正直しやうじき)” の例文
しやれ某し是より直樣油屋へ踏込ふみこんで久兵衞とか云ふ奴を引捕ひつとらへて聞糺きゝたゞくれんとおびしめなほして立上りたり後藤は元來ぐわんらい仁心じんしんふか正直しやうじき正路しやうろの人なれば斯の如き事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ほそいけむりこそててゐるがのとしより は正直しやうじきで、それになにかをけつして無駄むだにしません。それで、パンくづ米粒こめつぶがよくすゞめらへのおあいそにもなつたのでした。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
其爲そのため亞尼アンニー一人ひとりさびしくいへのこされて、つひわたくしいへ奉公ほうこうやうになつたのですが、御存ごぞんじのとうり、正直しやうじきをんなですから、私共わたくしどもをかけて使つかつてうち
これは多分たぶんあのペンペのうはさちがひない。すると元気げんき正直しやうじきなペンペもんでしまつたのか。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
初音町はつねてうといへばゆかしけれど、をうぐひすの貧乏町びんばうまちぞかし、正直しやうじき安兵衛やすべゑとてかみ此頭このかうべ宿やどたまふべき大藥罐おほやくわんひたいぎはぴかぴかとして、これを目印めじるし田町たまちより菊坂きくざかあたりへかけて
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「そりや然うだとも!………世の苦勞があるから、偶時たまにア亡くなツた人のことも思はないじやないけども正直しやうじき家作かさくでも少しあツたら、此うしてゐた方が幾ら氣らくだか知れやしない。」
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
いくら惡人あくにんでも、親子おやこじやうはまた格別かくべつへ、正直しやうじきなる亞尼アンニーは「一寸ちよつとで。」とそのをば、其邊そのへんちいさい料理屋れうりやれてつて、自分じぶんさびしい財嚢さいふかたむけて
それはせき末座まつざつらなつてつた一個ひとり年老としをいたる伊太利イタリー婦人ふじんで、このをんな日出雄少年ひでをせうねん保姆うばにと、ひさしき以前いぜんに、とほ田舍ゐなかから雇入やとひいれたをんなさうで、ひくい、白髮しらがあたまの、正直しやうじきさう老女らうぢよであるが