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暹羅
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シャム
ふりがな文庫
“
暹羅
(
シャム
)” の例文
ツイ昨年
易簀
(
えきさく
)
した洋画界の
羅馬
(
ローマ
)
法王たる
黒田清輝
(
くろだせいき
)
や
好事
(
こうず
)
の聞え高い前の
暹羅
(
シャム
)
公使の
松方正作
(
まつかたしょうさく
)
の如きもまた早くから椿岳を蒐集していた。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
もっとも、この頃の日本も日本でございますが、しかし、
馬来
(
マレイ
)
や
暹羅
(
シャム
)
の方では中国人も此の頃ではなかなか困難になって来ております。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
この呪文は
暹羅
(
シャム
)
語で、(アルス・ロンガ・ヴイタ・ヴレヴイス)というのですが、モナコの
模擬貨幣
(
ジュットン
)
が
暹
(
シャム
)
語を知ってるはずはありません。
ノンシャラン道中記:04 南風吹かば ――モンテ・カルロの巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
もしも外形だけで云うなら、庄造だってもっと美しい
波斯
(
ペルシャ
)
猫だの
暹羅
(
シャム
)
猫だのを知っているが、でもこのリリーは性質が実に愛らしかった。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
しかも、二卵性の男女双子に、
暹羅
(
シャム
)
兄弟が全然ありえないということを知ったら、はっきりと君は、悪夢から醒めるだろうね。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
場合によってはと考えて、初から娘の旅券には
暹羅
(
シャム
)
、安南、ボルネオ、スマトラ、
爪哇
(
ジャバ
)
への旅行許可証をも得させてあったのが、幸だった。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
叔父さんの
家
(
うち
)
には祖先伝来の宝として、
天竺徳兵衛
(
てんじくとくべえ
)
が
暹羅
(
シャム
)
から持ってきたという大きな
紅色
(
べにいろ
)
のダイヤモンドがあります。
紅色ダイヤ
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
その半面は、豪壮な
彩具
(
えのぐ
)
と太い線で、朝鮮、明国、
呂宋
(
ルソン
)
、
暹羅
(
シャム
)
などにわたる
亜細亜
(
アジア
)
の沿海と大陸の地図が画いてあった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その他山田長政が威を
暹羅
(
シャム
)
に振いたる、
天竺
(
てんじく
)
徳兵衛が印度に渡りたる、浜田弥兵衛が台湾にある
和蘭
(
オランダ
)
人を
挫
(
くじ
)
きたる、みな
元和
(
げんな
)
、寛永の間にありとす。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
インドとシャムで象厩に猴を
畜
(
か
)
えば、象を息災にすと信ずる由書いたが、近日一七七一年パリ板ツルパンの『
暹羅
(
シャム
)
史』に、シャムの象厩に猴を飼い
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
其の羅越は
老撾
(
ラオス
)
である、何でも高岳親王の御墓所は
暹羅
(
シャム
)
の北境にあるに相違ないといふ説を唱へ出した人である。
那珂先生を憶う
(旧字旧仮名)
/
桑原隲蔵
(著)
高麗
(
こうらい
)
、
唐土
(
もろこし
)
、
暹羅
(
シャム
)
国、カンボジャ、スマトラ、
安南
(
あんなん
)
、
天竺
(
てんじく
)
、世界ははて無く広がって居りまする。ここの世界が癪に触るとて、癪に触らぬ世界もござろう。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
天竜寺船
(
てんりゅうじせん
)
や
御朱印船
(
ごしゅいんせん
)
のような貿易船も南の海を渡って、
呂宋
(
ルソン
)
(フィリッピン)、
渤泥
(
ブルニー
)
(ボルネオ)、
安南
(
アンナン
)
(仏印)、
暹羅
(
シャム
)
(泰)の国々や島々と、日本との間を
往
(
ゆ
)
き
来
(
き
)
した。
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
即ち
呂宋
(
ルソン
)
、
媽港
(
マカオ
)
、安南、東京、
占城
(
チャンパ
)
、
柬埔塞
(
カンボジア
)
