箇所かしよ)” の例文
それでも幾日いくにちつゞいたあめみづたくはへてひくはたしばらかわくことがなかつた。みづためひたつた箇所かしよすくなくなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しかすべてに共通けうつうした手法しゆはふ方針はうしんは、由來ゆらい化物ばけもの形態けいたいには何等なんら不自然ふしぜん箇所かしよがある。それを藝術げいじゆつちから自然しぜんくわさうとするのが大體だい/\方針はうしんらしい。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
たゞ、一箇所かしよ丈餘じやうよ貝層かひそう下部かぶから一二しやくところに、小石こいしごとかこつたなかで、焚火たきびをしたらしい形跡けいせき個所かしよが、半分はんぶんきりくづされて露出ろしゆつしてるのを見出みいだした。
盜人ぬすびとつまつたのち太刀たち弓矢ゆみやげると、一箇所かしよだけおれのなはつた。「今度こんどはおれのうへだ。」——おれは盜人ぬすびとやぶそとへ、姿すがたかくしてしまうときに、かうつぶやいたのをおぼえてゐる。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
つぎつちみづいてほどよくねられた。勘次かんじはおつぎにどろたらひはこばせていて不器用ぶきようもとでつた。卯平うへいなほしののこした箇所かしよこしらへてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
饂飩うどんはしみな一寸ちよつと箇所かしよつまんで三角形かくけいこしらへてぜんならべて佛壇ぶつだんそなへた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)