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芋虫
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いもむし
ふりがな文庫
“
芋虫
(
いもむし
)” の例文
旧字:
芋蟲
それからまた
身体
(
からだ
)
をずっと乗り出して、葛籠の
紐
(
ひも
)
へ手をかける。蟻が
芋虫
(
いもむし
)
をひきずるように、二寸ばかりこっちへ引き出しました。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
まだ、その蜘蛛大名の一座に、胴の太い、脚の短い、
芋虫
(
いもむし
)
が髪を
結
(
ゆ
)
って、
緋
(
ひ
)
の
腰布
(
こしぬの
)
を
捲
(
ま
)
いたような
侏儒
(
いっすんぼし
)
の
婦
(
おんな
)
が、三人ばかりいた。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
腰車
(
こしぐるま
)
をつかれて横ざまに、ドウと、もんどり打って倒れている。そして
芋虫
(
いもむし
)
のようにころがったまま、ふたたび起きあがろうともしないようす。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いやだよ。そんな大きな眼をしてながら、よく御覧なね。その
屏風
(
びょうぶ
)
の向うに、
芋虫
(
いもむし
)
のように寝てるじゃないか」
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
芋虫
(
いもむし
)
を小山ぐらいの大きさにした奇妙な姿の地底機関車だった。全体はピカピカと、銀色に輝いていた。
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
僕の足もとになど、よく小さな葉っぱが
海苔巻
(
のりまき
)
のように巻かれたまま落ちていますが、そのなかには
芋虫
(
いもむし
)
の幼虫が包まれているんだと思うと、ちょっとぞっとします。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
チャリネのひとたちは舞台にいっぱい
蒲団
(
ふとん
)
を敷きちらし、ごろごろと
芋虫
(
いもむし
)
のように寝ていた。学校の鐘が鳴りひびいた。授業がはじまるのだ。少年は、うごかなかった。
逆行
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
明
(
あ
)
くれは
日曜
(
にちえう
)
、
終日
(
ひねもす
)
寢
(
ね
)
て
居
(
い
)
ても
咎
(
とが
)
むる
人
(
ひと
)
は
無
(
な
)
し、
枕
(
まくら
)
を
相手
(
あひて
)
に
芋虫
(
いもむし
)
を
眞似
(
まね
)
びて、
表
(
おもて
)
の
格子
(
こうし
)
には
錠
(
でう
)
をおろしたまゝ、
人訪
(
ひとゝ
)
へとも
音
(
おと
)
もせず、いたづらに
午後
(
ごゝ
)
四
時
(
じ
)
といふ
頃
(
ころ
)
に
成
(
なり
)
ぬれば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と、彼女は
前折
(
まえかがみ
)
になった。腹が
弛
(
たる
)
んで皺が出来た。
芋虫
(
いもむし
)
のようにウネウネした、二筋の太い皺であった。両腕の先に
水槽
(
みずぶろ
)
があった。その側に小桶があった。両手を小桶の縁へかけた。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
抗
(
あらが
)
うべき
術
(
すべ
)
もなくて、言わるるままに持ち合せの衣類取り出し、あるほどの者を巻きつくれば、身はごろごろと
芋虫
(
いもむし
)
の如くになりて、
頓
(
やが
)
て巡査に
伴
(
ともな
)
われ行く
途上
(
みち
)
の歩みの息苦しかりしよ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
されば動物にも私有財産を有するものと、有せざるものとあるはもちろんのことで、菜の青葉を食うている
芋虫
(
いもむし
)
のごときは、決してその食いつつある一枚の葉を所有しているとはいわれぬ。
動物の私有財産
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
院長は、玄関番の
芋虫
(
いもむし
)
に、こほろぎを外に連れて行くやうに言ひつけました。
こほろぎの死
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
入側様
(