、
暹羅
(
シャム
)
、
太泥
(
パタニ
)
等と貿易をしたのは相当旧くからであるが、それらの国々へ渡航する船舶に対し、官許の免許状(朱印)を与えて
秀吉・家康二英雄の対南洋外交
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
墨西其
(
メキシコ
)
、モンテネグロ、
和蘭
(
オランダ
)
、
波斯
(
ペルシャ
)
、
葡萄牙
(
ポルトガル
)
、
羅馬尼亜
(
ルーマニア
)
、
露西亜
(
ロシア
)
、
塞耳比亜
(
セルビア
)
、
暹羅
(
シャム
)
、
瑞典
(
スウェーデン
)
、
那威
(
ノルウェー
)
、
瑞西
(
スイス
)
、
土耳其
(
トルコ
)
、
勃牙利
(
ブルガリア
)
の二十六ヵ国の全権大使が会合して、国際的争議を解決するに
文明史上の一新紀元
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
私は俗に
暹羅
(
シャム
)
の兄弟と云われる、奇妙な双生児の話を聞いていないではなかった。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
暹羅
(
シャム
)
、中国の諸国を表面上の株主として、莫大な建造費を出しているのだった。
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
印度
(
インド
)
は既に亡びて英国に属し、
爪哇
(
ジャワ
)
はその制を
荷蘭
(
オランダ
)
に受け、
暹羅
(
シャム
)
はその命を英国に聞き、近時
安南
(
アンナン
)
も
亦
(
ま
)
た疲れて
仏蘭西
(
フランス
)
に帰する等、漠々たる亜細亜大陸の広き、能く独立の躰面を全うし
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
武子さんは
暹羅
(
シャム
)
の皇太子に
入輿
(
にゅうよ
)
の儀が会議され——明治の初期に、日支親善のため、東本願寺の
光瑩
(
こうけい
)
上人の
姉妹
(
はらから
)
が、
清
(
しん
)
帝との縁組の交渉は内々進んでいたのに
沙汰
(
さた
)
やみになったが——武子さんのは
九条武子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
その時代、一番親しくしたは二葉亭の
易簀
(
えきさく
)
当時
暹羅
(
シャム
)
公使をしていた西源四郎と陸軍大尉で早世した永見松太郎の二人であった。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
逢痴には、
暹羅
(
シャム
)
兄弟特有の、臓器転錯症がなかったのだよ。すると、三引く二は一じゃないか。君の片身は、村次郎なんだ。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
暹羅
(
シャム
)
にいると聞いたうえは、
暹羅
(
シャム
)
まで行くしかないが、そうだとすれば、破船の中にある千貫目の銀が必要になってくる。
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「
呂宋
(
ルソン
)
、
爪哇
(
ジャバ
)
、
婆羅納
(
ブルネオ
)
、
安南
(
アンナン
)
、
暹羅
(
シャム
)
あたりまでを総じて南蛮諸国と申し、また島々とよび、
満剌加
(
マラッカ
)
から先、
臥亜
(
ゴア
)
などを奥南蛮とも申しております」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
是の説は根據極めて薄弱であるに拘らず、隨分贊成者もあつて、後には
暹羅
(
シャム
)
政府とも交渉して御墓所を搜索するといふ騷ぎになつたが、勿論失敗に終つたのである。
那珂先生を憶う
(旧字旧仮名)
/
桑原隲蔵
(著)
変えて
西蔵
(
チベット
)
国民ばかりでなく原始仏教の信仰者——トルキスタン人や
錫蘭
(
セイロン
)
島人やボハラ人や
暹羅
(
シャム
)
人やキルギド人達の信者に依って極楽浄土の象徴かのように崇められるだけの
美観
(
うつく
)
しさを
喇嘛の行衛
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この地の活動写真館のアトラクションで見た
暹羅
(
シャム
)
のあのすばらしく
捌
(
さば
)
きのいい踊りを眺めていた時の彼女に、私はその踊りを習わせて、名踊子にしたい慾望さえむらむらと起ったほど
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
印度人あり、中国人あり、フイリッピン人あり、
暹羅
(
シャム
)
人あり、それからまたソ連人、アメリカ人、フランス人、わが英人など、およそ世界各国の人種をあつめつくしている観があります。
