トップ
>
非
>
あ
ふりがな文庫
“
非
(
あ
)” の例文
わが旧時代の芸文はいずれか支那の模倣に
非
(
あ
)
らざるはない。そはあたかも大正昭和の文化全般の西洋におけるものと異るところがない。
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
坦々たる古道の尽くるあたり、
荊棘
(
けいきよく
)
路を
塞
(
ふさ
)
ぎたる原野に
対
(
むかひ
)
て、これが開拓を勤むる勇猛の徒を
貶
(
けな
)
す者は
怯
(
きよう
)
に
非
(
あ
)
らずむば惰なり。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
人にして人に
非
(
あ
)
らず、画家にして画かきに非ずとさえ
見做
(
みな
)
される事が、日本では殊の外あったようである。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
で
仮
(
か
)
りに
人間
(
にんげん
)
の
満足
(
まんぞく
)
と
安心
(
あんしん
)
とが、その
身外
(
しんがい
)
に
在
(
あ
)
るに
非
(
あ
)
らずして、
自身
(
じしん
)
の
内
(
うち
)
に
在
(
あ
)
るとして、また
仮
(
か
)
りに
苦痛
(
くつう
)
を
軽蔑
(
けいべつ
)
して、
何事
(
なにごと
)
にも
驚
(
おどろ
)
かぬようにしなければならぬとして、
見
(
み
)
て
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
また竹は年所を経れば必ず花さくものなるかというにあえて必ずしもしかるに
非
(
あ
)
らず。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
▼ もっと見る
されど、
此処彼処
(
ここかしこ
)
に往々急峻なる地隙、または峻坂なきにしも
非
(
あ
)
らず。
武士道の山
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
さう
云
(
い
)
ふやうに
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
ると、
我國
(
わがくに
)
の
經濟界
(
けいざいかい
)
の
基礎
(
きそ
)
は
堅固
(
けんご
)
のものに
非
(
あ
)
らずして
早晩
(
さうばん
)
變動
(
へんどう
)
すべき
状態
(
じやうたい
)
のものであつたので、
恰
(
あたか
)
も
或
(
あ
)
る
人
(
ひと
)
が
自分
(
じぶん
)
の
收入
(
しうにふ
)
では
生計費
(
せいけいひ
)
に
不足
(
ふそく
)
を
告
(
つ
)
ぐるを
以
(
もつ
)
て
毎月
(
まいつき
)
借入金
(
かりいれきん
)
をして
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
然レドモソノ考証
研覈
(
けんかく
)
ノ
如何
(
いかん
)
ニ至ツテハ彼ノ
最
(
もっとも
)
詳確ニシテ我ノ甚シク
杜撰
(
ずさん
)
ナルヤ
固
(
もと
)
ヨリ日ヲ同ジクシテ語ルベキニ
非
(
あ
)
ラズ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
晴れたる風景画は晴れたる日の幾日かを要求し、雨の日の絵は同じ雨を毎日
註文
(
ちゅうもん
)
して見たりするが、それは画家のためのみの存在には
非
(
あ
)
らず、勝手気ままに晴れて行く。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
で
假
(
か
)
りに
人間
(
にんげん
)
の
滿足
(
まんぞく
)
と
安心
(
あんしん
)
とが、
其身外
(
そのしんぐわい
)
に
在
(
あ
)
るに
非
(
あ
)
らずして、
自身
(
じしん
)
の
内
(
うち
)
に
在
(
あ
)
るとして、
又
(
また
)
假
(
か
)
りに
苦痛
(
くつう
)
を
輕蔑
(
けいべつ
)
して、
何事
(
なにごと
)
にも
驚
(
おどろ
)
かぬように
爲
(
し
)
なければならぬとして、
見
(
み
)
て、
第
(
だい
)
一
貴方
(
あなた
)
自身
(
じしん
)
は
何
(
なん
)
に
基
(
もとづ
)
いて
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
暗示は
即
(
すなは
)
ちこれ幻想に
非
(
あ
)
らずや。
這般
(
しやはん
)
幽玄の運用を象徴と名づく。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
詩ハ
淡雅
(
たんが
)
ヲ
貴
(
たっと
)
ブトイヘドモマタ
郷野
(
きょうや
)
ノ気有ルベカラズ。
古
(
いにしえ
)
ノ
応劉鮑謝李杜韓蘇
(
おうりゅうほうしゃりとかんそ
)
皆官職アリ。
村野
(
そんや
)
ノ人ニ
非
(
あ
)
ラズ。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
西洋近代思潮は昔日の如くわれを昂奮刺㦸せしむるに先立ちて
徒
(
いたずら
)
に現在のわれを
嫌悪
(
けんお
)
せしめ絶望せしむ。われは決して
華々
(
はなばな
)
しく猛進奮闘する人を
忌
(
い
)
むに
非
(
あ
)
らず。
矢立のちび筆
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
一の弊あるも九の徳あらばその弊何ぞ言ふに足らんや。風流の人は言ふ風流人の淫行は人間の淫行にして野獣の淫に
非
(
あ
)
らず、人情の美を
基
(
もとい
)
とするを忘れざるなり。
猥褻独問答
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
然るに甲斐守は
頑
(
がん
)
として之を聴かず、おのれは徳川氏の臣にして罪を幕府に獲たのである。幕府より赦免の命を受くるに
非
(
あ
)
らざれば
私
(
わたくし
)
に配所を去るわけにはゆかないと言った。
枇杷の花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
夫故
(
それゆえ
)
江戸には門戸を維持するあたはず始終田舎へ
而已
(
のみ
)
飄泊
(
ひょうはく
)
致し候次第なり。『安政絶句』に相洩し候は
敢
(
あえ
)
て意あるに
非
(
あ
)
らず。唯游歴而已致し候故
止
(
や
)
むことを得ず相洩し候儀に御座候。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一
詩歌
(
しいか
)
小説は創意を主とし技巧を
賓
(
ひん
)
とす。技芸は熟錬を主として創意を賓とす。詩歌小説の作
措辞
(
そじ
)
老練に過ぎて創意乏しければ
軽浮
(
けいふ
)
となる。然れどもいまだ全く排棄すべきに
非
(
あ
)
らず。
一夕
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
非
常用漢字
小5
部首:⾮
8画
“非”を含む語句
非常
非道
似而非
非難
是非
非業
非人
非常時
非情
検非違使庁
非常梯子
人非人
似非
検非違使
非番
先非
似而非者
理非曲直
非曲
野非人
...