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顏付
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かほつき
清を
呼んで、
膳を
出せと
命ずると、
清は
困つた
顏付をして、まだ
何の
用意も
出來てゐないと
答へた。
成程晩食には
少し
間があつた。
いつになく元
氕のいい、明るい
顏付で
勤め先から
帰つて※たM
会社員の青木さんは、山の
手のある
靜かな
裏通りにある
我家の門口をはひると
温泉宿の
欄干に
倚つて
外を
眺めて
居る
人は
皆な
泣き
出しさうな
顏付をして
居る、
軒先で
小供を
負て
居る
娘は
病人のやうで
背の
小供はめそ/\と
泣いて
居る。
署長の
顏付が
別で
有つたとか
思つて、
何んでも
此れは
町に
重大な
犯罪が
露顯はれたので
其れを
至急報告するのであらうなどと
極めて、
頻りに
其れが
氣になつてならぬ。
月
末が
近づくと、青木さんはいつも
暗い
顏付でそんな
事をつぶやきながら、ため
息づいたり、いらだつたりした。
「
汽車に
乘ると
短かい
道中でも
氣の
所爲か
疲れるね。
留守中に
別段變つた
事はなかつたかい」と
聞いた。
實際彼は
短かい
汽車旅行にさへ
堪へかねる
顏付をしてゐた。
アンドレイ、エヒミチはイワン、デミトリチの
顏付、
眼色抔を
酷く
氣に
入つて、
如何かして
此の
若者を
手懷けて、
落着かせやうと
思ふたので、
其寐臺の
上に
腰を
下し、
些と
考へて、
偖言出す。
と、アンドレイ、エヒミチは
惡るかつたと
云ふやうな
顏付で
云ふ。