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こゞ
ふりがな文庫
“
曲
(
こゞ
)” の例文
宗助
(
そうすけ
)
は
外套
(
ぐわいたう
)
も
脱
(
ぬ
)
がずに、
上
(
うへ
)
から
曲
(
こゞ
)
んで、すう/\いふ
御米
(
およね
)
の
寐息
(
ねいき
)
をしばらく
聞
(
き
)
いてゐた。
御米
(
およね
)
は
容易
(
ようい
)
に
覺
(
さ
)
めさうにも
見
(
み
)
えなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
黄ばんだ
銀杏
(
いてふ
)
の樹の下に腰を
曲
(
こゞ
)
め乍ら、余念もなく落葉を掃いて居たのは、寺男の庄太。『瀬川君は居りますか。』と言はれて、馬鹿丁寧な挨拶。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
其日
(
そのひ
)
は
風
(
かぜ
)
が強く
吹
(
ふ
)
いた。
勝
(
かつ
)
は
苦
(
くる
)
しさうに、
前
(
まへ
)
の
方
(
ほう
)
に
曲
(
こゞ
)
んで
馳
(
か
)
けた。
乗
(
の
)
つてゐた代助は、二重の
頭
(
あたま
)
がぐる/\回転するほど、
風
(
かぜ
)
に吹かれた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
父
(
とう
)
さんがその
小
(
ちい
)
さな
紫
(
むらさき
)
いろの
花
(
はな
)
の
前
(
まへ
)
で
自分
(
じぶん
)
の
草履
(
ざうり
)
の
紐
(
ひも
)
を
結
(
むす
)
ばうとして
居
(
を
)
りますと、
伯父
(
をぢ
)
さんは
父
(
とう
)
さんの
側
(
そば
)
へ
來
(
き
)
て、
腰
(
こし
)
を
曲
(
こゞ
)
めて
手傳
(
てつだ
)
つて
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
貴方々々
(
あなた/\
)
」と
宗助
(
そうすけ
)
の
枕元
(
まくらもと
)
へ
來
(
き
)
て
曲
(
こゞ
)
みながら
呼
(
よ
)
んだ。
其時
(
そのとき
)
夫
(
をつと
)
はもう
鼾
(
いびき
)
をかいてゐなかつた。けれども、
元
(
もと
)
の
通
(
とほ
)
り
深
(
ふか
)
い
眠
(
ねむり
)
から
來
(
く
)
る
呼吸
(
いき
)
を
續
(
つゞ
)
けてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
丑松も叔父に導かれ、すこし腰を
曲
(
こゞ
)
め、薄暗い
蝋燭
(
らふそく
)
の灯影に是世の最後の
別離
(
わかれ
)
を告げた。見れば父は孤独な牧夫の生涯を終つて、牧場の土深く横はる時を待つかのやう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
上
(
あ
)
がらうとする
拍子
(
ひやうし
)
に、
小六
(
ころく
)
の
脱
(
ぬ
)
ぎ
棄
(
す
)
てた
下駄
(
げた
)
の
上
(
うへ
)
へ、
氣
(
き
)
が
付
(
つ
)
かずに
足
(
あし
)
を
乘
(
の
)
せた。
曲
(
こゞ
)
んで
位置
(
ゐち
)
を
調
(
とゝの
)
へてゐる
所
(
ところ
)
へ
小六
(
ころく
)
が
出
(
で
)
て
來
(
き
)
た。
臺所
(
だいどころ
)
の
方
(
はう
)
で、
御米
(
およね
)
が
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さうかうする中に、聴衆は
最早
(
もう
)
悉皆
(
すつかり
)
帰つて了ふ。急に本堂の内は寂しく成る。若僧や子坊主は
多忙
(
いそが
)
しさうに後片付。庄馬鹿は腰を
曲
(
こゞ
)
め乍ら、畳の上の賽銭を掻集めて歩いた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
蟻
(
あり
)
でも
付
(
つ
)
きましたか」と
門野
(
かどの
)
が玄関の方から
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た。
袴
(
はかま
)
を
穿
(
は
)
いてゐる。代助は
曲
(
こゞ
)
んだ儘顔を
上
(
あ
)
げた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
日
(
ひ
)
は大きな花の
上
(
うへ
)
に落ちてゐる。代助は
曲
(
こゞ
)
んで、花の
中
(
なか
)
を
覗
(
のぞ
)
き込んだ。やがて、ひよろ長い雄
蕊
(
ずゐ
)
の
頂
(
いたゞ
)
きから、
花粉
(
くわふん
)
を取つて、
雌蕊
(
しずゐ
)
の
先
(
さき
)
へ持つて
来
(
き
)
て、
丹念
(
たんねん
)
に
塗
(
ぬ
)
り
付
(
つ
)
けた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
曲
常用漢字
小3
部首:⽈
6画
“曲”を含む語句
委曲
屈曲
曲節
折曲
彎曲
謡曲
曲事
迂曲
曲線
大曲
曲尺
序曲
曲芸
戯曲
一曲
曲舞
行進曲
部曲
小曲
曲者
...