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ぜつたい
わが
國の
如き
地震國に
於ては、
地震に
出會つたときの
適當な
心得が
絶對に
必要なるにも
拘らず、
從來かようなものが
缺けてゐた。
例へば
地名の
中にも
姓名を
具ふるらしいのがあるが、この
場合姓名を
轉倒するのは
絶對に
不可である。
絶對に
其犧牲を
惜むものは
他の
憎惡を
買ふに
至らないまでも、
相互の
間は
疎略にならねばならぬ。
彼等は、
日常の
必要品を
供給する
以上の
意味に
於て、
社會の
存在を
殆んど
認めてゐなかつた。
彼等に
取つて
絶對に
必要なものは
御互丈で、
其御互丈が、
彼等にはまた
充分であつた。
それから
事務所へ
行つて
今までゐたんですが、
施療は
村役場の
證明書のない
患者には
絶對にできない
規定だといふんです。だから十
日分の
入院料を
前金で
即時に
納めろといふんです。
右の
樣な
次第であるから、
著者の
結論としては、
地割れに
吸込まれるような
現象は、わが
國にては
絶對に
起らないといふことに
歸着するのである。
復た
冬が
來た
時、
彼は
今までの
腰の
痛みと
違つた一
種の
疾患を
生じたやうに
感じた。
醫者は
依然僂痲質斯なのだといつて、
寒い
夜に
火の
番をして
歩くのは
絶對に
惡いといふのであつた。
もしそこに
火災を
起す
虞れが
絶對になかつたならば、この
問題の
解決に
一點の
疑問も
起らないであらう。
彼は
殆んど
絶對に
同情と
慰藉とに
渇して
居たのである。