炎尖ほさき)” の例文
炉の火はパツと炎尖ほさきを立てて、赤くおうなひたいた、みまもらるゝは白髪しらがである、其皺そのしわである、目鼻立めはなだちである、手の動くのである、糸車の廻るのである。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と思うと、湿しめりッけのする冷い風が、さっと入り、洋燈の炎尖ほさき下伏したぶしになって、ちらりとあおく消えようとする。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)