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そのまま羊が象
厩
(
べや
)
に身を
摺
(
す
)
り付くると、いよいよ火事となりて象も猴も焼け死んだとある。象厩に猴を
畜
(
か
)
えば象を息災にすとシャムでも信ずる由、クローフォールドの『
暹羅
(
シャム
)
使記』に見ゆ。
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
鴨緑江
(
おうりょくこう
)
材のケードルや、
暹羅
(
シャム
)
材の
紫檀
(
したん
)
と競いながら、
従容
(
しょうよう
)
として昇って来た。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
〔註、所謂
暹羅
(
シャム
)
の兄弟に類する
癒合双体
(
ゆごうそうたい
)
の生存を保ちし例は、
間々
(
まま
)
なきにあらねど、この記事の主人公の如きは、医学上甚だ
解
(
かい
)
し難き点あり。賢明なる読者は、已にある秘密を推し給いしならん〕
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
両人の間になにか
黙会
(
もっかい
)
があったので、自分の見るところでは、迦知安(広東)か
暹羅
(
シャム
)
あたりの物産だとしか思えない。
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
倫敦
(
ロンドン
)
亜細亜
(
アジア
)
協会の「
孔雀王呪経
(
くじゃくおうじゅきょう
)
」初版、
暹羅
(
シャム
)
皇帝勅刊の「
阿咜曩胝
(
アタナテイ
)
経」、ブルームフィールドの「
黒夜珠吠陀
(
クリシュナ・ヤジュル・ヴェーダ
)
」
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
平戸
(
ひらど
)
そのほかの海港と、
呂宋
(
ルソン
)
、安南、
暹羅
(
シャム
)
、
満剌加
(
マラッカ
)
、南支那一帯の諸港との往来は、年ごとに
頻繁
(
ひんぱん
)
を加えて来るし、それが国民一般の宗教に、軍事に、直接生活に
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私が仲に立つ旨を云い
遣
(
や
)
ると、店員からは案外喜んだ承諾の返事が来て、
但
(
ただし
)
、いま船は
暹羅
(
シャム
)
の塩魚を
蘭領印度
(
らんりょうインド
)
に運ぶために船をチャーターされているから、船も帰せないし、自分も脱けられない。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
して見ると鼠は支那で立派な
上饌
(
じょうせん
)
でない。一七七一年パリ板ターパンの『
暹羅
(
シャム
)
史』にいわく、竹鼠は上饌なり、常鼠に似て尾赤く、毛なく、
蚯蚓
(
みみず
)
のごとし。猫ほど大きく、竹を食い、殊に
筍
(
たけのこ
)
を好む。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
手前は
交趾支那
(
こうちしな
)
の
安交
(
アンコオル
)
から
暹羅
(
シャム
)
の
迷蘭
(
メエランク
)
地方へ猛獣狩りに参りました。するてえと、ある夏の暑い日でしたナ。
ノンシャラン道中記:04 南風吹かば ――モンテ・カルロの巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
十九世紀の末頃だが、有名なシャン・エンの
暹羅
(
シャム
)
兄弟——それが、一八七二年に死んだときのことだった。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
で、宗湛はその父の遺業をうけて、今では
呂宋
(
ルソン
)
、
暹羅
(
シャム
)
、
柬蒲寨
(
カンボジヤ
)
の数ヵ所に、支店まで設けていた。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
堂上方
(
どうじょうがた
)
はいうに及ばず、諸侯のうちでも、識者とみずから任じおる面々でも、明国と問うても、どんな国がらか、また
暹羅
(
シャム
)
、
呂宋
(
ルソン
)
、
天竺
(
てんじく
)
などを訊ねても、どの辺か、どんな国か、皆目
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手持の船に一家
眷族
(
けんぞく
)
を乗せてツーランに入津し、フェイフォに落着きたい意嚮らしかったが、海賊の
嫌疑
(
けんぎ
)
があるので、大年寄がいい返事をしなかったら腹を立てて
暹羅
(
シャム
)
のアユチャに行き
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
暹
漢検1級
部首:⽇
16画
羅
常用漢字
中学
部首:⽹
19画
“暹羅”で始まる語句
暹羅船
暹羅鶏