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穂先
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ほさき
ふりがな文庫
“
穂先
(
ほさき
)” の例文
旧字:
穗先
ピラリッ——
朱柄
(
あかえ
)
の
槍
(
やり
)
の
穂先
(
ほさき
)
がうごいて、
闇
(
やみ
)
のなかにねらいすまされた。と、その槍先から、ポーッとうす明るい
灯
(
ひ
)
がともった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
七月の声は聞いても、
此所
(
ここ
)
は山深い箱根のことです。夜に入ると
鎗
(
やり
)
の
穂先
(
ほさき
)
のように冷い風が、どこからともなく流れてきます。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
かれは、もう、先生のつぎの言葉が、
槍
(
やり
)
の
穂先
(
ほさき
)
のような鋭さで、自分の胸にせまっているのを感じ、かたく観念の眼をとじていたのだった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
場処
(
ばしょ
)
は大抵は耕地の附近に、石を土台にして
円
(
まる
)
い形に、稲の
穂先
(
ほさき
)
を内側にして積み上げて置く、きわめて簡易且つ
悠長
(
ゆうちょう
)
なる様式のものであるが
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
淋
(
さび
)
しい秋の夕方など、赤とんぼは、
尾花
(
おばな
)
の
穂先
(
ほさき
)
にとまって、あのかあいいおじょうちゃんを思い出しています。
赤とんぼ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
▼ もっと見る
どうかするとその花の
穂先
(
ほさき
)
が私の
帽子
(
ぼうし
)
とすれすれになる位にまで低くそれらの花をぷんぷん
匂
(
にお
)
わせながら垂らしていたが、中にはまだその木立が私の背ぐらいしかなくって
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
さびしい
傾斜面
(
けいしゃめん
)
に
生
(
は
)
えた、
草
(
くさ
)
の
穂先
(
ほさき
)
をかすめて、ようやく、この
明
(
あか
)
るく、
広
(
ひろ
)
い
世界
(
せかい
)
に
出
(
で
)
たとんぼが、すいすいと
気
(
き
)
ままに
飛
(
と
)
んでいるのも、なんとなく、あたりがひっそりとしているので
老工夫と電灯:――大人の童話――
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ひとりのむなさきを
田楽刺
(
でんがくざ
)
しにつきぬくがはやいか、すばやく
穂先
(
ほさき
)
をくり引いて、ふたたびつぎの相手をねらっている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今でも年々あらたにする
屋敷神
(
やしきがみ
)
の
祠
(
ほこら
)
、または山小屋や積み物の
雨覆
(
あまおお
)
いなどは、たいていは藁の
穂先
(
ほさき
)
のほうを外へ出すことにしている。あの秋の田の
苅穂
(
かりほ
)
のいほなども、多分はこれと同じかったろう。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
野槍の
穂先
(
ほさき
)
を低目にかまえながら、まず二、三寸ずつジリジリと足の
拇指
(
おやゆび
)
に土を噛ませてつめ寄って行きますと、突然
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
討入装束
(
うちいりしょうぞく
)
のままで、手には大身の槍を
提
(
さ
)
げていた。もっとも槍の
穂先
(
ほさき
)
は、明方から白い
晒布
(
さらし
)
で巻いて隠してはあるが——
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と一声、
錆槍
(
さびやり
)
の
穂先
(
ほさき
)
で、いきなり真上の
天井板
(
てんじょういた
)
を突いた。とたんに、屋根裏を
獣
(
けもの
)
がかけまわるような、すさまじい音が、ドタドタドタ
響
(
ひび
)
きまわった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
次郎の体を
被
(
かぶ
)
ッて投げた途端に、あの
胆刺
(
きもざし
)
の鋭い
穂先
(
ほさき
)
が顔面のどこかを機敏に突いたか掠ッたかしたものと思われますが、何しろ雲霧は目が開けない。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
およそ槍は
穂先
(
ほさき
)
下
(
さ
)
がりとなりやすいものである。顔を狙えば
喉
(
のど
)
のあたりに、喉をねらえば胴のあたりに来るのが普通である。半助も、その的確には驚いたとみえ
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蹌
(
よろ
)
めき蹌めき敵と
覚
(
おぼ
)
しき人影へ
穂先
(
ほさき
)
を向けて、歩いていた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
穂
常用漢字
中学
部首:⽲
15画
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
“穂”で始まる語句
穂
穂尖
穂積
穂芒
穂蓼
穂薄
穂高山
穂立
穂麦
穂向