いりがわよう
)
になりたる方より、がらりと障子を手ひどく引開けて突入し来たる一個の若者、
芋虫
(
いもむし
)
のような太い前差、くくり
袴
(
ばかま
)
に
革
(
かわ
)
足袋
(
たび
)
のものものしき出立、真黒な髪、火の如き赤き顔、輝く眼
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
縛られた男は
芋虫
(
いもむし
)
みたいにもがいていた。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
三日三晩、一睡もせず働き通した職人や人足たちは、掃き寄せられた
芋虫
(
いもむし
)
のように、前後不覚にそこらに眠っていた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その度毎に与八が、ダニに食いつかれた
芋虫
(
いもむし
)
のように
窘窮
(
きんきゅう
)
するのを、ダニがいよいよ面白半分になぶる。
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
おまえは、
稀代
(
きたい
)
の不信の人間、まさしく王の思う
壺
(
つぼ
)
だぞ、と自分を叱ってみるのだが、全身
萎
(
な
)
えて、もはや
芋虫
(
いもむし
)
ほどにも前進かなわぬ。路傍の草原にごろりと寝ころがった。
走れメロス
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
なんだか銀色の
芋虫
(
いもむし
)
の化け物に足が生え、両足で立って、さわいでいるとしか見えなかった。
大宇宙遠征隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
嘴
(
はし
)
に小さな
芋虫
(
いもむし
)
を一つ
銜
(
くわ
)
え、あっち向いて、こっち向いて、ひょいひょいと見せびらかすと、籠の中のは、恋人から来た
玉章
(
たまずさ
)
ほどに欲しがって
駈上
(
かけあが
)
り
飛上
(
とびあが
)
って取ろうとすると、ひょいと
面
(
かお
)
を横にして
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いや徐晃、曹洪が出払ったあとなので、守りは手薄だし、油断のあったところだし、
精悍
(
せいかん
)
西涼兵は、
芋虫
(
いもむし
)
のように、ぞろぞろ城壁へよじ登っているではないか。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところが、ものを知らねえ奴は仕方のねえもんで、近ごろ徳冨蘆花という男が、
芋虫
(
いもむし
)
のたわごとという本を書いたんだ、その本の中に、御丁寧に八王子を八王寺、八王寺と書いている。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
飛んでもゆきたいところを、帆村は敵に悟られないように注意をして、
芋虫
(
いもむし
)
のようにソロリソロリとその方向に進んでいった。空気管は、やがてグルリと右へ曲っていたがその角を曲ると、彼は
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
峡
(
かい
)
の細道から三、四人、
芋虫
(
いもむし
)
のように
渓谷
(
けいこく
)
へころげ落ちた。あッ……と
仰
(
あお
)
ぐと、天を
摩
(
ま
)
す
楢
(
なら
)
の木のてッぺんから、
氷雨
(
ひさめ
)
! ピラピラピラ
羽白
(
はじろ
)
の
細矢
(
ほそや
)
がとんでくる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてややしばらく
芋虫
(
いもむし
)
のように
転々
(
てんてん
)
として上になり、下になりしていたが、ついに
踏
(
ふ
)
ンまたいでねじふせた燕作が、右の
拇指
(
おやゆび
)
で、グイと
対手
(
あいて
)
の
喉
(
のど
)
をついたので、あわれや
竹童
(
ちくどう
)
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なに。馬鹿なとはなんだっ。この
芋虫
(
いもむし
)
めッ」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“芋虫(イモムシ)”の解説
イモムシ(芋虫)は、チョウやガの幼虫のうち、顕著な毛や棘が体表にないもの。円筒形の体を有し、腹部に腹脚を持つ。漢字で蜀とも書く。
(出典:Wikipedia)
芋
常用漢字
中学
部首:⾋
6画
虫
常用漢字
小1
部首:⾍
6画
“芋”で始まる語句
芋
芋粥
芋刺
芋茎
芋坂
芋殻
芋焼餅
芋畑
芋銭
芋蔓