絶對ぜつたい)” の例文
新字:絶対
わがくにごと地震國ぢしんこくおいては、地震ぢしん出會であつたときの適當てきとう心得こゝろえ絶對ぜつたい必要ひつようなるにもかゝらず、從來じゆうらいかようなものがけてゐた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
たとへば地名ちめいなかにも姓名せいめいそなふるらしいのがあるが、この場合ばあひ姓名せいめい轉倒てんたふするのは絶對ぜつたい不可ふかである。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
絶對ぜつたいその犧牲ぎせいをしむものは憎惡ぞうをふにいたらないまでも、相互さうごあひだ疎略そりやくにならねばならぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼等かれらは、日常にちじやう必要品ひつえうひん供給きようきふする以上いじやう意味いみおいて、社會しやくわい存在そんざいほとんどみとめてゐなかつた。彼等かれらつて絶對ぜつたい必要ひつえうなものは御互おたがひだけで、その御互おたがひだけが、彼等かれらにはまた充分じゆうぶんであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それから事務所じむしよつていままでゐたんですが、施療せれう村役場むらやくば證明書しようめいしよのない患者くわんじやには絶對ぜつたいにできない規定きていだといふんです。だから十ぶん入院料にふゐんれう前金ぜんきん即時そくじをさめろといふんです。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
今日けふ奇數番號きすうばんがう自動車じどうしやには絶對ぜつたいらないぞ。」
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
みぎよう次第しだいであるから、著者ちよしや結論けつろんとしては、地割ぢわれに吸込すひこまれるような現象げんしようは、わがくににては絶對ぜつたいおこらないといふことに歸着きちやくするのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ふゆときかれいままでのこしいたみとちがつた一しゆ疾患しつくわんしやうじたやうにかんじた。醫者いしや依然いぜん僂痲質斯レウマチスなのだといつて、さむばんをしてあるくのは絶對ぜつたいわるいといふのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
もしそこに火災かさいおこおそれが絶對ぜつたいになかつたならば、この問題もんだい解決かいけつ一點いつてん疑問ぎもんおこらないであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
かれほとんど絶對ぜつたい同情どうじやう慰藉ゐしやとにかつしてたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)