って咲いた。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
照先ほさき閃めく海の上
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
放翁日に其間に婆娑(歩き廻はること)、其の香をり以つて臭ぎ、其のほさきみ以て玩ぶ。朝には灌ぎ莫にはたがやす。
小国寡民 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
番頭が取り出したのは、鋒先ほさきを手拭に包んだ刄渡り五寸ほどこみが一尺以上もある物凄い槍の穗、成程これは、喉を狙へば生命を取ります。
その十字架の両側には、チョンまげに結った二人の男が、繩のたすきをかけて、長いやりを左右から女の両腋につきつけている。そして、その鋒鋩ほさきが女の両の乳の下を、えぐっている。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)