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高楼
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たかどの
ふりがな文庫
“
高楼
(
たかどの
)” の例文
旧字:
高樓
この町の別な処にある
高楼
(
たかどの
)
の静かな一室に、生きているとは思われない、大理石のような姿をした一人の女が横たわっていた。
世界怪談名作集:16 鏡中の美女
(新字新仮名)
/
ジョージ・マクドナルド
(著)
一寸
(
ちょいと
)
、其の
高楼
(
たかどの
)
を
何処
(
どこ
)
だと思ひます……
印度
(
インド
)
の中のね、
蕃蛇剌馬
(
ばんじゃらあまん
)
……
船着
(
ふなつき
)
の貿易所、——お前さんが御存じだよ、私よりか
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
前黄門
(
さきのこうもん
)
松平龍山公の世にも薄命なる
隠遁
(
いんとん
)
の
高楼
(
たかどの
)
、含月荘の
楼上
(
ろうじょう
)
に
今宵
(
こよい
)
もまた、ポチと夕ぐれの
燈火
(
ともしび
)
が哀れに
点
(
つ
)
いた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歌舞伎
(
かぶき
)
の舞台では大判事清澄の息子
久我之助
(
こがのすけ
)
と、その
許嫁
(
いいなずけ
)
の
雛鳥
(
ひなどり
)
とか云った
乙女
(
おとめ
)
とが、一方は背山に、一方は妹山に、谷に
臨
(
のぞ
)
んだ
高楼
(
たかどの
)
を構えて住んでいる。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
一緒にいるとは名目だけで、小次郎とも浮藻ともかけ離れ、別棟の
高楼
(
たかどの
)
に一人で住んでいるのであった。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
早く
頬摺
(
ほおずり
)
して
膝
(
ひざ
)
の上に乗せ取り、
護謨
(
ゴム
)
人形空気鉄砲珍らしき
手玩具
(
おもちゃ
)
数々の
家苞
(
いえづと
)
に
遣
(
や
)
って、喜ぶ様子見たき者と足をつま
立
(
だ
)
て三階四階の
高楼
(
たかどの
)
より日本の方角
徒
(
いたず
)
らに
眺
(
ながめ
)
しも度々なりしが
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
日に一度は川口の船屋敷へ出張して
上荷
(
あげに
)
積荷の宰領をしていたが、夏も終って、川口に
白々
(
しらしら
)
と秋波が立つ頃になると、
船溜
(
ふなだめ
)
にいる船頭や
水子
(
かこ
)
が、このごろ谷津の
斜面
(
なぞえ
)
にあるお邸の
高楼
(
たかどの
)
に、一晩中
うすゆき抄
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
此
(
この
)
悲劇の舞台になった、南伊豆の別荘、
曾
(
かつ
)
て
役
(
えん
)
の行者が、
神斧鬼鑿
(
しんぷきさく
)
の法術で彫り成したという伝説の凄まじい断崖の上の
高楼
(
たかどの
)
——名づけて
臨海亭
(
りんかいてい
)
というのも、実は志津子夫人の我儘な願いを容れて
奇談クラブ〔戦後版〕:01 第四の場合
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
屋根に鐘鳴る
高楼
(
たかどの
)
に
聳
(
そび
)
えし塔の数多く
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
高楼
(
たかどの
)
われはのぼりゆき
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そもいずくより
擲
(
なげう
)
ちたらんと
高楼
(
たかどの
)
を打仰げど、それかと見ゆる影も無く、森々と松吹く風も、助けを呼びて悲しげなり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一切の国政をみな家臣にまかせて、
光風霽月
(
こうふうせいげつ
)
を友とし、九年の間も、この
高楼
(
たかどの
)
から降りないせいか、老公の
耳朶
(
じだ
)
、
眦
(
まなじり
)
には、童顔のうちに一種の仙味がある。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高楼
(
たかどの
)
の
欄干
(
おばしま
)
には姫が一人
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
四
高楼
(
たかどの
)
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
いとも危うく身を遁れて、泰助は振返り、
屹
(
きっ
)
と
高楼
(
たかどの
)
を見上ぐれば、得三、高田相並んで、窓より半身を
乗出
(
のりいだ
)
し、
逆落
(
さかおと
)
しに狙う短銃の
弾丸
(
たま
)
は続いて飛来らん。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
老公のいる含月荘の
高楼
(
たかどの
)
は、この四層めの一室だった。三つの鉄の梯子を登って、国家老の大村郷左衛門は、やがて、いちばん上の一室へ畏る畏る
伺候
(
しこう
)
した。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
児
(
こ
)
を思うさえ恋となる、天上の
規
(
のり
)
を越えて、
掟
(
おきて
)
を破って、母君が、雲の上の
高楼
(
たかどの
)
の、玉の
欄干
(
らんかん
)
にさしかわす、
桂
(
かつら
)
の枝を引寄せて、それに
縋
(
すが
)
って御殿の外へ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
高楼
(
たかどの
)
に百千の燈籠をかざり、門という門は、これを花と緑でうずめ、閣下もまた、吉例の“春祭りの行列”へおくり出しあるなど、人民と共に楽しむ事実をお示しあらねばなりません
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると
貴客
(
あなた
)
、赤城の
高楼
(
たかどの
)
の北の方の小さな窓から、ぬうと出たのは
婦人
(
おんな
)
の顔、色
真蒼
(
まっさお
)
で
頬面
(
ほうッぺた
)
は消えて無いというほど
瘠
(
やせ
)
っこけて、髪の毛がこれからこれへ(ト仕方をして)こういう風
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
青銅瓦
(
せいどうがわら
)
のご
殿
(
てん
)
の
屋根
(
やね
)
、
樹林
(
じゅりん
)
からすいてみえる
高楼
(
たかどの
)
づくりの
朱
(
しゅ
)
の
勾欄
(
こうらん
)
、
芝
(
しば
)
の
土手
(
どて
)
にのびのびと枝ぶりを
舞
(
ま
)
わせている松のすがたなど城というよりは、まことに、
館
(
たち
)
とよぶほうがふさわしい。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こう言う
中
(
うち
)
にも、明さんの
母
(
おっか
)
さんが、花の
梢
(
こずえ
)
と見紛うばかり、雲間を漏れる
高楼
(
たかどの
)
の、
虹
(
にじ
)
の
欄干
(
てすり
)
を乗出して、叱りも
睨
(
にら
)
みも遊ばさず、
児
(
こ
)
の可愛さに、鬼とも言わず、私を拝んでいなさいます。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
丁
(
ちょう
)
ど、まだ
灯
(
あかし
)
を入れたばかりの
暮方
(
くれがた
)
でね、……其の
高楼
(
たかどの
)
から
瞰下
(
みお
)
ろされる
港口
(
みなとぐち
)
の
町通
(
まちどおり
)
には、
焼酎売
(
しょうちゅううり
)
だの、雑貨屋だの、
油売
(
あぶらうり
)
だの、肉屋だのが、皆
黒人
(
くろんぼ
)
に荷車を
曳
(
ひ
)
かせて、……
商人
(
あきんど
)
は、
各自
(
てんでん
)
に
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
哥太寛
(
こたいかん
)
が、——今夜だわね——其の人たちを
高楼
(
たかどの
)
に
招
(
まね
)
いて、話の折に、又其の事を
言出
(
いいだ
)
して、
鸚鵡
(
おうむ
)
の口真似もしたけれども、分らない文句は、鳥の声とばツかし聞えて、
傍
(
そば
)
で聞く
黒人
(
くろんぼ
)
たちも
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……高い廊下をちらちらと
燭台
(
しょくだい
)
の火が、その
高楼
(
たかどの
)
の
欄干
(
てすり
)
を流れた。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“高楼”の意味
《名詞》
高楼(こうろう)
高い楼閣。
(出典:Wiktionary)
高
常用漢字
小2
部首:⾼
10画
楼
常用漢字
中学
部首:⽊
13画
“高楼”で始まる語句
高楼弾琴